2024/5/21(水)第8週「めぐりあい、わかれゆく」
あらすじ
のぶが帰宅すると家族の誰もがうなだれていました。異変を察したのぶに、豪が戦死したことを羽多子が告げました。その日の夜、草吉はのぶに問いかけました。お国のために死ねて豪は本当に喜んでいるのかと。
そして豪の葬儀の日。近所の人々やのぶの小学校の生徒が、豪に線香をあげにきました。弔問に来た人々は口々に戦死した豪を称えました。小学校の生徒たちも豪のような兵隊になりたいと言いました。
弔問客の言葉にいたたまれなくなった蘭子は席を外しました。そして、石置き場に行った蘭子は、そこで豪が仕事をしていた日のことを思い出していました。そこへのぶがやって来て蘭子に声をかけました。
のぶは蘭子に言いました。豪を立派だと言ってやりなさいと。のぶの言葉に蘭子は感情を爆発させて言い返しました。どこが立派だ、決して立派だと思わないと。そして蘭子は、羽多子の胸の中で泣きじゃくるのでした。
第13週
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感想
豪ちゃんの戦死
前回、慟哭するカマジイと言葉を失う蘭子ちゃんのカットで終了。
今回はその直後からのスタートかと思っていたら意外にも帰宅途上ののぶちゃんの姿から始まりました。
のぶちゃんが担任しているらしいクラスの男の子が捧げ銃(ささげつつ)。
前回も、同じ男の子たちがのぶちゃんに捧げ銃をしましたが、あの場面は今回の冒頭のためにあったとは。
本当に緻密な脚本です。
そしてのぶちゃんが帰宅すると、蘭子ちゃんは抜け殻のようになっている。
家族も皆うなだれている。
羽多子さんが豪ちゃんの戦死の事実を知らせると、横で泣き出すメイコちゃん。
のぶちゃんも言葉を失う。
一寸のスキもないような場面でした。
そして、集まってきた近所のおじさん方が口々に言う。
「立派」だと。
さらに近所のおじさんの一人がのぶちゃんに対して発言を求める。
「のぶちゃんやったら英霊になった豪に立派だと言えるだろう」
のぶちゃん、こんな迫られ方をしたら返す言葉は一つしかありません。
「豪ちゃんはお国のために立派にご奉公したがです」
蘭子ちゃん、どんな気持ちで近所のおじさんたちやのぶちゃんの言葉を聞いていたのか。
近所のおじさん、蘭子ちゃんの気持ちを考えてあげてと言いたかったけれど、近所のおじさんは蘭子ちゃんと豪ちゃんの関係はまだ知らないはず。
近所のおじさんもあの場では、あのような発言しか選択肢がなかったのでしょう。
カマジイもポツリと言いました。
「本人も本望かもしれん」
二人目の「息子」を亡くしてしまったカマジイ。
こう言うしか、自分を納得させる言葉がなかったのでしょう。
蘭子ちゃん
豪ちゃんに、切れた鼻緒を直してもらった日のことを思い出す蘭子ちゃん。
蘭子ちゃん、幸せいっぱいの表情を浮かべていました。
きっと豪ちゃんも同じ気持ちでいたのでしょう。
その日は夏の日差しがまぶしいほどの日でした。
でも同じ場所に豪ちゃんはいない。
そして、豪ちゃんがいた場所は今日は薄暗い。
見事な対比。
そして、蘭子ちゃん演じる河合優実さんの名演が始まりました。
思い出の夏の幸せいっぱいの表情から一転、魂が抜けてしまったかのような蘭子ちゃんの顔。
蘭子ちゃんが口を開きました。
「皆が立派だと言うたびに悔しくなる」
そして繰り返し口から出てくる「嘘っぱち」という言葉。
この言葉、のぶちゃんの心に深く突き刺さったはずです。
最後、羽多子さんの胸の中で蘭子ちゃんはやっと泣くことができました。
悲しすぎてレビューの言葉が見つからない回でした。
予習レビューと史実のリアルエピソード
スランプの嵩くん
今週の嵩くんはスランプにおちいっています。
翌年の卒業に向けて卒業制作の準備に取り掛かっている嵩くん。
しかし、スランプから抜け出せない状況が続き、座間先生からは「お前らしさが消えている」なんて言われるのが今週の嵩くんの週の始まりの状況です。
仕事が好調なのぶちゃんとは正反対です。
嵩くんがスランプにおちいった理由は定かではありません。
これはブログ主の推測ですが、のぶちゃんからお土産のハンドバッグの受け取り拒否をされてから二年もの間、嵩くんとのぶちゃんは連絡を取り合っていません。
このことが嵩くんにストレスを与えているのではないかと。
また、今週のドラマの中の銀座では「日本人なら贅沢はできないはずだ」みたいな標語が増えている。
そんな変化が描かれます。
嵩くん、この「お国のために」という標語を見るたびにのぶちゃんを思い出すらしい。
嵩くんの性格から考えて「お国のために」という標語を見たところで嵩くんが鼓舞されるとは思えない。
それどころか、そんな標語に何も感じない自分。
そんな標語に鼓舞されているであろうのぶちゃん。
そのギャップが、嵩くんの心をますます落ち込ませ、スランプから抜け出せない状況を作っているのかもしれません。
嵩くんとのぶちゃんのすれ違いのその後
前々週と前週の二週にわたって、嵩くんとのぶちゃんのすれ違いが描かれましたが、前週のハンドバッグ受け取り拒否の一件があって以来、二人は連絡を取り合っていません。
二人が連絡が取り合わない期間は二年近くに及ぶはずです。
若い二人にとって二年という時間はあまりにも長過ぎます。
二年の間にのぶちゃんの中では次のような心境の変化があったようです。
のぶちゃんが羽多子さんに言うんです。
「うちらは考え方が違いすぎるし、うちにガミガミ言われたくないだろう」
のぶちゃんの中では嵩くんとの距離がおもいっきり広がり、もはや嵩くんとの関係はあきらめモードと言っても過言ではありません。
一方の嵩くんはのぶちゃんをどう思っているのか。
嵩くんは健太郎くんに次のように打ち明けます。
「失いそうになってやっとその大切さに気づくこともある」と。
嵩くんの中ではのぶちゃんの存在はますます大きくなっているらしい。
前週に描かれた嵩くんとのぶちゃんのすれ違いの描写から二年。
二人のすれ違いはますます大きくなってきました。
千尋くんからの手紙
のぶちゃんと嵩くんの間で音信不通になってから二年。
のぶちゃんは嵩くんに迷惑をかけたくない気持ちからでしょうか、嵩くんに連絡を取ろうとはしません。
一方の嵩くんは、何度も手紙を書き直すもののうまく書けず、書きかけた手紙を丸めて捨てるその繰り返し。
そんな中、千尋くんから嵩くんに手紙が届きます。
千尋くんが手紙で知らせたことは二つ。
一つ、豪くんが戦死したこと。
二つ、のぶちゃんのもとに縁談が次々に舞い込んでいること。
そして千尋くんは手紙を次のように締めくくります。
「兄貴の気持ちを伝えるなら急いだ方がいい」
嵩くんとのぶちゃんのすれ違いは今週、いよいよ切羽詰まったところまで来てしまうようです。
第13週
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5/21の鑑賞後の感想が、5/28に書かれているような……??
戦争論云々を語るよりも痛烈に感じたこと
「あ~そうでっか」「だから何やねん」という速報なぞいちいち流さんでええわ
前者はNHKにて後者はフジテレビにて目立つわという個人感、というかさっさと解散しろよ
のぶ「豪ちゃんは・・・・お国のために・・・・ご奉公したがです・・・・。」
釜次「そうやの・・・・。」
本心を懸命に押し隠しているのは視ていて良くわかります。
蘭子「立派やと聞くたびに・・・・うちはくやしゅうてくやしゅうてたまらん・・・・・。」
蘭子「会いたい・・・・豪ちゃんに会いたい・・・・。」
本心は皆そうでしょうね。
羽多子「泣きなさい・・・・・思い切り泣きなさい・・・・。」
そう接してあげるのが一番なんでしょうね。
このドラマの根底にある正義は逆転する、「花子とアン」で吉田鋼太郎さんが演じた九州の石炭王のモデルの方のエピソードを思い出した
子孫の方々はこのドラマに感謝していたらしく駆け落ち当時新聞や世間は白蓮さんの味方をし以降関連作品では悪役として描かれていたことを苦々しく感じていたとのこと、しかしながら「花子とアン」では登場時には強欲で金満な人だったのが徐々に根は不器用で純な器のデカイ九州男として描かれてましたね、シェークスピア戯曲もコメディも得意な鋼太郎さんの力量ですな
時代が移り正義感も変わったこともありますわな、令和に同じようなことがあれば白蓮さんが世間からバッシングされるでしょうね