2025/4/3(金)第1週「翼と刀」

あらすじ

大山捨松の鹿鳴館での結婚式が新聞で報じられました。その記事を読んだ直美は、女が成り上がるにはアメリカに行くしかないと考えました。そこで直美は宣教師のメアリーにもっと英語を教えてくれと頼みました。

同じころ、不景気の中で安の縁談相手の家が破産し安の縁談が破談。一ノ瀬家は信右衛門も亡くなり生活は苦しくなる一方でした。そんな中、りんに見合い話が舞い込むものの、18歳も年上の男性が相手のその縁談に美津は難色を示しました。

一方のりんは、見合いをするべきかどうか迷っていました。そんなある日、りんは大山巌と捨松夫妻と出会いました。捨松は夫とは18歳の歳の差があると語り、りんは巌と捨松の夫婦の姿に強い印象を受けました。

ほどなくしてりんは、釣りをしている虎太郎のもとに足を運ぶと、自分に縁談があることを伝えました。りんのその言葉は虎太郎は激しく動揺させました。そして帰宅したりんは美津に告げました。結婚することに決めたと。

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感想

『風、薫る』最初の週が終わりました。

今週の振り返り:りんちゃん

本作の主人公は二人。

そのうちの一人・りんちゃんは前作の主人公と似た境遇からストーリーが始まりました。

ただし前作の主人公と違うのはお父上の考え方。

前作の主人公のお父上は、武士の世がいきなり終わり「立ち尽くし」ていました。

一方で本作の主人公のお父上は、武士の世はすでに終わり世の中が変わったことを、必死になって受け入れようと努力していました。

前作ではさらに祖父部は頻繁に刀を振り回すほどに武士の世に未練を持っていました。

ところが本作の主人公は刀を納屋にしまっていました。

ある日、りんちゃんが納屋の中でお父上の刀を偶然に見つけて驚く場面がありましたが、それほどまでにりんちゃんから見て武士の世は遠い存在でした。

そのせいかりんちゃんは武士の娘ではなく農家の娘であることを自然に受け入れていました。

今週の振り返り:直美ちゃん

もう一人の主人公はりんちゃんとは正反対の境遇。

幼い頃に親に捨てられ教会で育ったという設定です。

直美ちゃんが何歳のころに親に捨てられたのかは今のところ不明です。

しかし、一方で直美ちゃんは心優しい牧師の吉江さんに保護され育てられました。

吉江さんからはそれなりに愛情を注がれているはずです。

それでも心に深い傷を負っているらしい直美ちゃん。

記憶に残る年齢になってから親に捨てられたのか。

それとも親に捨てられ吉江さんに保護されるまでの間に苦い経験があったのか。

いつも暗い目をしている直美ちゃんが心配です。

今回、占い師によれば、それそろ「風が吹く」のだそうですが・・・

今週の振り返り:コレラ

今週はコレラがもう一つの「主人公」でした。

この「主人公」は、第1回で早くも登場しました。

虎太郎くんがりんちゃんのもとにやって来て隣町でコレラが出たと知らせに来た場面です。

第1回からまさかの不穏なフラグ。

しかし次の回では、コレラよりも村祭りが開かれるかどうかの方が心配な安ちゃんの呑気な様子の描写によって、不穏な空気はかき消されました。

しかしその直後に村の中でこれらが発生。

そしてコレラの第一報をりんちゃんに知らせに来た虎太郎くんのお母上がコレラに感染。

一気にコレラが「今そこにある危機」になりました。

ここまでで第2回。

実に早い展開です。

しかし、その次の回の最後ではりんちゃんのお父上が咳き込んで倒れる。

そして、その次の回ではりんちゃんのお父上がコレラに感染したことが判明し、その回のうちに死去。

今週のもう一つの「主人公」は怒涛の展開を見せました。

次週

今回は、全編が次週への予告とでも言えるような、次週の仕込みをする回でした。

次週の仕込みとはりんちゃんの結婚です。

今回、りんちゃんに縁談が舞い込みました。

相手は運送業がうまくいっているということなので経済的には問題なし。

ただし相手の男性が18歳も年上というのが懸念点。

美津さんは年の差以上に家柄の差に難色を示していましたが、農家の娘であることを自然に受け入れているりんちゃんにとっては、やっぱり年の差は高いハードルかも。

ところが大山夫妻と遭遇。

りんちゃんはその夫婦が何者なのかはまだ知りません。

しかし夫婦間に18歳も年齢差があるのにうまくやっているらしい夫婦の姿を見たりんちゃん、いけるかもと考えたのでしょうか。

お母上に結婚すると宣言。

そして次週予告はりんちゃんの祝言の場に始まり、その後の結婚生活の結果が見え隠れする映像で満載。

次週もスピーディーな展開になりそうです。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

本作『風、薫る』の主人公一家は、前作『ばけばけ』の主人公一家と同様に維新前は武士階級の一家でした。

時代に翻弄されたのはそれぞれの主人公一家の実在モデルも同様です。

前作の主人公一家の実在モデルも時代に翻弄されましたが、本作の主人公一家の実在モデルはそれ以上に時代に翻弄された過去を持ちます。

第1週最後の予習レビュー欄では、主人公一家を翻弄した時代についてまとめました。

黒羽藩

主人公一家の実在モデルは黒羽藩の藩士一家でした。

黒羽藩は、下野国那須郡に存在した藩で、藩庁は黒羽陣屋に置かれていました。

藩主家の大関氏は、もともと下野の名門・那須氏を支えた那須七党の一つでした。

1590年、小田原征伐に参陣した大関高増は1万3千石の所領を安堵され、関ヶ原の戦いでは大関資増が東軍に与して上杉家に備えた功績により、徳川家康から7千石を加増。

2万石の大名となります。

その後、大関増親の代に分家への分与があり、石高は1万8千石となりました。

幕末には15代藩主・大関増裕が海軍奉行や若年寄など幕府の要職を歴任し、藩政では作新館を開校してスペンサー銃を標準装備するなど、兵装の洋式化を進めています。

増裕の死後、16代大関増勤は戊辰戦争で新政府軍に付き、三斗小屋攻略や会津戦争で戦功を挙げ、永世賞典禄1万5000石を贈与されました。

黒羽藩は1871年の廃藩置県によって廃止されています。

戊辰戦争

戊辰戦争は、1868年(慶応4年/明治元年)1月の「鳥羽・伏見の戦い」を皮切りに、旧幕府軍と新政府軍との間で繰り広げられた一連の内戦です。

15代将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍に対し、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍が戦い、1869年(明治2年)の「箱館戦争(五稜郭の戦い)」で終結しました。

この戦争の結果、日本は新政府のもとで統一され、新しい時代へと踏み出すことになります。

なお、「戊辰戦争」という名称は、開戦年の干支が「戊辰」であったことに由来しています。

戦争に至るまでの緊張
戦争の背景には、1867年(慶応3年)11月の「大政奉還」がありました。

徳川慶喜は朝廷に政権を返上しましたが、依然として幕府は大きな権力を保持していました。

これに危機感を抱いた薩摩藩・長州藩と岩倉具視らは、徳川慶喜を排除し、天皇中心の新政府を樹立しようと動きます。

同年12月、「王政復古の大号令」が発せられ、200年以上続いた徳川幕府は正式に幕を下ろしました。

しかし新政府は、慶喜に対して「辞官納地」を求めます。

これに慶喜が反発したことで対立は深まり、各地で緊張が高まります。

やがて薩摩浪士による挑発、旧幕府による薩摩藩邸襲撃を経て、両者は完全に対立状態となりました。

そして慶喜は約15,000人の旧幕府軍を率い、鳥羽・伏見へ進軍します。

鳥羽・伏見の戦い
1868年1月、戊辰戦争の初戦となる鳥羽・伏見の戦いが起こりました。

旧幕府軍は約15,000人と数では圧倒的でした。

一方の新政府軍は薩摩藩を中心に約4,000~5,000人でした。

しかし薩摩藩は「薩英戦争」や「下関戦争」を通じて西洋の武器や技術を取り入れており、その火力は旧幕府軍を圧倒。

結果、旧幕府軍は敗北し、徳川慶喜は江戸へ逃れました。

江戸城無血開城
敗れた慶喜は江戸の寛永寺で謹慎し、新政府に恭順の意を示します。

しかし、新政府側には慶喜の責任を厳しく問う声があり、旧幕府側には徹底抗戦を主張する者もいました。

このまま江戸が戦場になれば、多くの犠牲が出ることは避けられません。

そこで、旧幕府側の勝海舟と薩摩側の西郷隆盛が会談を行います。

立場は対立していましたが、「戦いを避けたい」という思いは同じでした。

両者は「江戸城を明け渡す代わりに総攻撃をしない」という条件で合意し、江戸城は無血で開城されました。

会津戦争の悲劇
一方、京都守護職として幕府を支えた会津藩主・松平容保は、新政府に恭順を示していました。

しかし新政府は容保を討つ方針をとり、1868年(慶応4年)に会津戦争が始まります。

白河小峰城での戦闘を皮切りに、新政府軍は新式の小銃や大砲で優位に立ち、会津藩は次第に追い詰められます。

戦火は会津若松城(鶴ヶ城)に及び、会津藩は籠城戦を展開しました。

城内には50発もの砲弾が撃ち込まれ、婦女子や少年兵も戦闘に加わります。

16~17歳の少年で編成された白虎隊も応戦しましたが、1か月に及ぶ籠城の末、会津藩の戦力は尽き、白虎隊の少年たちは自害に追い込まれました。

最終的に松平容保は降伏し、代わりに家老が切腹することで戦いは終結します。

箱館戦争と戊辰戦争の終結
最後の舞台となったのが1869年(明治2年)5月の箱館戦争です。

新政府は旧幕府の約8万人の幕臣を養うことが困難となりました。

これを受け、旧幕府の海軍副総裁・榎本武揚は東北への移住と開拓を名目に、土方歳三ら旧幕府側の武士を率いて箱館(函館)へ向かいます。

新政府軍との戦闘は海と陸で一進一退の攻防が続きましたが、やがて新政府軍の総攻撃が始まり、旧幕府軍は五稜郭に追い詰められます。

最大の防衛拠点であった弁天台場が壊滅し、その救援に向かった土方歳三は一本木関門付近で銃撃を受け、35歳で戦死しました。

その後、榎本武揚が降伏し、箱館戦争は終結します。

こうして1年以上に及んだ戊辰戦争は幕を閉じ、日本は新政府のもとで統一され、明治という新たな時代へ歩み出したのでした。

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