あんぱん

メイコののど自慢の結果 / あんぱん 第93回

2025/8/6(水)第19週「勇気の花」

あらすじ

メイコが「のど自慢」の予選に挑む日を迎えました。緊張していたメイコでしたが、しばらくして順調に歌い始めました。しかし、嵩に頼まれ応援に駆けつけた健太郎の姿を見たメイコは緊張のあまり歌えなくなってしまいました。

予選落ちしてしまったメイコは落ち込んで帰宅。そこに駆けつけてきた健太郎はメイコを励ましました。しかしメイコは、健太郎が応援するかぎり自分は予選を落ち続けると健太郎に言い健太郎を困惑させました。

そんな中、蘭子がメイコに問いかけました。健太郎への想いをいつまで秘めたままでいるつもりなのかと。蘭子の言葉を聞きメイコの気持ちを初めて知った健太郎はメイコに謝罪。メイコはやっと健太郎に気持ちを打ち明けることができました。

メイコの告白を受け健太郎は言いました。自分がNHKに入ったのは「のど自慢」が大好きだったメイコを喜ばせる番組を作りたかったのかもしれないと。その半年後、メイコと健太郎は、健太郎の実家がある博多で結婚式を挙げました。

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感想

嵩くんの密かな活躍

朝田家の三姉妹の中で一番にぶいのぶちゃんですら気がついていたメイコちゃんの気持ち。

そこにまったく気がついていなかった嵩くん。

しかも、メイコちゃんの気持ちに気がついていなかったことを、にぶいのぶちゃんに真剣に驚かれる。

嵩くん、どれだけにぶいのか。

でも、メイコちゃんの気持ちに気がついた後の嵩くんは優しかった。

三星百貨店で仕事中の嵩くんは健ちゃんに電話で何かのお願い。

メイコちゃんの応援に行ってほしいと頼んだに違いないと思っていたらやっぱりそうでした。

それが裏目に出てしまいましたが。

しかし裏目にはさらに裏がありました。

裏目に出たことが、メイコちゃんの告白のトリガーに。

嵩くん、結果としていい仕事しましたね。

そして思い出してみると、メイコちゃんと健ちゃんの出会いのきっかけも嵩くんにありました。

メイコちゃん振り返り

メイコちゃんの恋がやっと実りました。

のぶちゃんと嵩くんが結ばれるまでも長かったですが、メイコちゃんと健ちゃんが結ばれるまでもまあまあ長かった。

これまでのメイコちゃんと健ちゃんを振り返ってみました。

メイコちゃんと健ちゃんの二人が出会ったのは戦時中のことでした。

あのころ、メイコちゃんも健ちゃんも、嵩くんがのぶちゃんを好きなことを知ってました。

さらにメイコちゃんは、のぶちゃん自信が無自覚だった嵩くんへの気持ちも察していたよう気がします。

ところがのぶちゃんと嵩くんはすれ違いを繰り返していました。

のぶちゃんは愛国の鑑となり、嵩くんは自由を謳歌する美術学生。

すれ違う二人を仲直りさせようと、メイコちゃんと健ちゃんは協力して作戦を実行。

メイコちゃんはのぶちゃんを浜辺に連れ出し、健ちゃんもまた嵩くんを浜辺に連れ出し、のぶちゃんと嵩くんが向き合う機会を作りました。

そしてその機会こそがメイコちゃんが健ちゃんに恋してしまうきっかけになりました。

のぶちゃんと嵩くんのすれ違い、それがメイコちゃんと健ちゃんの出会いのきっかけになったわけです。

のぶちゃんと嵩くんのすれ違いがなければメイコちゃんと健ちゃんの出会いはない。

そう考えるとのぶちゃんと嵩くんのすれ違いも無意味ではなかったんですね。

でもメイコちゃんが健ちゃんに恋した当時、メイコちゃんはまだまだ子供でした。

健ちゃんの相手としては若すぎました。

仮にメイコちゃんがそれなりの年齢だったとしても、自称トンチンカンの健ちゃんはメイコちゃんに気持ちに気づかなったかもしれませんが。

次にメイコちゃんが健ちゃんに会ったのは終戦直後。

復員した健ちゃんは嵩くんがいない生活が寂しすぎて御免与に。

生還した健ちゃんと再会したメイコちゃんは泣いて喜びました。

あの時はメイコちゃんの恋心が再びよみがえった瞬間だったかもしれません。

その後、健ちゃんは闇市で開業。

メイコちゃんは健ちゃんの店を訪ねるのが楽しみでした。

そしてメイコちゃんは自分の気持ちを打ち明けようと決意。

ところが、その直前に健ちゃんは闇市の店を撤収。

それっきり姿が消えてしまいました。

あの時のメイコちゃんは気の毒すぎました。

しかし、健ちゃんが姿を消す直前までの闇市の日々が今日につながってくるとは。

メイコちゃんが「のど自慢」に夢中になっていたことが、健ちゃんのNHK入社のきっかけに。

ところで健ちゃんが姿を消した直後、メイコちゃんは言いました。

健ちゃんは東京に行ったような気がすると。

あのころの健ちゃん、東京に行ってNHKに就職しようかなみたいなことをメイコちゃんに言っていたのかもしれません。

闇市でのエピソード。

健ちゃんが闇市を撤収した直後のエピソード。

それらが今回、幸福な形で回収されました。

カマジイとクラバアとヤムおじさんも、嵩くんの漫画の中でメイコちゃんと健ちゃんの結婚を祝福。

そしてメイコちゃんと健ちゃんのストーリーは一区切り。

人生に一区切りがついていないのは蘭子ちゃんだけとなりました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

今週登場する新キャラ・いせたくやの実在モデルは作曲家のいずみたくさんです。

今回の本欄では、リアルいせたくやとリアル嵩くんの関係についてまとめてみました。

リアルいせたくやとリアル嵩くんの関係

リアルいせたくやとリアル嵩くんの出会いは、昭和35年(1960年)に初演された永六輔さんのミュージカル『見上げてごらん夜の星を』での仕事です。

リアルいせたくやはミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の劇中主題歌の作曲を担当。

リアル嵩くんは同ミュージカルの舞台美術を担当。

『見上げてごらん夜の星を』で出会い意気投合した二人は、その後、何度も一緒に仕事をするようになりました。

また、当初は売れなかった『アンパンマン』が大ヒットするきっかけを作ったのも、リアルいせたくやと組んだ仕事がきっかけです。

さて、リアルいせたくやは『見上げてごらん夜の星を』で意気投合したリアル嵩くんが作詞した『手のひらを太陽に』の作曲を行い、これが大ヒット曲に。

これを機にリアルいせたくやとリアル嵩くんの二人は、毎月一曲づつ歌を作ろうと約束。

リアル嵩くんがお気に入りの詩を作ることが出来ると、リアル嵩くんは電話でリアルいせたくやにそのことを報告し作曲を依頼。

そんな二人の仲の良い関係が続く中、リアル嵩くんは『アンパンマン』を生み出しました。

リアル嵩くんは『アンパンマン』をとても気に入っていました。

しかし『アンパンマン』は編集者などからの理解を得られず、まったく売れない状況が続いていました。

そんな中、リアルいせたくやは『アンパンマン』の暴力的ではないニューマンなスーパーマンというコンセプトをとても気に入りました。

そこでリアルいせたくやは『アンパンマン』をミュージカルにしようとリアル嵩くんに提案しました。

『ミュージカル 熱血メルヘン 怪傑アンパンマン』

リアルいせたくやが『アンパンマン』のミュージカル化を提案した当時、リアルいせたくやはミュージカルを専門に上演する劇団フォーリーズを旗揚げ。

そして、その劇団が上演するための客席数100席の劇場・アトリエフォンテーヌを作り、実験的な公演を行っていました。

『アンパンマン』のミュージカルもその劇場で上演されることになりました。

『アンパンマン』のミュージカルは『ミュージカル 熱血メルヘン 怪傑アンパンマン』というタイトルがつけられ昭和51年(1976年)に上演が開始。

ミュージカルになった『アンパンマン』には連日多くの子供たちが駆けつけ大盛況。

リアル嵩くんは舞台の袖から観客席の子供たちの反応を観察し、『アンパンマン』のストーリーに磨きをかけました。

「バイキンマン」というキャラが誕生したのもリアル嵩くんの観察の結果でした。

ある日リアル嵩くんは『アンパンマン』のストーリーには悪役がいないことに気がつきました。

そこで生まれたのが「バイキンマン」というわけです。

リアル嵩くんは観客席の子供たちの反応を観察しながら新たなキャラクターを次々と生み出しました。

そして新たに誕生したキャラクターのテーマソングをリアルいせたくは作曲しました。

リアルいせたくが作曲した『アンパンマン』のキャラクターたちの主なテーマソングは次のとおりです。

『私はドキンちゃん』
『ドキン・ドキン・ドキンちゃんードキンのうたー』
『ずっこけ!ばいきんまん』
『いくぞ!ばいきんまん』
『おなじみしょくぱんまん』
『とべ!カレーパンマン』

リアルいせたくやこといずみたく略歴

いずみたく氏の略歴は次のとおりです。

昭和5年(1930年)1月、東京市下谷区(現:東京都台東区)谷中生まれ。

リアル嵩くんが大正8年(1919年)2月生まれなので、リアル嵩くんより11歳年下です。

仙台陸軍幼年学校に在学中、終戦を迎えました。

仙台陸軍幼年学校とは、幼少時から幹部将校候補を養成するために設立された大日本帝国陸軍の全寮制の軍学校です。

終戦の翌年に東京府立第五中学校を卒業し、同年に鎌倉で開校した高等教育のための私立学校である鎌倉アカデミアに入学。

昭和25年(1950年)に舞台芸術学院演劇学科を卒業し、芥川龍之介の三男で作曲家の芥川也寸志に師事。

その十年後の昭和30年(1960年)に、永六輔のミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の主題歌の作曲を担当。

同作品の制作現場で、舞台美術を担当していたリアル嵩くんを永六輔から紹介されました。

リアルいせたくやが作曲した主な楽曲は次のとおりです。

『ゲゲゲの鬼太郎』主題歌
『見上げてごらん夜の星を』(歌、坂本九)
『いい湯だな』(歌、ザ・ドリフターズ)
『手のひらを太陽に』(歌、宮城まり子)

リアルいせたくやは生涯に約15,000曲を作曲。

また、昭和61年(1986年)には第二院クラブから参議院比例区に立候補して落選。

平成元年(1989年)青島幸男の辞職により繰上当選しました。

任期途中の平成4年(1992年)に肝不全のため死去。

享年62歳。

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POSTED COMMENT

  1. 名乗る程の者ではございません様。こちらこそよろしくお願いします、あなたの投稿いつも楽しく拝見させて頂いております。
     メイコさんと健太郎君、まさに雨降って地固まる。やれやれ、良かった。でもメイコさんが、もしのど自慢の予選を突破していたら、一体どうなっていたんだろう?

  2. あさのあさみ より:

    いずみたくさん作曲のアンパンマンキャラのテーマソングには、
    「てんどんまん自慢歌」
    「ホラーマンメチャクチャチャチャ」
    などの他に、
    ジャムおじさんとバタコさんのための
    「生きてるパンをつくろう」
    があります

    ヤムおじさん、どこで何してるんでしょうかね?
    早く再登場してほしいものです

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