2025/8/13(水)第20週「見上げてごらん夜の星を」
あらすじ
嵩は仕事がないことをのぶに打ち明け、のぶもまた秘書を解雇されたことを嵩に打ち明けました。しかし、のぶは鉄子から次の就職先を紹介されたことを嵩に告げ、嵩もまた漫画に向き合い、二人は再び前を向きました。
それから7年の歳月が流れ昭和35年(1960年)3月。嵩が漫画家として売れる気配はなく、のぶは会社勤めをしながら嵩を支えていました。その頃、蘭子は辛口の映画評が人気を集め、会社勤めをしながら連載を持つまでになっていました。
そんなある日、嵩の不在中にたくやが柳井家に強烈な個性を持った青年を連れてやって来ました。六原栄輔と名乗るその青年は、ミュージカルの舞台美術を嵩に依頼。しかし嵩はその依頼を引き受ける自信がありませんでした。
その翌日、のぶに背中を押された嵩は栄輔の稽古場に足を運びました。すると嵩の返事も聞かず栄輔は嵩をミュージカルの一員に引きずりこみました。動揺する嵩はその場から逃げ出そうとするものの、たくやに止められてしまいました。
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感想
時代が7年スキップ。
柳井家にも「三種の神器」が揃いすっかり豊かな時代になりました。
しかし、嵩くんは相変わらず売れていないらしい。
そんな状況下、新たな展開が始まる予感でいっぱいの回でした。
そして新たな展開を予感される変化でいっぱいの回でもありました。
どんな変化があったかというと・・・
蘭子ちゃんの変化
もともと三姉妹の中で一番大人びた蘭子ちゃんが今ではすっかり大人に。
そして高知に住んでいた頃から続けていた執筆活動は、東京に来てからも継続し今では連載を持つほどに。
今にして思えば蘭子ちゃん、郵便局をクビになったのは良かったのかもしれません。
仮に郵便局勤めを続けていたとしても執筆活動はできていたでしょう。
郵便局員が副業として執筆活動を行うのは微妙としても、月刊くじらに原稿を応募するという形ならば問題ないかと。
しかし高知に住んでいたら東京ほど多くの種類の映画を観ることは困難かと。
特に当時は地方では試写会の機会は少なかったかと。
劇場公開前の試写会でレビューを書かなければ、その映画評には商業的な価値はありません。
単なる個人の感想文になりかねない。
なので、大好きな映画のレビューを書いたとしても、それが仕事につながったかどうかはわかりません。
郵便局をクビになったから民間企業に転職した。
その会社にいたからこそ東京に転勤する機会を得た。
そして東京に転勤になったからこそ映画ライターになる機会を得た。
ここまで順調だった蘭子ちゃん。
蘭子ちゃんの変化はまだまだ続きそうです。
のぶちゃんの変化
のぶちゃんもさりげなく変化したなと思いました。
のぶちゃんが薪先生の事務所を解雇されて7年。
その後、薪先生に紹介してもらった就職先で勤め続けているらしい。
そこでの仕事はお茶汲みや男性の仕事の手伝いなど、当時の女性あるあるの仕事。
蘭子ちゃんも同様の仕事をしているようですが、蘭子ちゃんはそんな処遇が不満らしい。
しかしのぶちゃんは給料をもらえるだけありがたいと処遇を受け入れている。
そんな処遇を受け入れている点が、のぶちゃんが変わったなと考える点です。
結太郎さんが遺した言葉「女子も大志を抱け」を忘れたような日常を送り、逆転しない正義を見つける理想を負った姿はそこにはありません。
ちょっとネタバレが含まれますが、今週から来週にかけて、のぶちゃんも自分の現状に迷いが生じ始めるようです。
嵩くんの変化
7年経たことの変化が描かれる中で、相変わらずなのが嵩くんです。
三星百貨店に勤務していた5年間。
三星百貨店をやめてからの7年間。
合計12年間、嵩くんは漫画が売れていないらしい。
下請けの漫画だけを続けているのでしょうか。
さて、嵩くんは変わっていませんが、嵩くんを取り巻く状況が大きく変化しそうです。
今ではすっかり売れっ子になっているたくやくん。
彼が変人を連れてきました。
この変人が嵩くんを変えてしまうのか。
それとも変人に引っ張り回されても嵩くんは嵩くんのままなのか。
しばらく停滞期に入っていた嵩くん、大きな変化が生じるのかもです。
今週の主なトピック
第20週「見上げてごらん夜の星を」の主なトピックは次の4つです。
1:嵩くんが三星百貨店を退職
2:のぶちゃんが薪事務所を解雇される
3:いせたくやと六原永輔
4:サブタイトル「見上げてごらん夜の星を」
【その1】嵩くんが三星百貨店を退職
前週、嵩くんは三星百貨店に退職届を提出。
今週はその続きからです。
三星百貨店を退職したことで、嵩くんはついに悲願の漫画に専念できる環境を手に入れました。
しかし仕事がない・・・
そんな嵩くんの受難の描写から今週は始まるものと思われます。
また今週は途中で7年スキップします。
そして7年経っても漫画家として売れない状態が続いているという悶々とした状況が描かれます。
そんな中で漫画とは無関係な仕事が舞い込み嵩くんの世界が一気に広がります。
漫画とは無関係な仕事とはミュージカルの舞台美術の仕事です。
そして、そのミュージカルのタイトルが今週のサブタイトルでもある『見上げてごらん夜の星を』です。
【その2】のぶちゃんが薪事務所を解雇される
今週、のぶちゃんが薪事務所を解雇されます。
解雇される理由は、目の前の現実に対応するために理想を追うゆとりを失った薪先生と、あくまでも理想を追いたいのぶちゃんとの間のギャップが埋め難くなったから。
さて、薪先生が所属する党が与党になり、にわかに忙しくなってきた薪先生。
ガード下の人々に会いに行く時間もなくなりがちに。
一方、薪先生が姿を見せなくなったことを寂しがるガード下の人々。
いつだったか、のぶちゃんが薪先生にお願いしたことがあります。
たまにはガード下に足を運んでほしいと。
しかしのぶちゃんがお願いすると、いつも秒単位で時間管理する世良さんがのぶちゃんに対してキッパリとNO!
あれが、のぶちゃんと薪先生の間に生じるギャップのフラグでした。
あの時はそれでもNOと言ったのは薪先生本人ではなく世良さんでした。
しかしその後、世良さんではなく薪先生ご本人も少しづつ変わってきました。
そしてギャップが埋めがたくなったところでのぶちゃん解雇です。
【その3】いせたくやと六原永輔
これまで何度か登場したいせたくやというキャラ。
これまでの登場場面はいずれもチョイ役でした。
しかし今週からチョイ役では済まない重要なキャラクターになるかもです。
今週、いせたくやは六原永輔という名の新進気鋭の演出家を嵩くんに紹介します。
そして、いせたくやの仲介によって、嵩くんは六原永輔が手がけるミュージカルの舞台美術を手がけることに。
また、このミュージカルを機にいせたくやも嵩くんに作詞を依頼。
嵩くん作詞、いせたくや作曲の歌は大ヒットに。
史実では、リアル嵩くんとリアルいせたくやは生涯にわたって一緒に歌を作る仲に。
また『アンパンマン』大ヒットのきっかけの一部を担ったのが、リアルいせたくやでした。
そんなことから、今週から重要度が高くなるいせたくやは、本作のクライマックスに向けてますます重要度を高めていくことが考えられます。
【その4】サブタイトル「見上げてごらん夜の星を」
今週のサブタイトル「見上げてごらん夜の星を」は、今週のドラマに登場する新進気鋭の演出家・六原永輔が手がけるミュージカルのタイトルです。
嵩くんは六原永輔の頼みでミュージカルの舞台美術を担当。
このミュージカルは大ヒットして評判も上場。
ミュージカルの大ヒットによって売れない漫画家だった嵩くんも、漫画家としてではありませんがその名が知られるように。
嵩くんに転期が訪れるようです。
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栄輔「お美しい・・・お美しい・・・お美しい・・・お美しいの三拍子・・・・。」
あの調子と言い・・・リアルの誰なのか、メチャ分かりやすくて笑えました。
あっという間に12年
羽多子さんはまだ御免与で一人暮らしなのでしょうか?
気になります