2024/4/8(火)第2週「フシアワセさん今日は」
あらすじ
釜次が作業場で腕を骨折しました。そのため怪我が治るまでの三ヶ月間、石屋の仕事をまわせなくなってしまいました。それに加えて羽多子の内職の仕事も終了。米びつの中のお米も底をつき、羽多子とくらは不安でいっぱいでした。
ある日、豪が大飯食らいの自分をクビにしてほしいと申し出ました。一方、くらも自分の着物を売ることを考え、羽多子も高知に仕事を探しに行くことにしました。そんな中、朝田家の窮状を察知したのぶは、あるアイデアを思いつき草吉を家に連れてきました。
草吉にパンを焼いてもらい、朝田家でパン屋を始めようとのぶは考えたのです。しかし釜次は猛反対。釜次の態度に草吉も腹を立て、朝田家を去ってしまいました。しかしのぶはあきらめきれませんでした。
のぶは再び、草吉の説得を試みるものの、草吉は御免与を旅立つつもりでいました。しかし、必死に懇願するのぶと嵩の熱意にほだされた草吉は一回だけの約束で、のぶの頼みを引き受けることにしました。
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感想
朝田家のリアル
前回、石材が釜ジイをめがけて転倒。
結太郎さんに次いで釜ジイまで・・・そんな憶測がネット上に飛び交っていましたが、釜ジイは腕の負傷だけで済みました。
最悪の事態には陥らなかったものの、釜ジイの腕は朝田家の家計を支える収入源。
それが失われたのは痛い。
結太郎さんが朝田家に入れいていたお金もなくなり、釜ジイの売上も途絶え、しかも羽多子さんの内職まで終わってしまったらしい。
収入が完全に途絶えてしまった朝田家。
今回の前半、朝田家の大人たちはお金の話ばかりでした。
そんな状況を察した豪くん、自分をクビにしてほしいと釜ジイに申し出。
この申し出は却下されたものの、思わぬ形で豪くんの誠実さが伝わってきました。
これまで豪くんの出番はあまりありませんでしたが、豪くんもその人柄もしっかりと描かれたキャラの一人であることも、今回の豪くんの場面でわかりました。
今回の豪くんの場面。
豪くんが単なるサイドキャラで終わらないことを暗示しているようでした。
また、豪くんがクビにしてくれと申し出ているその背後で、次女の蘭子ちゃんがさりげなく反応を示した瞬間をブログ主は見逃しませんでした。
豪くんと蘭子ちゃんのこの先のストーリーのフラグを見たような気がします。
さて、朝田家のピンチの中で、くらバアも着物を売ることを検討。
「わての着物を売ってこよう」と言い出すくらバアの姿を見て思い出したのは『まんぷく』に登場した「武士の娘」です。
『まんぷく』の武士の娘は、家のお金がなくなっても自分の着物を売ることをなかなか受け入れようとはしませんでした。
その点、くらバアは実に潔い。
くらバアの人となりも、着物を売ると言い出す姿から見えてきました。
内職がなくなった羽多子さんも仕事を探しに高知まで。
羽多子さんの行動力はすばらしい。
見合い結婚でありながらも、結婚後にあの結太郎さんが恋をする女性だけのことはあります。
そして、のぶちゃんも弁当を持たずに学校へ。
のぶちゃん、朝田家がかなりのピンチであることを幼いながらにしっかりと理解したらしい。
今回の前半は朝田家のリアルがこれでもかというぐらい描かれました。
とこで、弁当を持たずお腹をすかせているのぶちゃんに弁当を差し出す嵩くんも相変わらず優しい。
嵩くんも幼いながらにのぶちゃんの家の窮状を察したのでしょうか。
嵩くんのお弁当を美味しそうに食べるのぶちゃん。
そんな中、お弁当を嵩くんにもらったのぶちゃんが、お弁当を食べながら嵩くんに質問。
本当に食べていいの?
こののぶちゃんの質問に対する嵩くんの鋭いツッコミに吹きました。
「普通は食べる前に聞く」
チビ嵩くん、とっても賢い子です。
ますます好きになりました。
ヤムおじさん
「チビ」と「坊主」の熱意にほだされるヤムおじさん。
ヤムおじさんはやっぱり優しい!
釜ジイから詐欺師呼ばわりまでされたのに。
御免与を旅立つつもりでなけなしのお金で切符まで買ったのに。
ヤムおじさんは旅を中止。
一方でヤムおじさんはリアリストです。
売上の6割をもらうと言ったのは、それが何を意味するのか理解できないであろう「チビ」と「坊主」をからかっただけでしょう。
しかし、からかいつつも慈善事業をするつもりはないと意思表示。
条件として付けたのは「1回限り」。
ヤムおじさん、出来の悪いドラマで描かれがちな薄っぺらい善人ではなさそうです。
それにしても、そんなリアリストのヤムおじさんは、どうして「チビ」と「坊主」の願いを引き受けたのか。
何がヤムおじさんの心を動かしたのか。
ヤムおじさん、悲しい過去があるのかもしれません。
だから、「チビ」と「坊主」の願いを無視することができなかったのかな?
ヤムおじさんというキャラがますます気になる存在になってきました。
予習レビューと史実のリアルエピソード
のぶちゃんを主人公とする本作のタイトルは『あんぱん』ですが、今週から主人公とあんぱんのお話が始まります。
のぶちゃんとあんぱん
主人公とあんぱんのお話が始まるきっかけはのぶちゃんのお父さんの急死という悲しい出来事です。
結太郎さんの死で悲しみに沈む朝田家の人々。
のぶちゃんは悲しすぎて感情を失ったような状態に。
そんなどん底から、朝田家の人々、そしてのぶちゃんの心の再生が始まったのは前週描かれた朝田家の人々とあんぱんの出会いでした。
ヤムおじさんが朝田家の人々にあんぱんを持ってきてくれました。
そのあんぱんの味に心を癒された朝田家の人々。
この場面でののぶちゃんの気持ちが物語後半になって回収されるのかもしれません。
朝田家の家計
結太郎さんが亡くなり朝田家の家計は苦しい状況に。
今までは結太郎さんの稼ぎもあったので、高齢の釜次さんは仕事量を抑え気味にしていたのでしょうか。
しかし、もはや仕事を抑え気味なんていうことは言ってられません。
羽多子さんも内職をするように。
そんな中での釜次さんのまさかの負傷。
骨折して全治三ヶ月。
その間、釜次さんは仕事ができない。
仕事の量を増やしたばかりのタイミングで。
ついに底をつく米びつの中のお米。
のぶちゃんも幼いながらに家の懐事情がかなり苦しくなっていることを理解するらしい。
そんな中でのぶちゃんが立ち上がります。
ヤムおじさん再び
のぶちゃんが、朝田家の家計を救うまさかの提案。
ヤムおじさんにパンを焼いてもらい、それを売ろうと言い出します。
この発想力と行動力。
物語後半でのぶちゃんと嵩くんが夫婦になった頃に活かされてくるのかもしれません。
しかし釜次さんは反対します。
反対する理由として考えられるのは釜次さんとヤムおじさんの最悪のファーストコンタクト。
話が前後しますが、今週の冒頭にヤムおじさんが朝田家に集金にくるのです。
前週、朝田家にやって来てあんぱんを振る舞ったヤムおじさん。
ここまでのヤムおじさんは無償の愛を人々に与える聖者みたいな人物でした。
ところがヤムおじさんは、朝田家の人々が食べた分をしっかりと請求。
ヤムおじさん、かなりのリアリストです。
というかこれが普通なのかもしれませんが。
でも、釜次さんはヤムおじさんのやったことを、人の弱みにつけ込んだアコギな商売と考えたらしい。
なので釜次さんはヤムおじさんを朝田家に迎えることを反対するわけです。
では、のぶちゃん発案のヤムおじさんのあんぱんプロジェクトはどうなってしまうのか。
その後の展開はここでは伏せておきます。
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「かまじい」「くらばあ」と言う名前に何か引っかかっていたのだが、二人の名前を合わせて「かまくら」
かまくら→鎌倉 とくればこれはもう「横山隆一」ということに違いあるまい。
横山氏も高知の出身で、「漫画集団」に所属していたことでもやなせ氏との接点があるはず。
こんな感じでやなせ氏と縁のある方々を表現してゆくのかもしれないね。
学生の頃、鎌倉を歩いていてふと見つけた、白くてかわいらしい格子の門扉。
おとぎプロってこんなところにあったんだ、と思ったことを思い出した。