2026/1/29(木)第17週「ナント、イウカ。」

あらすじ

ある日、トキとヘブンの二人は、サワと庄田が一緒にいるところに遭遇。トキは庄田との思いがけない再会を驚きました。そしてトキはサワと久しぶりに会話を交わすことができ、サワとの関係が修復されたことを喜びました。

ヘブンは庄田が錦織の親友と知り意気投合。庄田をすっかり気に入ってしまったヘブンは、サワと庄田を松野家に招待しました。ヘブンは庄田との会話に夢中になり、トキはサワと向き合って話をする機会を得ました。

一方、錦織は知事の江藤を訪問。校長の職を引き受ける決意を固めたことを報告しました。江藤は錦織の決意を大いに喜ぶものの、錦織の後任の教師で庄田ほどの実力を持った人材をまだ見つけられていませんでした。

その数日後、庄田が一人だけで松野家にやって来ました。しかし訪ねて来た要件を話そうとしない庄田の気持ちをトキとヘブンは察しました。そしてトキがサワの名前を口にすると、庄田は激しく動揺しました。

<<前回83回 | 次回85回>>

第17週 | 第18週 | 第19週 | 第20週 | 第21週
第22週 | 第23週
ばけばけ|感想あらすじネタバレトップページ

Sponsored Link

感想

ウマオイ

前回出てきたウマオイという虫の名前。

今回もまたその名前が出て来ました。

「スイッチョン」という鳴き声の主はウマオイという虫であることをヘブンさんに教えるトキちゃん。

一方、ウマオイという虫を知らなかったサワちゃんに、庄田くんがウマオイのことを教え、サワちゃんもその虫の鳴き声に初めて気が付く。

以上、前回から今回にかけてやたらとウマオイにこだる会話が続きました。

どうしてそこまでウマオイにこだわり続けるのか?

その理由が今回の最後の最後に明らかに。

「おサワをスイッチョン?」

トキちゃんとヘブンさんにこれを言わせるためのウマオイだったようです。

トキちゃんとヘブンさんは庄田くんの気持ちをはっきりと察してます。

庄田くんも間違いなく自覚しています。

というか、自分の気持ちの相談をしにトキちゃんとヘブンさんに会いに来たのでしょう。

サワちゃんのとても分かりやすい春到来のフラグが立ちました。

次回あたり春到来が確定のようです。

サワちゃん、春の到来が確定することによって天国長屋からの脱出も確定。

天国町の三人娘は揃って川の向こう側行きが決まりました。

錦織くんの後任

トキちゃんとサワちゃんの関係も修復されました。

二人はもう大丈夫でしょう。

残るは錦織くんと庄田くんの関係です。

トキちゃんとサワちゃんの関係とは異なり、錦織くんと庄田くんの関係はこじれているわけではありません。

お互いを大切に思うが故の誤解が生じているだけです。

錦織くんは教員免許のない自分が教員免許を持っている庄田くんの上司になっていいのかという遠慮がありました。

庄田くんもまた、自分が錦織くんの部下になったら錦織くんがやりにくいのではないかと気遣っていました。

二人とも相手の立場だけを考え、自分の不都合なんて考えていませんでした。

しかし庄田くんが後任教師の座を辞退。

そのため錦織くんはようやく校長職を引き受ける決意を固めました。

残るは庄田くんただ一人。

庄田くんは錦織くんへの遠慮とどのように折り合いをつけるのか?

さらに庄田くんはサワちゃんへの気持ちをどうするのか?

次回はこれら二つのことが回収されるのでしょうか。

東京の場面以来となる再登場の庄田くんですが、次回は庄田くん回になるかもです。

Sponsored Link



予習レビューと史実のリアルエピソード

ドラマの中でトキちゃんとヘブンさんの距離を縮めたのは「怪談語り」でした。

トキちゃんの「怪談語り」は二人の結婚直前に丹念に描かれましたが、史実では小泉セツさんによる「怪談語り」は小泉八雲の創作にとって欠かせないものでした。

小泉セツさんの「怪談語り」は小泉八雲の創作にどのように貢献していたのか。

概要をまとめてみました。

夫婦の共同制作物語

小泉八雲の再話文学が高い完成度を誇る背景には、妻・小泉セツという「語り部」の存在が欠かせませんでした。

小泉セツの協力があったからこそ小泉八雲は次々と質の高い作品を発表することができたのです。

東京に移り住んだ後、小泉セツは浅草や神田の古書店をまわり、小泉八雲が好みそうな怪談・奇談集を探しては購入し、読み込みました。

そして夜になると、その物語を小泉八雲に語りました。

小泉セツの語りは年月とともに磨かれ、小泉八雲が思わず顔色を変えて聞き入ったりするほど強い引き込み力を持つようになりました。

小泉八雲の集中力は高く、物語の世界に没入しました。

語りの「演出」も次第に形づくられていきました。

部屋を暗くして雰囲気を高めたり、小泉八雲が登場人物の心情について途中で質問したり、物語の調子を変えて何度も語してもらったりもしました。

小泉八雲が作品「耳なし芳一」を書いていた際には、こんな逸話も残っています。

小泉セツは「もし自分に学問があったなら、もっと役に立てたでしょうに」と嘆いたこともありました。

しかし小泉八雲は「学問があったなら、幽霊やお化け、前世の話をばかばかしいと思って笑ってしまうでしょう」と返しました。

本作第一回はトキちゃんがヘブンさんに怪談を語る場面から始まりましたが、その場面はこの当時の史実がモチーフになっています。

小泉セツが語り、小泉八雲が書く。

この共同作業の結果、1890年代には『影』『日本雑誌』『骨董』などを毎年のように刊行するほどの創作ペースを実現しました。

小泉セツとの家庭内の語りの時間が、小泉八雲の創作活動を強く支え、作品へと結実していったのです。

再話文学

小泉八雲が世に送り出した再話文学、「雪女」「むじな」「耳なし芳一」などの作品は、いずれも日本に古くから伝わる民話や怪談、地方の言い伝え、古い物語をもとにしています。

しかし、小泉八雲が行った「再話」という手法では、それら原話を生かしつつも時代の感性や価値観によって物語を微妙に変化させています。

その結果、原話が持っていた素朴な味わいに小泉八雲自身の感性が溶け込み新しい文学が生まれました。

再話とは単なる翻案ではなく「現在の言葉で古い物語を生き返らせる」という創造的な営みだったのです。

小泉八雲が再話を手がける際に注目したのは日本から失われつつある「繊細で薄暗い領域」でした。

古い怪談や奇談には、合理性では割り切れない人間の奥底にある感情が息づいています。

八雲はその領域を敏感に察知し、自身の内面世界や人生経験から育った感情を通わせることで、原話に新たな命を吹き込みました。

特に「飴を買う女」や「雪女」には、小泉八雲の母の面影が宿っていると言われています。

小泉八雲は幼い頃に母と離れ深い孤独の中で生きてきました。

その母への憧れや想像が、怪談に登場する女性像へと形を変え、作品全体に微妙な陰影を落としています。

恐ろしさの奥にある哀しみや優しさなどの感情が八雲の再話文学の魅力となっているのです。

小泉八雲の再話作品には、ただ怖いだけではない「文学としての深さ」があります。

それは、異国で暮らしながら日本古来の文化に深く心を寄せた小泉八雲だからこそ成し得た表現と言えるでしょう。

<<前回83回 | 次回85回>>

第17週 | 第18週 | 第19週 | 第20週 | 第21週
第22週 | 第23週
ばけばけ|感想あらすじネタバレトップページ