本放送:2011年10月6日(木)
再放送:2014年4月10日(木)
再々放送:2024年9月26日(木)
第1週 「あこがれ」
花言葉の花「ひまわり」
あらすじ
舞踏会で生まれてはじめて見たこの世のものとは思えない、夢のように美しい「着物」がいつまでも忘れられない糸子。冬休みが終わり学校に通いはじめると、奈津からその「着物」は「ドレス」という名前であることを教えてもらいました。
そんなある日、父の善作から集金を頼まれる糸子は支払いを求めて和菓子屋に居座っているところにやって来た勘助らが団子を万引き。勘助らの後を追い団子を取り返して来た糸子に、菓子屋の親父も支払いしないわけには行きません。
またしても集金に成功する糸子でしたが、団子を取り返された悪ガキたちから仕返しの喧嘩を売られ、河原で取っ組み合いになってしまいます。すると帯にしまったお金が川に流され、それを追いかけるうちにに溺れかけてしまう糸子。
泰蔵に助けられ全身ずぶ濡れで家に帰った糸子は、女だからとなめられたくなかったと喧嘩を買った理由を説明。その糸子の頬を善作は力いっぱい殴ると「これが男の力だ。女が男と張り合うな」と厳しく叱りつけるのでした。
感想
糸子のお父ちゃんの善作さん、売るのも下手、集金も下手。そして、今回明らかになったのは内弁慶の小心者。自分で借金のお願いができないところを妻の千代さんを体よく使い、借金出来たという報告を受けた時だけ亭主然とした態度。
作っておいたぜんざいを、甘いものはもう食べられないと断る千代さんに激高し「ありがたがって食え!」という場面は実に分かりやすい小心者描写でした。でも、決して勘違いキャラではなく自分の弱点を誰よりも心得ているのでしょう。
自分の弱点がわかっているからこそ、神戸の千代さんの実家に年始の挨拶も行かなかったのでしょう。行けば借りて来た猫状態になること間違いなし。でも、視聴者としては神戸で大人しく縮こまっている善作さんも見てみたいような気もします。案外、可愛いかもです。
さて、糸子は今回も集金に成功。前回、吉田屋での集金が相手の弱味を巧みに突いた戦術なら、今度は相手にメリットを提供して相手を骨抜きにし、NOと言い難くしてしまう戦術。この年齢でこの策士ぶり、このエピソードは実話が元になっているんでしょうか。
喧嘩の売り買いの場面、売る方も買う方もあのすごみは凄かった。関東人としては岸和田あたりの普段づかいの言葉でもちょっと怖そうに聞こえるのに、それに迫真の演技が加わって下手なヤ○○映画よりも迫力がありました。
それにしてもリトル糸子を演じる子役の二宮星ちゃんはすごい。大工方に憧れる負けん気の固まりのような芝居も、「上等や、うけちゃら、案内しいや」と喧嘩を買う極道の芝居も、かたや、美しいドレスに心奪われ夢心地の乙女芝居も何をやっても自然。
そんなキャパの大きな演技力が糸子の強烈キャラをしっかり支えてくれているので安心して見ていられます。最後に善作お父ちゃんに平手打ちをくらい、声を上げて泣き出したのは現場を見ていただけの勘助だったというオチも十分納得できます。