カーネーション

紳士服の下手を周防が手伝う / カーネーション 第83話

本放送:2012年1月12日(木)
再放送:2014年7月10日(木)
再々放送:2024年12月26日(木)
第15週「愛する力」
花言葉の花「ベニバナ」

あらすじ

ある日、オハラ洋装店に男性客がやって来て来ました。その客は背広の仕立てを所望しますが、紳士服の職人がいなくなった糸子の店では引き受けることが出来ません。すると経理の松田が、組合の三浦に相談したらどうかと提案。

早速、三浦のもとを訪ねて紳士服の職人を紹介してほしいと頼む糸子。腕も人もいい職人が一人いると三浦が紹介してくれたのは周防。泥酔して醜態をさらしてしまい、二度と会いたくないと思っていた周防を紹介され、糸子は困惑します。

結局、周防に背広の仕立てを頼むことになった糸子は、恥ずかしさに耐えつつ周防を店まで案内して来ました。舶来の革靴を履き聞き取りにくい長崎弁を話す周防を、糸子や家族、店の者たちは徐々に受け入れてゆきました。

一方で周防は糸子がデザインした水玉のワンピースが気になります。戦後一年経っても立ち直れないでいた周防でしたが、水玉のワンピースを来て生まれ変わったように颯爽と歩く女性たちを見て、周防は生きる気力を取り戻していたのです。

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感想

愛国婦人会の澤田のおばちゃんがまた登場。いつぞやこのおばちゃんのことを時代や思想を超えて存在する独善おばちゃんみたいな言い方で評しましたが、澤田のおばちゃんたった一人で時代も思想も超えてしまっているのがすごい。

戦後の澤田のおばちゃんがはまっているのは「米ヨコセ」運動。経理の松田さんが、近所にも似たようなおばちゃんがいるが、あの手合いは説教さえ出来れば何でもいいと鋭い指摘。澤田のおばちゃん、この先も手を替え品を替え登場するんでしょうか。

それはともかく、背広をつくってほしいという男性客が来ました。勝さんはもういない、別の店を紹介したところがそれらの店はまだ営業していないとか。糸子の店がどれだけ早く営業再開にこぎ着けたのかがよくわかりました。

営業にこぎ着けただけでなく、時代の最先端のものをそんなタイミングで商っているところがすごい。繊維組合の三浦会長が「女傑」と一目置くはずです。

さて、原爆で長崎の家と店を焼き払われた悲しみと不安を抱え込みながら毎日を過ごし、終戦から一年を経てもなお立ち直れないでいた周防が、立ち直るきっかけとなるような「すごい」ものを見ました。

それは、糸子のつくった水玉模様のワンピース。糸子が新しい時代の生地と言い、サエがそれを来たら生まれ変われると感激した、水玉模様のワンピースを来ている女性を見て、周防は立ち直れないでいる自分の比べて「すごい!」

原爆のショックから立ち直れない周防の繊細な心の動きを、今回は前例にないほど静かなタッチで描きます。すべての台詞がささやき声のように静かに静かに、背景に流れる音楽も静かに静かに。

泥酔して醜態をさらしたことが恥ずかしくて恥ずかしくて、出来たら周防と顔を会わせたくなかった糸子。いいタイミングで恥ずかしがってくれています。あの醜態がなければきっといつもの騒がしい糸子。周防の心の動きを静かに描けなかったかと。

偶然、糸子の店に手伝いに来たことから、ダメージを受けた心が目の覚めるような水玉模様で癒される機会を得た周防。一方、周防の存在が糸子や家族、店のひとたちにどんな影響を与えるのか。

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