本放送:2011年10月13日(木)
再放送:2014年4月17日(木)
再々放送:2024年10月3日(木)
第2週「運命を開く」
花言葉の花「プリムラ」
あらすじ
正一は小原呉服店に立ち寄った帰り道で、糸子がパッチ屋の手伝いをしていることを耳打ちされ、パッチ屋に糸子を連れ戻しに行きました。娘を働かせているのかと善作と千代を問い詰める正一に、糸子はミシンがあるからあの店にいるのだと説明。
その日の晩、糸子は女学校を辞めてパッチ屋で働きたいと父に頭を下げますが、激怒した善作は糸子を足蹴にしてしまいます。明くる日、糸子の顔のあざを案じる泰蔵。糸子は「自分のだんじり」を見つけたと言い、その決意は揺るぎません。
その頃、善作は神宮司に依頼された娘の婚礼衣装の買い付けに足を運ぶものの、上物の掛け売りはしないと買い付けすることが出来ませんでした。機嫌の悪い善作の帰りを待ち構えていた糸子は、再び女学校を辞めてパッチ屋で働きたいと懇願。
父からどれほど怒鳴られようと、一回言えたら二回言える、二回言えたら三回言えると、糸子は諦めずに繰り返し懇願し続けます。そんな中、パッチ屋の大将・桝谷が糸子の様子をうかがいに小原呉服店の近くまでやって来ました。
感想
千代さんの神戸の実家、松坂の父と兄を善作さんが苦手とする理由が判明。松坂の家に出入りしていた呉服屋の番号だった善作さんが花嫁衣装を納めに来て、千代さんを花嫁にしてしまったとか。
正月に年始の挨拶に行った際、松坂のお母さんが善作さんとの結婚にははじめから反対だったのに対して、お父さんのほうははじめのうちは反対ではなかった。松坂のお母さんがそのことを詰っていたと記憶しています。
口がうまく物腰の柔らかい善作さんに、松坂のお父さんはあの番頭はよく出来た男だくらいに思っていたのかも知れません。ところがそれは見た目だけのことだった。騙されたとわかり、また奥さんからも詰られて、善作さんへの評価は反転。
これで、小原呉服店の商売が順調なら松坂の両親も善作さんを認めざるを得ないのでしょうが、残念ながら商売はさっぱりでその経営は松坂の家からの借金で自転車操業状態。それで善作さん、松坂の父と兄に合わせる顔がないということか。
そんな善作さん、内弁慶で妻の千代さんにはでかい態度。同時に娘たちに対しても「強い父親」に見せようとしているのが哀れでちょっと可愛いような気もします。でも、今回の糸子を足蹴にする場面、朝っぱらからあれはちょっと刺激が強かったのではと心配になりました。
それでも救われたというか、決して暗くならないのは糸子の強さ。あそこまでやられても決して涙を見せず、それどころかますます決意を強くして強烈な眼力で父親に迫る。ついには父のほうがたじろぎはじめるのがすごい。
パッチ屋の大将夫婦が顔を見せなくなった糸子を心配して「ちらっ」と見に来ましたが、二人と顔を合わせぬよう物陰に隠れる糸子が言った言葉がすごい。
「まっといてな、うち頑張るさかい」
見据えているのは父親を承諾させるというゴールのみ。そしてそのゴールに微塵の疑念も迷いもない。時間はかかるが必ずゴールにたどり着けるという確信、必ずゴールにたどり着いてみせるという決意表明。14歳の少女に感動しました。