本放送:2011年12月4日(金)
再放送:2014年6月6日(金)
再々放送:2024年11月22日(金)
第9週「いつも想う」
花言葉の花「母子草」
あらすじ
勝の実家でもある弟夫婦の家で、弟の亘は直子を喜んで預かってくれました。帰り際に直子が不憫になってしまった糸子と勝は、オハラ洋装店に戻ってから直子のことが心配で片時も忘れることが出来ません。
三日目の夜になって、耐えきれなくなった勝は夜中に弟の家を目指します。糸子も一緒になって直子の顔を見に行くものの弟の亘はやっと慣れたところで親の顔を見せないほうがいいと糸子と勝を家に入れません。涙を流し夜道を戻る勝。
生地問屋の大将が最後の生地を納めに来ました。残りの生地を洋服に仕立てるため、糸子は大晦日までの約10日間をほとんど眠らずに仕事をし、ついにすべての生地を使い終わると、大晦日に糸子と勝は直子を迎えに行きました。
昭和16年(1941年)、正月。初詣に行くと神社ではオハラ洋装店の洋服を着飾った女性を何人も見かけ糸子は大喜び。家に帰ると糸子と勝、優子と直子の四人で家族写真を撮影してもらうのでした。
感想
勝さんの弟の家が登場。弟の家は実は実家。家を継いだのは次男。糸子が弟のほうが勝より上等と表現しましたが、旧家を継ぐのにふさわしい風格が弟のほうに備わっているのを勝さん本人も気づいていたのでしょう。
さて、猛獣とまで言われ悩みの種だった直子ちゃん。でも、弟夫婦の家に預けいざ帰ろうとするとその寝顔の可愛さに不憫になる糸子と勝さん。家に戻ってからも直子の泣き声が耳の奥にこびりついてとれない糸子。
それは勝さんも同じ、というか糸子以上だったようです。三日目の夜には耐えきれずに直子ちゃんの顔を見に行こうと寒い夜中に出て行こうとする。勝さん、こんなんに子煩悩だったのかとびっくりしました。
結局、「今ちょうど寝付いたとこや、ようやっと直子も慣れてきたところだ、親の顔を見たら元の木阿弥、今日は帰ってくれ」と亘さんに断られ玄関の中にすら入れてもらえない。亘さんのこの厳しさ、立派です。
その後、勝さんは涙を流しっぱなし。「万年上機嫌の人が泣いている、人の親になるのはどっか哀れなこと」とは糸子。子供が生まれるとは自分より大切な存在がこの世に出来ること。自分より大切な存在の前では個人的上機嫌など吹っ飛んでしまうのでしょう。
翌朝、午前4時に家に戻った糸子と勝さん。寒い夜道を泣き通しだった勝さんだけ顔がしもやけ。万年上機嫌の勝さんもこのツッコミには気まずそう。でも、いいお父ちゃんですね。こんな父親に恵まれて二人の娘は幸福です。
生地も年末までに全量さばききり、晴れて正月。大仕事も終わり、二人の娘も揃って幸せなお正月ですが、ついに昭和16年になってしまったんですね。昭和16年、日米開戦の年です。