カーネーション

軍服の生地で作った洋服が人気 / カーネーション 第77話

本放送:2012年1月5日(木)
再放送:2014年7月4日(金)
再々放送:2024年12月20日(金)
第14週「明るい未来」
花言葉の花「ムスカリ」

あらすじ

昭和20年10月。進駐軍を恐れる岸和田の商店街の人々は米兵がやって来ると店を閉めて家の中に閉じこもってしまいます。しかし次第に慣れて行き、米兵はアメリカの珍しい物を持ち込み買い物もしてくれる有り難い存在だと気付きはじめます。

物資不足の中、軍需品の残りや他の工場から引き取った余りの生地で肌着をつくり、闇市で食料と物々交換する糸子。そんなある日、サエがオハラ洋装店にやって来ました。お互いの無事を喜び合う糸子とサエ。

日々の食べ物もやっとで人はお洒落どころでないとぼやく糸子。サエは街中には復員した若い男が増えていると糸子に教えます。お洒落心の血が騒ぐサエは、いいスカートがあれば三日くらい食事を抜いてでも買いたかったと言います。

糸子は試しにスボン下と軍服の生地で作った洋服をショーウィンドウに飾ると、瞬く間に買いたいという客がやって来ました。軍服の生地でつくった洋服でも店は繁盛。しかし、いい生地で洋服を縫って客に着せたいと心から願う糸子でした。

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感想

進駐軍を怖がる岸和田商店街の人たちがお茶目過ぎです。「進駐軍や!」と声があがるやみんな大慌てで店じまい。家の中でビクビク。商店街には人っ子一人いなくなる。黒澤映画『七人の侍』で雇われた侍たちが村に到着する場面へのオマージュ?

『七人の侍』では家の中に隠れてしまった百姓たちを外に引っ張り出すきっかけをつくったのは三船敏郎演じる菊千代でしたが、『カーネーション』では優子と直子の激しいバトル。直子の猛獣キャラがこんなところで役立つとは。

二人の娘の危機だと思い込んだ糸子が制止を振り切り飛び出し、そんな事態ではおっちゃんたちも外に出ないわけにはゆかない。みんな手に武器を持って威嚇。米兵もそれまでの戦闘の経験から日本人を恐れていたはず。囲まれてさぞかし怖かったかと。

でも岸和田商店街の強面の人たちと米兵はこのトラブルを丸く収めたようです。その証拠に優子と直子、自分の顔よりも大きいチョコレートをちゃっかりゲット。もらって当たり前みたいな顔をしてチョコレートを頬張る二人の図太いこと!

岸和田の人々が米兵に慣れてゆく過程で、木岡のおっちゃんが米兵に下駄を説明。あくまで日本語だけで押し通そうとする、下手な横文字で相手に媚を売らない誇り高き木岡のおっちゃんが素敵です。

さて、オハラ洋装店にサエがやって来ました。サエの市場の読みが深い!毎日ご飯を食べてゆくので精一杯。世間はまだお洒落どころじゃないと思い込んでいる糸子。そんな糸子にサエがズバリ「あんたは商売人だが女心にうとい」

街中には若い男が戻って来て増えている、米兵もいる!それを見て女たちは「どんだけお洒落の血騒いでるか」とサエ。この市場の読みの深さ鋭さ、商売人としてサエのほうが一枚上手じゃないかとすら思うほどです。

でも糸子は柔軟。自分の考えや思い込みでサエの意見を突っぱねるようなことはしません。「洋服おいてへんの?」とやって来たお客さんに背中を押されたというのもあるんでしょう。早速、サエの指摘がどれほどのものか市場テストを開始。

ズボン下の生地のブラウス、軍服の生地のスカート。女性向けのいい生地はないけれど、ないものを嘆かずあるもので最大限の工夫を凝らし試作品完成。オハラ洋装店のショーウィンドウに飾ったその瞬間に食らいついて来ました。

「ほんまや、サエの言う通りや」サエの市場の読みは大当たり。いいお客さんを持ってますね、糸子は。市場の動向をお客さんが教えてくれるなんて商売人として果報者です。

有り合わせの生地でつくった洋服でも欲しがる人がいっぱいいることがわかっても、その儲けに満足せず、思うことはお客さんの喜びと満足。「いい洋服を縫って早くこの人らに着せちゃりたい」

かつていじめられていた勘助をほっておけなかったのと同じように、祖末な洋服に甘んじているお客さんをほっておけない糸子。こんな商売人としての姿勢が糸子を果報者にしているのでしょう。

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