まんぷく

生きていれば希望はある / まんぷく 第73話

本放送:2018年12月24日(月)
再放送:2023年12月25日(月)
第13週「生きてさえいれば」

あらすじ

たちばな栄養食品への追徴課税の徴収ができず、差し押さえにも失敗した税務局は、GHQから圧力をかけられていました。GHQからなんとかしろと強要された税務局は、萬平が会社を売却して得た資金を徴収するために準備を始めていました。

昭和24年(1949年)。会社を解散し、泉大津の家を処分した福子は、鈴や源とともに、大阪の克子の家に身を寄せることになりました。一方、たちばな栄養食品の社員たちは、全員が新しい職に就くことができ、泉大津から去って行きました。

その頃の福子のたった一つの願いは、萬平が一日も早く釈放されることでした。しかし、釈放される見通しはまったく立たず、萬平との面会だけは許されるものの、二人目の子供の出産を目前にした福子は寂しさを募らせていました。

そんな中、福子は病床に伏せる三田村を訪問。深く落ち込んでいる福子を、生きてさえいれば希望はある。萬平を支えるのことができるのは福子だけだと、三田村は福子を励ましました。その三日後。三田村は息を引き取るのでした。

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予習レビュー

今週のサブタイトルは「覚悟を決めます」から「生きてさえいれば」に変更されました。

勇ましさを感じる当初のサブタイトルから、ややトーンダウンした感じがなきにしもあらずの新しいサブタイトルに、福ちゃんの悲痛を感じずにはいられません。

しかも、今回の後半では、またしても不穏な動きのフラグが立ちます。

税務局がGHQから圧力をかけられるというエピソードがそれです。GHQからの命令には従わないわけにはゆかない。

だから、税務局はなりふり構わず、税金を徴収する行動に出ることが予想されます。

そして、その行動は萬平さんに再び向かってくることが予想されます。

何故なら、たちばな栄養食品への追徴課税を、税務局は取りっぱぐれてます。

その、取りっぱぐれたお金を持っているのが萬平さんだからです。萬平さんが持っている、正確には福ちゃんが預かっているはずのお金に、税務局が目をつけないわけがない。

年内最後の放送週。

萬平さんと税務局の最後の決戦がはじまります。年内に勝敗は決まるのでしょうか。

感想

「生きてさえいれば希望はある」

前回に引き続いて三田村さんの言葉の数々が心に沁みます。特に今回は、息をひきとる直前の遺言とでもいうべき言葉です。

「人生いろいろなことがあったが、あとで考えれば、どれも大したことなかった」

いろいろなことも、どれも大したことではなかった。

解決の道筋が見えないトラブルの渦中では、そのことで頭の中がいっぱいになってしまいがちですが、振り返ってみたらたいがいのことはきちんと解決できたのでしょう。

解決できないことはない。生きてさえいれば、大丈夫。

勇気をもらえる言葉です。

「なんとかできたと思うことはぎょうさんある」
なんとかできたと思うこと。三田村さんでも解決できずに諦めて問題もあったようです。福ちゃんも驚いていましたが、僕も驚きました。

しかし、その時は解決できないと諦めたことでも、なんとかできたかもしれない。

どれほど難しい問題でも、解決できないことはない。生きてさえいれば、大丈夫。ということなのでしょうか。

そして・・・

「生きてさえいれば希望はある」
三田村さんのがこれまで体験してきたであろう、すべての試練。

「人生いろいろなこと」
「なんとかできたと思うこと」

これら試練の数々に対する総括のような言葉が、これ以上望めないほどシンプルで、シンプルだからこそ力強い。

「生きてさえいれば希望はある」

福ちゃんの心に響きわたったのではないでしょうか。この言葉を萬平さんも聞いて欲しかった。どれほど励まされたことか。

死期をさとった人は、こんな境地になるのでしょうか。平易な言葉なのに重たい。素晴らしい言葉にめぐり会えることができました。

「決まりなんてあってないようなものだ」

追徴課税を課した会社はもうこの世に存在しないのだから、お金を取られることはないと考える東先生。

法律の専門家として当然の思考かなと思います。

その、四角四面の東先生の考え方に真っ向から異を唱える世良さん。世間の表も裏も知り尽くしている世良さんだけに、その言葉は重たい。

「決まりなんてあってないようなものだ」

世良さん、たしか終戦直後にも、同じような意味合いの言葉を萬平さんたちに言ってましたっけ。

良いも悪いもない。あるのは理不尽な現実だけ、みたいな。

理想を追う少年が理不尽なリアルと妥協したとき、少年は男になる。誰の言葉か忘れましたが、こんな言葉を聞いたことがあります。

この言葉に従えば、昔から世良さんは大人の男です。

きっと、今回の一件も、世良さんの言葉通りの展開になるのでしょう。決まりなんてあってないような展開に。

そのリアルを体験したとき、東先生も少年から男になるのかもしれませんね。

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