2024/4/26(金)第4週「屈み女に反り男?」
あらすじ
直言が贈賄の容疑で勾留され、猪爪家に検察が押しかけてきました。猪爪家の家族が動揺する中、優三が家の中を案内。検察は何時間もかけて家の中にある書類を物色し、夜になってようやく猪爪家を去って行きました。
その日の夜、動揺する猪爪家の家族に対して、優三は法律の知識を生かして出来ることをしようと提案。また、帝都銀行の内部も捜索され、関係者が次々と連行されていたことを優三は家族に告げました。
猪爪家の面々は直言の無実と信じていました。しかし、直言は何日経っても返ってきませんでした。直言の勾留は始まりに過ぎませんでした。その騒動は「共亜事件」として世間を揺るがす大汚職事件に発展しました。
猪爪家には連日のように新聞記者が押しかけ寅子は学校に行けなくなりました。一方、直言の弁護を引き受ける弁護士は見つかりませんでした。そんな中、花岡が穂高を連れて猪爪家にやって来るのでした。
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感想
今週のお題は名律大学法学部に入学したトラちゃんたち女子学生と、同大法学部の男子学生たちとの出会い。
梅子さんの知られざる家庭に関する苦悩。
男女平等を口では唱えていた花岡くんと男女平等に懐疑的だった轟くんの逆転劇。
そして一週間を通してさりげなく描かれ続けた直言さんの異変が、金曜日になってまさかの形で回収されました。
今週の振り返り:名律大学法学部に入学したトラちゃんたち女女子学生
トラちゃんたち女女子学生が名律大学法学部に入学するところから今週がスタート。
そして今週の最初の場面は、ビールを飲んで酔っ払っているトラちゃんの図から。
酔っ払ったトラちゃんを週の始まりに見せることで、ドラマは青春ドラマから大人のドラマへとフェーズが変わったことが表現されました。
大人のドラマのフェーズに入ったところで、トラちゃんの恋バナもフラグも立ちました。
しかしその一方で大人のドラマらしいディープな苦悩が描かれ始めました。
ディープな苦悩とは梅子さんの苦悩のことです。
今週の振り返り:梅子さんの苦悩
梅子さんのご主人が特別講師として名律大学の教壇に立ち、梅子さんが「すんっ」をしたところから梅子さんのドラマがスタート。
前週以前にもどこかの場面で梅子さんがご主人と息子さんから見下されているカットが一瞬だけ挿入され、梅子さんの家族関係に問題があることが暗示されました。
その梅子さんの家族関係、そして梅子さんが法律を学ぶ動機までもが明らかに。
毎日のようにおにぎりを握ってきてくれる梅子さんが、あんな苦悩を抱えていたなんて。
でも・・・
ちょっとネタバレになりますが、今週の梅子さんの苦悩の描写は、梅子さんの悲劇の始まりに過ぎません。
今週の振り返り:花岡くんと轟くん
トラちゃんの恋バナのフラグが立つものの、恋バナの相手の描写はこれまでの朝ドラと比較しても複雑。
トラちゃんを深く反省させるほどに男女平等の考え方に理解を示す好青年として登場するものの、それとは真逆な姿が少しづつ明らかに。
花岡くんとは正反対に男女平等に対して懐疑的な轟くん。
濃い口ひげが轟くんの中にある男尊女卑の価値観をあらわしているかのよう。
しかしトラちゃんたち女子学生の価値を深く理解していたのは花岡くんではなく轟くんだったという意外な展開。
しかも轟くんの一喝によって花岡くんは覚醒しました。
覚醒したというのは、口先だけだった彼の価値観が、腹に落ちたこと。
そしてトラちゃんへの尊敬の念も含んだ特別な感情です。
そして今回、花岡くんは覚醒したと信じることができました。
トラちゃんを助けようと花岡くんが穂高教授を猪爪家に案内。
しかも隣の家との間にある塀を乗り越えてやって来るという真剣さ。
ところで・・・
花岡くんは若いから塀から落ちても問題ないけど、もともと腰が悪いらしい穂高教授は大丈夫なのかな?
心配です。
今週の振り返り:直言さんの異変と勾留
今週、ずっと描かれてきた直言さのの異変が前回の最後から今回にかけて回収されました。
直言さんの最初の異変の場面。
直言さんはトラちゃんに言いました。
トラが幸せならそれでいいみたいな遺言めいたことを。
直言さん、あの時点でこれから自分に何が起こるかをわかっていたのでしょうか。
また直言さんが巻き込まれた事件への、トラちゃんの周囲の面々の反応の描写が秀逸でした。
よねちゃんはカフェで心配そうに新聞を読んでいました。
よねちゃん、一連の騒動に何を思っていたのでしょうか。
梅子さんは直言さんの弁護を夫に頼むものの、夫は一蹴し息子もそれに同調。
そして涼子様。
涼子様の場面は、涼子様の反応そのものよりは、涼子様のご家族の様子が今後のフラグになっているのかなと思います。
涼子様のお母上は昼から酒を飲みすっかり壊れている様子。
お父上は奥様に目もくれずにどこかに行ってしまう。
重たい空気に支配された櫻川家の事情は、この先どこかで回収されるはずです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
「共亜事件」の実在モデル
直言さんが贈賄の容疑で逮捕されます。
この騒動はその後「共亜事件」と呼ばれときの内閣総辞職を招くような一大汚職事件に発展。
この「共亜事件」には実在モデルがあります。
「共亜事件」の実在モデルとなった事件は「帝人事件」。
「帝人」とは帝国人造絹糸(ていこくじんぞうけんし)という企業の略称。
「帝人」は、明治から大正にかけて当時樟脳、砂糖貿易商として世界的な拠点網を確立した商社・鈴木商店の系列会社で、鈴木財閥の中核をなす企業でした。
「帝人」の株式をめぐっての事件が「帝人事件」です。
第一次対戦後の不況によって鈴木商店は経営難におちいり、多額の資金援助を銀行から受ける必要に迫られました。
そこで銀行から融資を受ける担保として、鈴木商店は「帝人」の株式を担保として銀行に渡しました。
とりわけ多額の融資をした台湾銀行は「帝人」株を大量に保有。
その当時、「帝人」が取り扱う人絹(化学繊維、レーヨン)は注目の素材ということもあり、「帝人」の株価が上昇することが見込まれていました。
そんな有望株によって美味しい想いをしようと企んだ財界や政界の人が群がりました。
それが「帝人事件」の始まりです。
「帝人事件」については次週の本欄で、さらに詳しく解説します。
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泣いているのかと思ったら、悔しがっていたんですね。
凄い、というか、さすが、というか。
でも、ああいうときに冷静に対応できる優三さん。
見かけによらず、頼りになります。
冷静な人が一人でもいると、周りも落ち着けます。
後でお腹下してたけど。
思わぬところから、騎兵隊の到着。
花岡くんの、本気が見えました。
直言さん救出大作戦、始まり始まり。
優三さんの腹を壊してトイレに駆け込むシーンや前作のスズ子が空襲の時にトイレにいたという話もあり得ると思ったね。能登の地震で緊急警報を鳴り響かせていた時に腹具合が悪くてトイレに籠っていたので他人ごとだとは思えなかったよ。ああいうシーンをギャグととらえる人は、そういう経験が無い人なのだと思う。私は幼少時から腹具合が悪いことが多く、お笑い芸人がギャグやコントに使って笑いをとろうとするのを見ると腹が立ってならない。
疑獄事件発生。万年受験浪人の優三さん。意外なくらい冷静で頼りになる。検察の家宅捜索、これから何度となく見かける光景。定番の段ボール箱はまだ存在しない。同じく弁護士を主人公とした朝ドラ「ひまわり」でもヒロインの弟が無実の罪をきせられていた。優三さん適切なアドヴァイスさかなに下痢に。らしいちゃらしい。お兄ちゃん、相手は国家権力だから甘くないよ。梅子さんの夫、弁護断るよなあ。あんな人だから。花岡君どうやら見事に表返った。恩師の出馬?事態はどう動く?