虎に翼

法廷劇のために内容改変 / 虎に翼 第15回

2024/4/19(金)第3週「女は三界に家なし?」

あらすじ

「毒まんじゅう事件」の被告が「かわいそうな女性」として同情されるよう、学長が改変したことを涼子が告白。それを聞いたよねは無駄な時間を過ごしたと憤慨しました。しかし憤慨するよねに対して、はるが言いました。

皆の時間は無駄にはなっていない。今日があったから、色々なことがわかったのだと。はるが話していると、寅子たちの輪の中に入れない自分は孤独だと言って花江が泣き出しました。そんな花江に対して、よねは弱音を吐くなと一喝。

しかし寅子は弱音は吐くべきだと主張しました。寅子の言葉に背中を押された花江は弱音を口にしました。はるが一度も自分の料理をほめてくれないと。花江の弱音がきっかけとなり、はると花江はようやく理解しあえるようになりました。

昭和10年(1935年)春、寅子たちは女子部を卒業。一方、法廷劇の乱闘騒ぎが注目を集め女子部は存続できることになりました。ほどなくして寅子たちは名律大学に入学。これから3年間、男子学生と一緒に法律を学ぶことになるのです。

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感想

今週の振り返り:よねちゃん

今週は、ブログ主の中ではよねちゃんに持っていかれた週でした。

よねちゃんがいつも何かに怒っている理由が、壮絶な過去とともに語られました。

よねちゃんの過去も衝撃的でした。

しかし、今週のよねちゃんに関してブログ主が最も注目したのは、よねちゃんが同級生たちを見る目が少しだけ変わったということでした。

どのように変わったのか?

よねちゃんのセリフを整理するとよくわかります。

よねちゃんがカフェで同級生たちについて言った言葉。

今回、よねちゃんが猪爪家で同級生たちについて言った言葉。

以下にまとめてみました。

▼梅子さんについて
・カフェ:おにぎりを人に施す余裕もない
・猪爪家:家事や育児をしながら学んでいる

▼香淑ちゃんについて
・カフェ:働かなくても留学させてくれる家族もいない
・猪爪家:国を離れて言葉の壁もある

▼涼子さまについて
・カフェ:日傘や荷物を持たせたりしない
・猪爪家:周囲に行動を見張られて自由がない

▼トラちゃんについて
・カフェ:昼休みに泳いだり歌ったりもしない
・猪爪家:愛想ふりまいているから何でも押し付けられる

カフェでは、(トラちゃんを除く)同級生たちの恵まれている家庭環境に対して怒りをぶつけていました。

しかし今回の猪爪家の場面では、(トラちゃんを除く)同級生たちの家庭環境でのそれぞれの苦悩をしっかりと理解しています。

そして、この変化を経て、よねちゃんは同級生たちに囲まれることに。

一体何がよねちゃんを変えたのか?

カフェの場面と猪爪家の場面の間に、よねちゃんを変える何か決定的な出来事があるかというと何もない。

しかし、よく考えてみるとカフェの場面以前から、よねちゃんの変化はさりげなく描かれていました。

同級生たちと決して群れたがらないよねちゃんが法廷劇に参加したのも変化の一つ。

そして前回、猪爪家にやってきたよねちゃんが割烹着を着ていたのも変化の一つ。

特に後者の変化は大きい。

よねちゃんは女をやめたので。

拒んでいた同級生たちを、法廷劇への参加によって受け入れ。

拒んでいた自分が女であるということを、割烹着を着ることで受け入れる。

これらの行動によって、実はよねちゃんの変化が表現されていました。

そして、上記のカフェvs猪爪家の言葉対比。

トラちゃんに対してだけは変なところばかり見ているところに、よねちゃんにとってトラちゃんが特別な存在になりつつあることが見え隠れしています。

さらに言えば今回の猪爪家の場面では、よねちゃんはトラちゃん以外は「この人」、トラちゃんだけは「そいつ」(笑)

特別な存在になりつつあるからこそ、照れ隠しで変なところばかり指摘するのかな?

そんな気がするわけです。

もっとも、トラちゃんは実際に同級生の中でもかなりの変わり者であることは確かですが・・・

トラちゃんが変わり者かどうかはともかく、トラちゃんの存在によって硬直したよねちゃんの心が、これから少しづつほぐされていくのかもしれません。

今回、よねちゃんが同級生たちに囲まれたきっかけも、トラちゃんを助けようとした行動によるものです。

よねちゃんのこれからの変化。

そして、よねちゃんの変化を促すトラちゃんの変わり者っぷり。

それぞれが楽しみでなりません。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

主に創作エピソードが描かれる今週の予習レビュー欄では、第1週&第2週で描かれたエピソードのモチーフとなった史実をご紹介します。

弟たち

ドラマの中でトラちゃんには兄の直道くんと弟の直明くんがいます。

兄の直道くんは当時の結婚適齢期の青年として描かれているのでトラちゃんより何歳か年上の20代前半といったところでしょうか。

弟の直明くんはトラちゃんより10歳以上は年下のようです。

ではリアルトラちゃんはどうだったのか?

リアルトラちゃんには兄はおらず、弟が4人いました。

4人の弟の名前はそれぞれ

長男:一郎
次男:輝彦
三男:晟造
四男:泰夫

です。

リアルトラちゃんと四男は十歳以上も年齢が離れていたようです。

ドラマの中の直明くんだけがお兄ちゃんお姉ちゃんと比べて幼いのは、リアルの兄弟の年齢差を再現したものと思われます。

また長男は、下の三人の弟たちにとって厳しい兄であったようです。

そしてそんな長男を、リアルトラちゃんは弟でありながらも一目置いていたのだとか。

リアル猪爪家の所在地

ドラマの中の猪爪家の所在地は東京であること以外は不明です。

猪爪家の周辺に民家や商店が多く立ち並んでいることから東京都心であろうと思いますが・・・

ではリアル猪爪家はどこにあったのか?

リアル猪爪家は現在の港区西麻布4丁目、日本赤十字社医療センターの近くです。

少し歩くと六本木ヒルズなどもあります。

しかし、この地はリアルトラちゃんが生まれた土地ではありません。

リアルトラちゃんが生まれたのはシンガポール。

2歳のときに香川県丸亀市に移転。

6歳のときに東京都渋谷区に移転。

15歳のときに現在の港区西麻布4丁目のあたりに移転しました。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    よねちゃんは、ちゃんとみんなの辛いこと頑張っていることを認めていました。
    あんなふうに他人を弁護したのは、恐らく初めてだったのではないでしょうか。
    思わぬトラちゃんの反応に戸惑うよねちゃんが、可愛い。

    直道さん、「分かるよ」
    いや…ちょっと違うし…。
    はるさんは花江ちゃんに気を遣いつつ、一日も早く猪爪家の味を覚えてもらおうとしていただけで、嫉妬じゃないと思いますよ。
    だから花江ちゃんが前に「女中さんみたい」と言ったのを聞いてしまった時、とても悩んでいた。
    2人とも、お互いに気を遣いすぎて、それで気持ちがすれ違ってしまっていただけ。
    それでも直道さんの、人が辛いこと、悲しんだり悩んだりしていることをちゃんと察知して、その上で誰も否定せず辛い人の気持ちに寄り添おうとする姿は、とても素敵だと思います。
    多少見当違いではあっても。
    花江ちゃん、いい人を見つけたね。

  2. あさのあさみ より:

    よねちゃんが主人公か?と思いそうなくらい
    よねちゃんにスポットライトが当たった
    あっという間の1週間でしたが、
    最後の最後に直道お兄さんに持っていかれました笑

    あんなに優しく爽やかに嫁姑問題を解決できる男なんて、令和の時代でも少ないです
    ましてや、家長制が当たり前の戦前に実母より嫁を優先するなんて、はるさん寂しいでしょうが、素晴らしい息子を育て上げました!

    バケツの水を被っても笑ってすませる器の大きさに一目惚れしたという花江ちゃんの見る目は正しかったです!
    ただの鈍感なお人好しかもと疑ってたんですが笑
    「わかるよ、わかる」と、いつもズレた発言をする直道さんですが、案外本当のところをわかってる人なんですね

  3. ばなななち より:

    よねさんの「この人は〜」で人の背景理解しようとしているとわかるシーン
    脚のツボをカフェの姉さんに教わって、よねさんがとらちゃんのつらい部分に寄り添うシーン

    特に良かったです
    トゲトゲしてる部分とは違う一面が見れて満足でした!
    どう成長していくのか楽しみです

  4. とことこ より:

    望んでこうなったのに、違ってた…。
    これは人生初の壁。
    確かに甘えと思われるかもしれませんが、
    私だけじゃない、と世間を知ること、
    状況を変えようともがくことが大事
    なんですね。
    寅ちゃんとよねちゃん違う寄り添い方で
    どんな弁護士になるのか楽しみです。

  5. 中島立雄 より:

    憤慨して帰ろうとするよねさん。呼び止めるはるさん。はるさんの正論に納得。ただ花江さんは。「つらくない人間なんていない。」「弱音は吐いた方がいい。」ここは寅ちゃんの勝ち。人生いろいろ悩みも色々。別居宣言、長男が巧く纏め。「よねさんは嫌な感じで。」また言いにくい事を。でも的を得て。月経に効くつぼ、ぶっきらぼうだがよねさんなりの感謝。本科への入学、横一列で進む彼女たち、まるで「ワイルドバンチ」のクライマックス。音楽はマカロニウエスタンのモリコーネ調、60年代後半の西部劇のテイスト。

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