2024/4/24(水)第4週「屈み女に反り男?」
あらすじ
法科の面々のハイキングの日、梅子は三男の光三郎を連れてきました。そんな中、男子学生の小橋たちが光三郎の目の前で、梅子の夫に妾がいることを話してしまいました。そのことがきっかけとなり寅子と花岡は口論を始めました。
花岡は、梅子の夫が家庭を養っていることを理由にして妾がいることを正当化しようとしました。その花岡の言葉に寅子は激怒。寅子が花岡を突き飛ばすと、花岡は崖から転落し怪我をしてしまいました。
花岡は入院することになり、法科の面々も病院へ足を運びました。病院の待合室では、梅子が家庭の悩みを打ち明け始めました。子供が生まれたころから夫が家に帰らなくなったこと。子育てを義母にさせてもらえなかったことを。
そして梅子は名律大学に入った動機を打ち明けました。梅子は離婚するために法を学んでいました。今の法律では無理とは分かっていても、子供の親権を手に入れる糸口を見つけることが梅子の願いでした。
第9週 | 第10週 | 第11週 | 第12週 | 第13週
虎に翼|感想あらすじネタバレトップページ
感想
梅子さん
前週がよねちゃん週だったのに対して今回は梅子さん週でした。
光三郎くんがお母さんの作ったおにぎりが一番美味しいと言ったときに、泣きそうになった梅子さん。
あそこで泣きそうになった理由は今回のうちに回収されました。
甘味処で名律大学の面々とおしゃべりしていたときに、そこにやって来た長男がいやそうな表情を浮かべた理由も回収されました。
梅子さんが夫の前で「すんっ」をした理由も明らかに。
梅子さんの笑顔と「すんっ」の裏側にはこんな苦悩があったとは。
ところで、光三郎くんの言葉で梅子さんが泣きそうになったとき、梅子さんの気持ちに真っ先に気がついた香淑ちゃんが、梅子さんの背中を優しくトントン。
梅子さんが苦悩を打ち明けたときも、香淑ちゃんは美しい涙を見せながら梅子さんをハグ。
梅子さんに泣かされるとともに、香淑ちゃんの優しさにもグッと来ました。
2つのエピソードが伏線だった
本作品は細かい伏線がたくさん張り巡らされているようで、今回も「回収」されたことで、2つのエピソードが伏線でることがわかりました。
よねちゃんに股間を蹴り上げられた小橋くん。
彼は梅子さんのご主人にお酒を飲ませてもらったと言ってましたが、その伏線はしっかりと描かれていました。
梅子さんのご主人が特別講師として名律大学に来たときのこと。
授業が終わると小橋くんともう一人の学生が、話を聞かせてほしいと言って梅子さんのご主人の後を追っかける場面が一瞬だけありました。
あまりにもさりげない場面だったのでブログ主はそれが何かの伏線だとは考えもしなかった。
どうやら、小橋くんたちはあの後、梅子さんのご主人に食事に連れてもらったらしい。
そして梅子さんのご主人の自慢話を聞かされたのでしょう。
それが今回、梅子さんの三男の前での妾暴露につながりました。
もう一つの伏線は、はるさんの日記です。
はるさんが日記を書いているという事実は、次週への伏線です。
これは間違いない。
しかし日記を書いている事実ではなく、あの日、日記に書いた内容が伏線だったとは。
はるさんは日記にこんなふうに書いていました。
トラちゃんがハイキングに行くことになったので新しい靴を買うどうか検討していると。
はるさん、どうやら新しい靴を買うことに決めたらしい。
その新しい靴を履いてハイキングに来たトラちゃんは靴擦れを起こして日記の内容が回収。
こんな形でつながるとは。
ところで、はるさんの日記の内容の回収となった靴擦れエピソードも、今回だけでいえばあってもなくてもいいエピソードです。
これもどこかで回収されるのかもしれません。
これも伏線?
今回のドラマの中で描かれたエピソードの中で、これも何らかの伏線であってほしいなというものがあります。
それは病院の場面。
梅子さんが家庭の悩みを打ち明けていた際、轟くんがすみっこで立ち聞きをしていました。
轟くんみたいな男臭いタイプからしてみたら、梅子さんのような悩みを聞かされるのは生まれて初めての経験のような気がします。
世の中にはこんなふうに悩んでいるのかと思ったに違いない。
さて、梅子さんの告白を立ち聞きしていた轟くんは、終始沈黙を守っていましたが、何か感じ入った様子でした。
轟くんの中で何かが変わった瞬間だったのかもしれません。
ところで轟くんは、名律大学法学部で女子学生に対して唯一理解がないキャラとして登場しました。
しかし今ではすっかり馴染んでいる。
彼はどうやら柔軟性のある性格のようです。
彼の柔軟な性格が梅子さんの告白をどのように受け止めたのか。
気になるところです。
また、以下ちょっとだけネタバレが含まれます。
花岡くんは今のところ、女性に対する考え方が危うい。
口ではキレイなことを言ってますが、言葉とは真逆の本音がときおり見え隠れ。
そんな花岡くんのことを轟くんが説教するみたいです。
梅子さんの告白を聞いて、それまで知らなかった女性の苦悩を理解した轟くん。
花岡くんに対して何を言うのでしょうか。
追伸:梅子さんの告白の場面、よねちゃんはもう「甘い!」とか言わなくなりましたね。
よねちゃん、ずいぶん丸くなりました。
予習レビューと史実のリアルエピソード
弁護士法改正
昭和8年(1933年)、弁護士法が改正されました。
そして昭和11年(1936年)に改正弁護士法が施行され、女性が司法科の試験を受けられるようになりました。
女性が司法科の試験を受けられるようになった最初の年の女性の受験者は19名。
しかし合格者はゼロでした。
翌年の昭和12年(1937年)、中田正子さんが女性では初めての筆記試験の合格。
当時、初の女性弁護士の誕生かと注目を集めたようです。
しかし口述試験で不合格。
口述試験では不合格になったものの、女性が筆記試験に合格した事実は、弁護士を目指す女性たちに大いに励みになりました。
そして昭和13年(1938年)、ついに3名の女性が試験に合格。
なお昭和13年(1938年)の司法科の受験者は2986名。
うち合格者は242名。
合格率は8.1%。
その年の女性受験者の正確な数は不明ですがリアルトラちゃんによれば約20名。
うち合格者は3名。
合格率は15%。
リアルトラちゃん情報の女性受験者約20名を差し引くと、男性受験者は2966名。
男性の合格者は239名。
男性の合格率は8.0%。
女性が弁護士を目指すのが極めて珍しかった当時、選り抜きの秀才の女性だけが受験したことも考えられますが、それでも女性の合格率は男性のそれの約2倍。
女性が弁護士になる機会をなかなか得られなかったのは、女性の方が優秀という男性にとっては不都合な真実を隠すためだったのでしょうか?(笑)
第9週 | 第10週 | 第11週 | 第12週 | 第13週
虎に翼|感想あらすじネタバレトップページ
「ムリだ」
直ぐに切り捨ててしまうのが、よねちゃんの悪い癖。
でも遺品返還訴訟では、「裁判官の自由なる心証」という扉が開いた。
無理を承知で、どこかに開けられる扉はないか、その扉と扉の開け方を探すために梅子さんは女子部に来た。
いろんな経験をして、少しずつでもよねちゃんもほかに開けられる扉はないか、小さな窓でも開けられないか、と考える柔軟さを身につけていって欲しいと思います。
轟くん、なかなか好青年ではないですか。
男尊女卑と言いながら、それは弱者=女・子どもは強者=男が守るべき、という意識のようですね。
「今日はハイキングだから、君とは議論しない」
ちゃんと「ハイキング」という場所柄を弁えているし、よねちゃんを「君」と呼んでいる点に尊重を感じます。
「今日はハイキングだから」ということは、ハイキングでない場ならいくらでも議論に応じる、ということですよね。
押さえつけたり黙殺するのではなく、「君」と呼んで議論の相手として認めているあたり、ただの男尊女卑ではない気がします。
いささかうるさいけど…。
梅子さんの話を立ち聞きしていた轟くん、何かを感じ取った様子。
彼の中でも何かが変わるのかもしれません。
寅子さんの靴ずれを治す花岡君、この男の本心って?ましてや彼のモデルがあの人だとは?寅子さんあれはやり過ぎ。轟君あの中ではまあ立派。でも子供の前で父親の愛人の話をするのは当時としてもどうかなあ。梅子さんの長男、頭はいいけどクズ。三男は良い子。梅子さん弁護士志望の悲しい動機。みんな梅子さんを励ます。