2023/12/26(火)第13週「今がいっちゃん幸せや」
あらすじ
三鷹の家でのスズ子と愛助の生活が始まりました。スズ子が献身的に看病する中、結核が再発した愛助の病状は少しづつ快方に向かっていました。愛助を看病しながらの暮らしにスズ子は心から満足していました。
一方の愛助は、スズ子から歌手としての活躍の場を奪っているのではないかと気に病んでいました。そのころ、スズ子は看病に没頭しステージに立つ機会もなく、またマネージャーがいなくなった楽団も巡業できない状態になっていたのです。
同じころ、上海にわたった羽鳥は、現地で知り合った中国人の音楽家・黎錦光とともに、新しい音楽を探し続けていました。羽鳥は久しぶりにジャズを演奏できる環境を心から楽しむその一方で軍人の横暴な振る舞いを日本人として恥じていました。
坂口が大阪の村山興業の本社に出向き、山下をスズ子のマネージャーとして認めてもらいたいと社長のトミに頼み込みました。トミは激怒するものの、坂口は説得に成功。山下がマネージャーとなることで楽団の活動が再開することになりました。
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感想
前回、ツンからデレへと華麗に転身した坂口さん。
今回もまたデレぶりを発揮しました。
今回の坂口さんの登場場面は3つ。
三鷹の家、大阪の村山興業本社の社長室、そして再び三鷹の家。
3つの場面で坂口さんのデレぶりが加速しました。
三鷹の家の坂口さん
愛助くんと一緒に、窓越しにスズ子ちゃんの姿を眺める坂口さんの表情は、これまでのコワモテの坂口さんのそれとは別人のようです。
坂口さんはスズ子ちゃんに対して愛情と敬意を持っている様子。
さらに坂口さんについては、ブログ主の中でもう一つの安心材料があります。
それは坂口さんと愛助くんの関係です。
愛助くんは先代お世話係の山下さんに心から懐いているのは間違いありません。
「じい」とまで読んでいるので。
一方の坂口さんに対しては何処か他人行儀。
子供のころに面倒を見てくれていた山下さんと、青年期に入ってから面倒を見てくれている坂口さんとでは、態度が変わるのは当然といえば当然です。
でも、坂口さんに対してはどこかよそよそしい。
もしかすると愛助くんは坂口さんのことがあまり好きじゃないのかな?と思うこともありました。
しかし坂口さんも山下さん同様に愛助くんに対して愛情を持って接していることが、今回の三鷹の家の場面でわかりました。
愛助くんなら坂口さんの気持ちをしっかりと理解しているでしょう。
坂口さんと愛助くんの関係には何の問題がないと、三鷹の家の場面で確信を持てました。
大阪の村山興業本社の社長室の坂口さん
トミ社長への命がけの説得。(笑)
愛助くんのために坂口さんがやってくれました。
業績報告が終わり、そそくさと社長室を出ようとする坂口さんの姿を見て、やっぱりトミさんの前では何も言えないのかな?と一瞬だけ不安にさせられましたが・・・
しかし坂口さんは引き返すと再び社長と対面。
言い訳がましい発言を社長に咎められると、真正面から勝負をかけました。
坂口さんがトミさんに対して真正面から勝負をかける場面の詳細は、残念ながら省略されました。
きっと長い時間をかけて坂口さんは社長に食い下がったものと思われます。
なにしろ坂口さんは二つのことを説得しないといけなのだから。
当初、予定していた山下さんのマネージャー就任の件。
そして想定外だったスズ子ちゃんに看病を続けされる件。
交際は認めないという条件付きではありますが、相手はあのトミさんです。
坂口さん、最大限の譲歩を引き出すことができたと思います。
再び三鷹の家の坂口さん
トミさんから譲歩を引き出すことに成功した坂口さん、一刻も早くそのことを愛助くんとスズ子ちゃんに知らせたかった模様。
東京に帰ってくると東京支社にも自宅にもよらず、三鷹駅から愛助くんのもとに駆けつけて来たのでしょうか。
今回の3つ目の坂口さんの場面によって、これまでの坂口さんのコワモテの印象は完全に破壊されました。
羽鳥先生と黎錦光
羽鳥先生はジャズを楽しめる環境に身を置いている様子。
一方で横暴な軍人の姿を見て、同じ日本人として恥じる羽鳥先生。
その羽鳥先生に対して中国人の音楽家・黎錦光さんが見せてくれる態度が優しい。
ちなみに黎錦光さんの実在モデルも同名の作曲家。
戦後になっても黎錦光さんは服部良一に教えを請うため日本にやって来たりしていたのだとか。
そんな交流がドラマの中でも描かれることを願っています。
予習レビューと史実のリアルエピソード
上京して以来、ずっと暮らしていた下宿をスズ子ちゃんが出ることになりました。
愛助くんを献身的に看病するスズ子ちゃんの姿にほだされた阪口さんが、愛助くんの療養のために三鷹に家を借り、スズ子ちゃんはその家で看病することになったからです。
ドラマの中では三鷹でのスズ子ちゃんと愛助くんの二人暮らしが描かれますが、史実の笠置シヅ子さん当時の生活環境はドラマとは大きく異なります。
ドラマの中では村山興業の坂口さんが三鷹の家を借りてくれました。
史実では吉本興業の林弘高氏(後に吉本興業三代目社長)が、三鷹ではなく荻窪の自宅の隣にあったフランス人の留守宅を借りました。
ちなみに三鷹と荻窪は同じ中央線沿線ですぐ近くです。
史実の荻窪の家で暮らすことになったのは笠置シヅ子さんと吉本頴右だけでなく、空襲で焼け出された林弘高氏の親戚や知人との共同生活でした。
隣家には林弘高氏が暮らし、家の中では共同生活をする人々がいる。
そんな環境の中で、周囲の目を気にしながらの生活ではありましたが、そんな時間を笠置シヅ子さんは「わが生涯の最良の年」と当時の心境を語っています。
ちなみに笠置シヅ子さんが荻窪で暮らし始めたのは終戦二ヶ月前の昭和20年(1945)6月。
翌年の1月には服部良一氏の家に住まわせてもらうことに。
よって笠置シヅ子さんの「わが生涯の最良の年」はわずか半年足らずのことでした。
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坂口さん、よく頑張りました。
トミさんの目力の強いこと!
さしもの坂口氏も怯えるのも、無理ありません。
蛇に睨まれた蛙状態の中でプレゼンするのは、寿命が縮む思いだったでしょう。
それだけ愛助くんの体を思い、スズ子ちゃんを応援したい気持ちが強かったのですね。
そのお蔭で、山下さんのマネージャー就任が認められました。
山下さん、再登場ですね。
まあ、あれだけの名前をもらっておいてあれっきりじゃ、全くの出オチになっちゃいますものね。
大急ぎで愛助くんとスズ子ちゃんに報告に行く、坂口さん。
「怖かったぁ~」
朝から泣かされ、笑わされました。
やっぱりテイストが新喜劇(やすえ姐さん)。
爺こと山下さんだけでなく、坂口さんも本当に愛助くんのことが大好きなんですね
社長の息子だから仕えているのではなく、愛助くん自身のことが大事で、彼の笑顔の為だったら全力で働く
皆に愛される愛助くん、トミさんは会社も立派に成長させましたが、息子も立派に育てました
「社長、一番キライなんやが複数ありまっせ」という突っ込みは怖くて出来ない坂口さん、半ばキレて主張した後に「怖かった~」といったのは同じ吉本興業の未知やすえ師匠のネタからか?
洗濯しながら「ラッパと娘」を唄うスズ子さん。看病のおかげか症状一時改善。山下さんの件、坂口さんが骨を折り。恋人としての、スズ子さん、歌手としてのスズ子さん。でも歌手のスズ子さんが見たい。羽鳥先生は上海でのびのび。でも軍人横暴。
エノケン、ロッパは吉本にとって脅威。トミさん怖い。必死に抗う坂口さん。山下さんの件うまくいったね。「怖かったー。」実感こもってる。
坂口さん頑張りました。社長への口答え。クビを言い渡されるか、あるいは
殺されるかも知れない、それくらいの覚悟での進言。やりましたね。
これで山下さん、一回限りの出演ではなくなった。そやろな。
そして、さりげなく「タナケン」の登場。