らんまん

大畑が白梅堂に足を運ぶ / らんまん 第55回

2023/6/16(金)第11週「ユウガオ」

あらすじ

寿恵子のことが気になる大畑の娘・佳代が白梅堂に足を運びました。そして店内でのまつとえみの会話から、寿恵子は高藤家に入るらしいことを佳代は知りました。そして帰宅した佳代は、そのことを大畑とイチに告げました。

寿恵子のことを佳代から聞かされた大畑は、すぐにでも白梅堂に向かいたい気持ちでいました。しかし大畑は仏滅を避けて、翌日の大安の日の朝早く紋付袴姿で万太郎の釣書を携え白梅堂に向かいました。そんな大畑を文太は丁重に迎え入れました。

大畑が白梅堂に出向いた日は舞踏練習会の発足式の日でした。大畑が白梅堂にやって来たころ、すでに寿恵子は出かけた後でした。寿恵子は舞踏練習会でダンスを披露。ダンスが終わりると寿恵子はクララに言いました。私には好きな人がいると。

クララに礼を述べ、高藤からの申し入れを断った寿恵子は会場を飛び出すと、万太郎が暮らす十徳長屋へと向かいました。そして子供たちと夕顔を愛でている万太郎の姿を見た寿恵子は、万太郎に抱きつくのでした。

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感想

万太郎くんと寿恵子ちゃんの関係の危機が描かれる週が丸く収まり終わりました。

今週はまた「寛大」に見えた田邊教授と「偏狭」に見えた徳永助教授の立場が完全に逆転してしまう週でした。

万太郎くんと寿恵子ちゃんの関係の危機

寿恵子ちゃんが舞踏練習会の会場を飛び出す直前のタイミングで、寿恵子ちゃんはクララ先生に礼を述べました。

クララ先生、本当に恩人です。

もしダンスの先生がクララ先生ではなく他の先生だったら。

そして、その他の先生が寿恵子ちゃんに気持ちに気づかず、ただ単にダンスを教えることだけで終始するような先生だったら。

万太郎くんのことをあきらめかけていた寿恵子ちゃんはそのまま万太郎くんのことを忘れていたかもしれません。

あるいは万太郎くんのことを忘れるために、高藤家に入ったことも考えられます。

好きな人がいるという気持ちを封印して望まぬ結婚を選んで不幸になったケースで忘れられないのはジョン・フォード監督の『我が谷は緑なりき』の主人公のお姉さん。

あんな悲劇を回避できてよかった。

クララ先生は、もしかするともう出番はないかもしれません。

しかし踊り方だけでなく行き方まで教えてくれたクララ先生は寿恵子ちゃんにとっての人生の師匠です。

寿恵子ちゃんを導いてくれた人として記憶に刻みつけておこうと思います。

田邊教授と徳永助教授の立場の逆転

ブログ主が今週にもっとも期待していたのは田邊教授と徳永助教授の立場の逆転劇です。

田邊教授が、わかりやす過ぎるくらいに腹黒さを全開にする描写も意外でしたが、あの威丈高な徳永助教授が実は情に厚い優しい男だったことはもっと意外。

徳永助教授の前週までの登場場面は、怒鳴り散らしているところばかりでしたが、見えないところで学生たちに愛情を注いでいる教育者らしい。

今週の徳永助教授が万太郎くんを見つめる目は、まさに学生たちに愛情を注ぐ良き教育者の目でした。

受験を経ていない若者の大学への出入りに反対するのは、もっともな話でもあります。

しかし、大学への出入りに反対し続けた若者の日々の努力を見るうちに、徳永助教授の中に教育者としての愛情が目覚めたらしい。

万太郎くんにとって徳永助教授は、少年時代の蘭光先生以来の恩師なのかもしれません。

一方の田邊教授には学生に対する教育者としての愛情が感じられない。

万太郎くんが大学に出入りすることを受け入れたのも、利用できそうなら利用してしまえという下心からだけのことでしょう。

史実に従って物語が展開するのなら、後半で田邊教授は大学を追い出されるかもしれません。

何をやらかして追い出されるのか、どんな顔をして追い出されるのか。

後半への楽しみが増えました。

次週

亡きお父上の影響を受けて冒険にあこがれていた寿恵子ちゃんが、万太郎くんとともに冒険の人生に挑む物語が次週より始まります。

記録に残されているリアル万太郎くんリアル寿恵子ちゃんのエピソードを読むかぎり、二人はかなりハードな冒険の人生を送った模様。

本作もまもなく中盤を迎え、後半の展開が気になる時期となりました。

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予習レビュー

今週、木曜日か金曜日の放送あたりで、ついに『≈』が創刊されます。

万太郎くんおめでとう!

そこで今回の予習レビュー欄では、リアル万太郎くんが創刊した『植物学雑誌』についてまとめてみます。

リアル万太郎くんが『植物学雑誌』を創刊したのは、明治20年(1887年)2月。

リアル万太郎くんも『日本産ヒルムシロ属』という論文をを誌面で発表しています。

この論文についてはドラマの中で何らかの形で触れられると思います。

ところで、ドラマの中では万太郎くんは寿恵子ちゃんとの会話の中で、日本中の植物の名前を明らかにして一冊の本にまとめるという夢を見つけました。

一方のリアル万太郎くんが、上記の夢を見つけたのは『植物学雑誌』の発行準備を進める中でのことだったようです。

リアル万太郎くんは『植物学雑誌』に載せる原稿が集まるまでの間、日光、秩父、筑波山など北関東の山々で植物採集をしていました。

そして、その植物採集を通して、日本のすべての植物を植物画をつけて紹介する出版物を世に出すという夢を見つけたのだとか。

万太郎くんが夢を見つけた瞬間より、リアル万太郎くんが夢を見つけた瞬間の方がドラマ向きだなと思うのはブログ主だけでしょうか。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    寿惠子ちゃん、よく言いました!
    あのような場所で自分の気持ちをはっきりと言うのは、さぞ勇気が要ったことでしょう。
    遅くまで寝床で読んでいた、お父さんから貰った愛読書の『八犬伝』。
    『八犬伝』の八犬士たちから、勇気をもらったのでしょうか。
    『人形の家』のノラを思い出しました。
    高藤氏は言っていることと心の中とが、全く食い違っていますね。
    口では男女平等と言いながら、本当は自分の思い通りになるお人形が欲しかっただけ。
    女声を道具としか考えていない

    弥江奥さまも、留飲を下げたご様子。
    痛快でした。

    夜明けを待ちわびて白梅堂に駆け付ける大畑さんと、「時が来ました」と大喜びで迎える文太さん。
    万太郎くん、みんなに愛されてますね。

    昨日の感想を、間違えて今日の欄に書き込んでしまいました。
    何とも、間の抜けたことで申し訳ありません…💦

  2. ばなななち より:

    仏滅の日が明けた早朝に挨拶に行く親方、丁寧に迎え入れる料理長、心が暖かくなるシーンでした!

    自分らしさの象徴である里見八犬伝を抱いて寝ている姿、机の上にある植物絵、
    親方が話に来る前に心はもう決まっていましたね

    私欲ではなく、国と民草を思っての行動だったのは少し安心しました
    ただ手段と考え方が悪かったですね…
    女子にも教育は必要という言葉、まさか男性の言う通りにさせるという教育という意味…?

  3. あさのあさみ より:

    不倫や離婚に厳しい(そうな?)キリスト教信者のクララ先生が、高藤氏の妾計画に異を唱えるという希望的予想をしていましたが、本妻に逆襲されるという斜め上を行く展開でした!
    時々本妻の表情がクローズアップされてたのは今日の為だったのですね

    それにしても、大事な万ちゃんの為に大安の朝早くから行動する親方、本当に万太郎くんのことが可愛いのですね
    万太郎くんさえ気があれば、本当に婿養子にしたかったでしょうね

  4. tokumei より:

    ダンスお披露目の会でダンス音楽の中に1931年の映画音楽だったという「それは天の一部に違いない、ウィーンとワイン、ウィーンとワイン」と新酒ワインの飲み場「ホイリゲ」で歌われたそのメロディーが・・・
    45秒目くらいから
    https://youtu.be/-23giwBo_LE
    (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E3%81%AF%E8%B8%8A%E3%82%8B)

  5. 名乗る程の者ではございません より:

    時がきましたか
    文太さん

    時が来た、それだけだ
    今は亡きプロレスラー橋本真也さんの有名過ぎるコメント
    隣で笑い誤魔化す蝶野さんとセットで思い出しプロレスファンのワイにとって刺さったシーン

  6. 還暦のたつお より:

    白梅堂に赴く佳代さん。「あっ、10個もあったのに。」美味しいからって食べ過ぎ。高藤家の件で自分にもチャンスが来た?「美を理解するには教養が。」一応正論。「男と女が対等のパートナーたりえること。」高藤さんあんた日頃の言動と明らかに矛盾してるぞ。クララさんナイス突っ込み。寿恵子さん遂に本音をぶつけ。八犬伝オタクの少女が立派な大人の女性に成長しました(泣く)。高藤夫人の見事なサポート。「女子への教育は急務だね。」田邊教授皮肉炸裂、やっと二人結ばれました。やれやれ。

  7. 名乗る程の者ではございません より:

    ルリ子と同じく寿恵子も用意周到
    高藤、しまりましたな
    あの状況では圧倒的に不利~

    指輪を取りに教会に行くシーンをカットした101回目のプロポーズ最終回アゲイン

  8. ずんこ より:

    万太郎くんの努力の結晶を、すべて自分の手柄にすり替えちゃった田邊教授。
    教室のみんなが、凍り付いていましたね。
    でも万太郎くんは一切否定せず、にこやかに受け入れていました。
    もしかして万太郎くんは、田邊教授の本質を誰よりも見抜いているのかも。
    先日も田邊教授の部屋で、「教授にとっては自分に利があるかどうかが重要なんですよ」と語っていました。
    教授は「Exactly!」なんて喜んでいましたが。
    教授にとって利があることには賛成してくださいます、とも。
    これは裏返せば、自分に利がなければことごとく反対する、潰す、ということ。
    それを万太郎くんは十分理解していて、「教授に利がある」ということを強調することで自分の計画を実現しようとしているのでは、と思いました。

    「名を取るか実を取るか」という話を、昔したことがあります。
    その時、自分の本当の目的を叶えるためには名を捨てることも必要、という話になりました。
    万太郎くんは、日本に植物学を根付かせる、という実を取るために、自分の手柄という名を捨てたのではないでしょうか。
    現在の最高権力者である、田邊教授の力を利用して。
    もしかして万太郎くん、田邊教授以上の策士?

    お佳代ちゃん、スーツ姿の万太郎くんにギャップ萌え。
    で、即、玉砕。
    ちょっと可哀想。

    そしてやっぱり参加している丈之助くん(笑)

  9. 名乗る程の者ではございません より:

    言葉は心を越えない~♪
    こっ、これは演奏会場を飛び出す薫さんのオマージュになるのか?
    ドラマ「101回目のプロポーズ」
    余計な~ものなどないよね~♪
    「Say yes」が脳内に流れること不可避
    白いドレスの寿恵子さんが万太郎くんの元に駆けつけるのか?
    十徳長家の皆の衆、庭にナットをばら蒔こうぞ

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