らんまん

つわりで食欲失う寿恵子 / らんまん 第77回

2023/7/18(火)第16週「コオロギラン」

あらすじ

妊娠三ヶ月目に入った寿恵子はつわりで食欲を失い、そんな寿恵子のことが万太郎は心配でした。寿恵子が食べられるものはないかと万太郎が困り果てている中、十徳長屋に藤丸がやってきました。

寿恵子のことを聞かされた藤丸は、揚げ芋を作ってあげたらどうかと万太郎にすすめました。万太郎が芋を用意すると、藤丸はさっそく揚げ芋をつくりました。そして寿恵子は揚げ芋を美味しく食べることができました。

安心した万太郎は残りの揚げ芋を、丈之助、ゆう、福治たち十徳長屋の住人にも振る舞いました。そして十徳長屋の面々と会話を交わす中、藤丸が大学を辞めると言い出しました。藤丸は東京大学の中に居場所を失っていたのです。

丈之助は藤丸に落第することをすすめ、自分は東京大学からいなくなった方がいいと言う藤丸に対してゆうは異を唱えました。一方の藤丸は、丈之助やゆうの言葉を受け入れることができず万太郎に助けを求めました。

<<前回76回 | 次回78回>>

第16週 | 第17週 | 第18週
らんまん|感想あらすじネタバレトップページ

Sponsored Link

感想

前回、田邊教授の挫折から始まり、抜け駆けのような形で研究成果をとられたことに激しく反応する東京大学の面々の様子が描かれました。

そして東京大学の面々の中で一人だけ他とは異なる反応を示していた藤丸くんが今回の「主役」です。

藤丸くん

藤丸くんが初登場したころ、何かで田邊教授から厳しく叱責され傷ついた心をウサギで癒していたことがありました。

あのときの藤丸くんの姿が回収されました。

藤丸くんの苦悩をここまで丁寧に描くのなら、藤丸くんのバックグラウンドももう少し丁寧に描いてもらいたいところ、というのがブログ主の率直な感想。

藤丸くんがいつだったか話していたように、藤丸家は酒問屋です。

藤丸くんのバックグラウンでわかっているのはこの一点のみ。

そこで、この一点を参考にしながら藤丸くんのバックグラウンドを想像してみました。

藤丸くんの実在モデルもご実家が酒問屋で、リアルの藤丸くんは長男です。

よって立場は万太郎くんに近い。

当時の価値観から言って、リアルの藤丸くんは家業を継ぐことを求められたと思います。

しかし藤丸くんは大学に進学させてもらった。

そんな立場なので、大学を辞めたりでもしたら親から勘当されることになるでしょう。

今回の藤丸くんも「勘当」という言葉を口にしていたので。

家業を継ぐことよりも進学を選んだ藤丸くん、万太郎くんと同様に植物が好きすぎる人なのかも。

東京大学の他の面々は、他に選択肢がなくて植物学の道を選びました。

しかし藤丸くんだけは他に選択肢がありました。

家業を継ぐという選択肢が。

しかし、自らの意思で植物学の道を選んだのは、植物が好きすぎるからでしょう。

そのように考えると、藤丸くんが周囲に馴染めないのは納得です。

丈之助くんとゆうさん

藤丸くんが作った揚げ芋を振る舞う相手が丈之助くんとゆうさんなのは何故なのか?

今回のおおよその展開が発表されたとき、不思議に思ったものです。

その理由がわかりました。

丈之助くんは落第の経験者。

しかも、落第生としての生活を心から楽しんでいました。

落第することを藤丸くんにすすめるために「揚げ芋パーティー」の参加者として作者に選ばれたのかと納得。

ゆうさんは過去に故郷を捨てた人。

ゆうさんは間違いなく「故郷に自分なんかいない方がいい」と考えて、故郷を捨てた、というより逃げ出したのでしょう。

「大学に自分なんかいない方がいい」と考える藤丸くんの考え方をただすために、ゆうさんは「揚げ芋パーティー」の参加者として作者に選ばれたのかとこちらも納得。

しかし、丈之助くんの言葉もゆうさんの言葉も藤丸くんには響かなかった模様。

そして万太郎くんに助けを求める藤丸くん。

そもそも藤丸くんは丈之助くんとゆうさんの助言を求めに来たわけではなく、万太郎くんに助言を求めに来たはず。

次回、万太郎くんはどんな助言を藤丸くんに贈るのかな?

藤丸くんの実在モデル

藤丸くんの実在モデルは、植物学者の田中延次郎(たなかのぶじろう)氏です。

ドラマの中で藤丸くんは実家が酒屋であることを口にしていましたが、田中延次郎氏のご実家は千住の酒問屋。

なので藤丸くんの実在モデルと考えて間違いないでしょう。

リアル藤丸くんは1889年に東京帝国大学理科大学植物学科を卒業。

よってドラマの中の藤丸くんも何らかの道を見出して最終的には大学を卒業するものと思われます。

またドラマの中の藤丸くんは自分には何の取り柄もないみたいなことを口にしていました。

しかしリアル藤丸くんは、日本人による菌類の新種の初記載論文の発表など大きな功績を残しています。

またドイツへの私費留学や東京帝国大学理科大学の講師を経験。

日本における最初の近代菌類学書『日本菌類図説』の執筆や、植物病理学の分野で桑樹萎縮病の対策に貢献するなどの仕事も残しています。

ところが40歳を目前にして奥様を亡くしご本人も精神病を患い精神病院で亡くなったとのこと。

ドラマの中の藤丸くんが繊細すぎるキャラとして描かれているのは、リアル藤丸くんの最期から着想を得ているのかもしれません。

Sponsored Link



予習レビュー

万太郎くんの快進撃が続くその一方で、田邊は功を焦るあまりにもがけばもがくほどに深みにハマってしまうようです。

前週の金曜日、田邊教授が研究していたトガクシソウという植物をめぐって、学会を揺るがすような事態が勃発。

このトガクシソウという植物の騒動について今週も描かれるようです。

事前のアナウンスによれば、田邊教授がトガクシソウを新種として発表しようとした直前に英国留学中の日本人学者が、新種として発表してしまうのだとか。

前週の金曜日の学会を揺るがす事件と、田邊教授が先を越されてしまう案件。

さらに前々週の金曜日あたりにも、このトガクシソウという植物についてのフラグが立ちます。

博物館に足を運んだ万太郎くんは、そこである高名な植物学者の孫にあたる青年と遭遇。

その青年に対して万太郎くんがトガクシソウという植物の名を口にしたその途端に、その青年は激怒して出て行ってしまうのだとか。

トガクシソウ、ワケありのようです。

そしてワケありの中心には田邊教授の影が見え隠れ。

自分が好き過ぎる田邊教授、いったい何をやらかしてくれるのでしょうか。

この騒動については史実をもとにしたエピソードがベースになっているものと思われます。

トガクシソウをめぐる騒動の史実については次回の本欄にゆずります。

<<前回76回 | 次回78回>>

第16週 | 第17週 | 第18週
らんまん|感想あらすじネタバレトップページ

POSTED COMMENT

  1. ちゃーちゃん より:

    悪阻は酷いと水を飲んでも吐く。
    私は食べれる物も水も駄目だったから入院したけど、妊娠の度症状は変わるは食べ物の好みも変わる。
    甘い物を欲しがる人、酸っぱい物を好む人、ジャンクフードといわれる物を好む人、喫煙もそうらしい。
    須恵ちゃんはきっと一般的に云われるミカンとか梅干しの「酸っぱい物」試してだめだったのかな?
    でも、「甘い物」と「揚げ物」が食べられる物だったんだね。

  2. 名乗る程の者ではございません より:

    丈之助くんは純なところがいいんじゃないかな?それぐらい純だから将来「ロミオ、どうして貴方はロミオなの?」という純粋丸出しど直球な翻訳できるんだろうと

  3. 名乗る程の者ではございません より:

    先日「あまちゃん」のコメ欄で桜庭を東京にスカウトしなかったミズタクって案外見る目がないのとコメントしましたが、「らんまん」本日の回でおゆうさんの芝居が10年後の答合わせかと

  4. 還暦のたつお より:

    悪阻。こう書くと禍々しい。それくらいしんどい。かるやき。でも文太さんもういない。「忍術のような白い粉?」なんか危ない匂いが。藤丸君の助け船ってこれフライドポテトやん。というよりポテトチップス。「塩振ってるから食べ過ぎは良くないけど。」このフォロー流石。藤丸君、突然の中退宣言。丈さんカミングアウト。騙されている?ゆうさんの忠告。でもまだどうして良いか分からず。万さんの忠告は? 

  5. zebra より:

    男性だから分からないけど、油濃い揚げ芋が妊婦の食欲をそそるものなのかな、と思ってしまう。

コメントを残す