2023/7/19(水)第16週「コオロギラン」
あらすじ
学者たちが植物をめぐって激しく競い合う植物学の環境で心を病み、大学を辞めると言い出した藤丸に万太郎は言いました。大学を辞めるのではなくしばらく休学して、自分に合ったやり方を探求してみてはどうかと。
万太郎の助言を受け入れた藤丸は田邊に休学を申し出ました。そして万太郎の植物採集旅行に連れて行ってほしいと願い出ました。藤丸は植物採集をしている万太郎を観察して、何かを見つけたいと考えたのです。
一方、失意の中の田邊は万太郎に言いました。図譜を完成させた万太郎を、これからは学者として認めてやろうと。田邊は図譜の完成度の高さを認めるものの、万太郎に対して敵意をむき出しにしました。
季節は夏になり、寿恵子は妊娠七ヶ月目に入りました。万太郎は、藤丸に手伝ってもらいながら『日本植物志図譜 第二集』を完成。そのころ、卒業を控えた波多野は藤丸のことを万太郎に頼みました。
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感想
今回は藤丸くんの回とでも呼ぶべき回のはずでしたが、ブログ主が注目しないわけにはいかなったのはやっぱり田邊教授の存在です。
万太郎くんと田邊教授の関係
トガクシソウのごときで傷ついてはいないと田邊教授は言いました。
口では何とでも言えますが、田邊教授の表情は別のことを物語っていました。
万太郎くんは藤丸くんに対して自分は名付け親になりたくて執着してると言いましたが、田邊教授の名付け親への執着心はおそらく万太郎くん以上。
そして名付け親になれるギリギリのところまで来て名付け親になれなかった田邊教授。
失意はかなり深いはずです。
また、田邊教授は孝光くんの抜け駆けのことで万太郎くんを疑ってかかっていることも考えられます。
万太郎くんが英国留学する直前の孝光くんと会ったことを田邊教授は知っていました。
徳永さんか大窪さんが報告したのでしょう。
徳永さん、大窪さんは万太郎くんのことを疑ってはいないでしょう。
しかし田邊教授は違います。
万太郎くんが「自分のものにならない」ことを田邊教授は根に持っている様子。
万太郎くんへのネガティブな感情に支配されている田邊教授は、万太郎くんが裏切ったと考えても不思議ではない。
万太郎くんが裏切るようなことはしていませんと言っても、田邊教授は万太郎くんの言葉など信じはしないでしょう。
万太郎くんへのネガティブな感情に支配されながらも、田邊教授は図譜の完成度の高さだけは認めました。
しかし完成度の高さは認めても決して祝福するようなことはしない。
一学者として認めてやると、敵意をむき出しにした上から目線。
万太郎くんと田邊教授の関係、修復不可能なところまで来てしまったようです。
万太郎くんと田邊教授の関係の今後
翌々週(第18週)の展開の一部が判明しました。
万太郎くんと田邊教授の関係はついに破局を迎えます。
田邊教授が万太郎くんを植物学教室への出入りを禁じるのです。
史実でもそのような事態になったので、ドラマの中でもそのようなことになるのだろうと予想はしていました。
しかし、いざそんな展開になると、やっぱり気が重い。
ちなみに植物学教室から追放された万太郎くんは、追放されただけでなく万太郎くんが採集した土佐の植物標本と、その目録を大学に寄贈しろとまで言われるらしい。
田邊教授の性格から考えて、これまで自由に研究させてやった見返りとして寄贈を求めるのでしょう。
本作の物語前半で田邊教授の腹黒さは十分にわかってはいました。
しかし、ここまで腹黒いとは。
翌々週に描かれる万太郎くんと田邊教授の関係の決裂に向けて、次回から次週にかけて田邊教授のドス黒さがさらに際立ってくるかもしれません。
見るのが怖い反面、楽しみでもあります。
また史実の中では、リアル万太郎くんを大学から追い出したリアル田邊教授自身もまた、大学を追い出される身に。
ドラマの中の田邊教授も、大学を追い出されるところまで描かれるのかな?
もしドラマの中の田邊教授が大学から追い出されたら、田邊教授の出番は少なくなるかと。
田邊教授ロスが今から心配です。(笑)
予習レビュー
田邊教授とトガクシソウをめぐる騒動。
これは史実では「破門草事件」と呼ばれ、この事件がきっかけとなりトガクシソウは「破門草」という隠れた名前もつけられているのだとか。
この「破門草事件」についてまとめてみます。
前々週、万太郎くんは博物館に出向き、そこで伊藤孝光という青年と出会います。
孝光くんの祖父は伊藤圭介という高名な植物学者で、伊藤圭介は実在の人物。
実在の伊藤圭介氏の孫は伊藤篤太郎氏が孝光くんの実在モデルです。
リアル孝光くんは、リアル万太郎くんと同様に学生ではないにもかかわらず東京大学植物学教室に出入りを許されていました。
さて、リアル孝光くん叔父上は戸隠山でトガクシソウを採集し標本をロシアのマキシモヴィッチ博士に送付。
マキシモヴィッチ博士はそれを既知の植物の一種として発表。
その2年後に、リアル田邊教授もまた戸隠山でトガクシソウを採集し標本をロシアのマキシモヴィッチ博士に送付しました。
マキシモヴィッチ博士が、トガクシソウは新種の可能性があるとリアル田邊教授に通知。
リアル田邊教授の名前を学名につけて発表するにあたり、標本をロシアに送ってほしいとリアル田邊教授に打診。
この経緯を知ったリアル孝光くんは、イギリスの植物学雑誌でトガクシソウを新種として発表。
それによりリアル田邊教授の名前がついた学名「Yatabea japonica Maxim.」は無効に。
激怒したリアル田邊教授はリアル孝光くんを破門し、東京大学植物学教室への出入りを禁止。
この騒動によってトガクシソウは「破門草」という隠れた名がつけられることになったのだそうです。
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昨日の放送で丈之助くんが待たせている女がいて云々というくだりがありましたが、モデルとなっている坪内逍遥さん自身は根津遊郭の遊女を妻にしています
「プリティウーマン」「墨東綺譚」「片翼だけの天使」みたいでいいじゃん、ワイは丈之助くんの純愛支持するけどな
「らんまん」あと二か月とちょっと。やたら早く感じる。前二作が話の展開がごたごたしてたり、紆余曲折が多すぎて長く感たのとは好対照。なんとかロスにはなった事は絶えて久しくなかったけど今回はなりそう。
リアル丈さんは、根津出身の遊女さんと結婚したみたいですね。原稿料も貰っているみたいだし、まあ良かった。藤丸君の苦悩。「わしは藤丸次郎の話をしゆう。」ああ心に沁みる。「逃げるんじゃなく探す。」「俺に万さんの観察させてくれない?」でも解決策をあっさり見つけるなんて二人とも只者じゃない。失意の田邊教授、万さんを褒める。ただ相変わらずかなり屈折してる。あの様子では転んでもただは起きないのでは。「絶景かな。絶景かな。浜の真砂はつきるとも。」夫婦蛙。三巻目完成。波多野も相変わらずいい奴。それにつけてもスーパー歌舞伎2「鬼滅の刃」中止は残念、団十郎が引き継いでくれたら良かったんだけど。一門が違うから無理か。