万太郎が大学やめる決意 / らんまん 第121回

2023/9/18(月)第25週「ムラサキカタバミ」

あらすじ

万太郎が大学をやめる決意を固めました。国が進めている神社合祀令を押しとどめ神社の森の植物を守るためには、大学をやめて在野の植物学者として生きるしかないと万太郎は考えたのです。

寿恵子にすすめられて万太郎は自分の気持ちを千歳、百喜、大喜に話しました。万太郎の考えを聞かされた三人の子供たちは万太郎に理解を示し、大学をやめる万太郎の決意を受け入れることにしました。

そんな中、具合の悪い家主と一緒に暮らすことに決めたりんが、十徳長屋の差配人をやめることになりました。そしてりんは槙野家を訪問し、差配人の後を継いでほしいと千歳にお願いしました。

万太郎が大学をやめると心に決めてから数ヶ月、季節は流れ雪が舞う季節になりました。万太郎は熊野の神社の森で採集したツチトリモチを収めた図譜を出版。その図譜を携えて万太郎は大学の徳永のもとを訪ねました。

感想

『らんまん』は今週と来週で終了。

いよいよ最終章に突入し「終わり」を感じさせる回でした。

百喜くん

大人になった長男・百喜くんのキャスティングが発表され、成長後の百喜くんが役所勤めの現実的な青年になるとわかったとき、ブログ主は心配でした。

夢を追い続ける父親と対立しはじめるのではないかと。

現実を見ようとしない父親に対して、なにかと突っかかってゆく頭脳明晰な息子の図。

そんな父と子の関係をブログ主は想像していたわけです。

その心配は杞憂に終わりました。

百喜くんが役所勤めで現実的な性格なのは、夢追い人の父親を支えるためでした。

百喜くん、立派な青年になりました。

りんさん

りんさんが差配人を引退。

だいぶ前にりんさんが宣言していた「家主」との暮らしが始まることに。

さて、りんさんの口から「家主」という言葉が出てくるのはこれが何度目でしょうか。

りんさんが「家主」と口にするたびに「家主」の存在感は大きくなるものの、肝心の「家主」は一度も登場しない。

前作『舞いあがれ』でも名前だけが登場する「むっちゃん」というキャラが存在しました。

その「むっちゃん」は最終週近くになってようやく登場。

しかし、りんさんの「家主」は登場する気配がまるでない。

名前だけの登場ではもう一人『おかえりモネ』の宇田川さん、愛称はヒロくん。

宇多川さんは、「家主」や「むっちゃん」とは異なり、幼い頃のことや大学卒業後のことなども詳しく語られたにもかかわらず一回だけ声だけ登場。

姿は一度もあらわしませんでした。

りんさんの「家主」は、宇多川さんパターンになるのかもしれません。

万太郎くん

万太郎くんが熊野で採集したツチトリモチを収めた図譜を持って徳永教授のもとへ。

熊野で植物採集した事実は間違いなく徳永教授の逆鱗に触れるはず。

まるで自爆のような行為ですが、大学をやめる決意を固めている万太郎くんに怖いものはない。

次回、万太郎くんの固い決意を徳永教授はどのように受け止めるのか。

徳永教授はどんな反応を示すのか。

徳永教授が大好きなブログ主が楽しみしていた回を迎えます。

一方で、おそらくは次回が徳永教授の最後の登場回。

寂しくなります。

田邊教授ロス以来の喪失感に悩むことになりそうです。（涙）

今週の展開

今週の予告映像を見るかぎり、今週は波乱に満ちた展開になりそうです。

波乱の展開の中心は関東大震災。

大きな揺れに続いて火災が発生。

久しぶりに大畑印刷所の大将も登場するようです。

ところで大畑の大将が印刷屋を始める前の職業は火消しです。

大将が前職までわざわざ設定されていることにブログ主は疑問を感じていましたが、最終週近くで前職が回収されました。

関東大震災の直前に登場した晴れ着姿の千歳ちゃん。

これは嫁入り場面かな？

今回は万太郎くんだけが白髪になっていましたが、予告の中では寿恵子ちゃんもすっかり老け込んでいます。

そして、老け込んだ寿恵子ちゃんの気だるそうな後ろ姿は最終週の暗示？

最終回が近づいてきました。

予習レビュー

今週、万太郎くんは大学の助手の仕事を辞職します。

万太郎くんが辞職する理由は「自分の植物学を貫くため」です。

万太郎くんが田邊教授から大学を追い出される前、ある時期から、万太郎くんは田邊教授に敵視されていました。

しかし、万太郎くんと田邊教授がそれぞれ目指す植物学の方向は同じでした。

万太郎くんは田邊教授に対してストレスを感じていたでしょう。

しかし、植物学教室での研究そのものについては、さほどのストレスはなかったのではないでしょうか。

その後、田邊教授は職を失いました。

田邊教授を追い出したことに加え、それまでの田邊カラーを一掃することを後任の徳永教授は求められました。

田邊教授との関係が悪化した万太郎くんでしたが、田邊の研究方針は万太郎くんの性格に合っていたようです。

その「田邊カラー」が一掃されたことで、かつては万太郎くんの味方であった徳永教授率いる植物学教室が、居心地の悪い場所となったのは皮肉なことです。

かつて、藤丸くんは「植物学は人間関係と政治がすべて」と嘆いていました。

人間関係と政治に翻弄されたのは、藤丸くんよりも万太郎くんの方でした。

そして、万太郎くんは「人間関係と政治」の面倒な社会からついに離脱しました。