2023/11/23(木)第8週「ワテのお母ちゃん」
あらすじ
スズ子が大阪の実家に駆けつると、久しぶりに再会したツヤは衰弱してきっていました。スズ子は目の前の現実をなかなか受け入れることができませんでした。その日の夜、スズ子はツヤの看病をしながら居眠りをしてしまいました。
翌朝になり、スズ子が目を覚ますと、そこにツヤの姿はありませんでした。ツヤは元気をともりどし、銭湯の番台に座って常連客たちを喜ばせていました。しかし奇跡は長く続きませんでした。ツヤは番台の中で倒れてしまったのです。
再び寝込んだツヤはスズ子に言いました。スズ子ともっと一緒にいたかったと。一方のスズ子はすぐに帰って来なかったことをツヤに詫びました。自分はドアホだとスズ子は悔やんでいました。そんなスズ子をツヤは励ましました。
ツヤに歌を聴かせてやれと梅吉に詰め寄られたスズ子は、ツヤの前で歌声を披露しました。ツヤと過ごした幼い頃の日々を思い出しながら、スズ子は涙を流しながら歌いました。その日、ツヤは息を引き取りました。
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感想
今回がツヤさんの最期になってしまいました。
ツヤさんが亡くなるまであっという間だったような気もしますが、振り返ってみると今回までのツヤさんの病状の変化が丁寧に描かれていました。
第6週の金曜日
前々週の第6週の金曜日がツヤさんの病気の最初の描写でした。
スズ子ちゃんの圧巻のパフォーマンスが描かれた「主人公の覚醒回」のことです。
その回でスズ子ちゃんは羽鳥先生からの度重なるダメ出しの末に『ラッパと娘』を歌うスタイルを確立。
ステージは大盛況で「スウィングの女王」と新聞で報道されました。
スズ子ちゃんのことを報じる新聞を、大阪の人々も言うまでもなく読んでいました。
すっかり舞い上がってしまった梅吉さんは「スズ子のおごり」と言って常連客たちに寿司の大盤振る舞い。
そのときツヤさんは寝込んでいました。
しかしツヤさんは自分は風邪を引いたと思っていたらしい。
そして周囲の誰もがツヤさんは風邪をひいたのだろうくらいにしか思っていませんでした。
それが重い病気などと夢にも思っていませんでした。
梅吉さんが無条件で明るい笑顔を見せたのはこれが最後になろうとは・・・
そんなわけでツヤさんの状況がスズ子ちゃんに知らされることもありませんでした。
風邪をひいたくらいのことをわざわざ遠く離れたところに住むスズ子ちゃんに報告などしないでしょうから。
第7週の火曜日
ツヤさんの「風邪」の描写があった翌々回にあたる第7週の火曜日。
ツヤさんは風邪ではなく病気であることが判明していました。
そしてツヤさんが病気であることを六郎くんが手紙で知らせることで、スズ子ちゃんもツヤさんの様子を少しだけ知ることができました。
六郎くんからの手紙の主な内容は、六郎くんが招集されたこと。
そして、ツヤさんが病気かもしれないと手紙の中で少しだけ触れられていました。
この段階ではツヤさんは熱々先生から専門医に診てもらうようすすめられていました。
また腰痛を訴えるツヤさんに応えてアサさんが按摩を試みるものの、ツヤさんの腰痛はなかなか治らない。
そんな状況だったのが第7週の火曜日。
ツヤさんが病気らしいということを知りスズ子ちゃんはドキりとしたはずです。
でもスズ子ちゃんは、その「ドキり」を忘れてしまうほどの騒動に巻き込まれてしまいます。
移籍騒動のことです。
第7週の金曜日
ツヤさんからの手紙がスズ子ちゃんに届きました。
六郎くんが手紙に書いたツヤさんの病気を打ち消し、スズ子ちゃんを安心させるような内容の手紙でした。
第8週(今週)の月曜日
昭和14年(1939年)9月。
第7週(前週)も物語の舞台は昭和14年(1939年)だったので、前週の第7週の数ヶ月後から新たな週がスタート。
今週の月曜日、ツヤさんは寝込んでいました。
熱々先生は引き続き専門医に診てもらうことをツヤさんにすすめるものの、お金がかかることを理由にツヤさんは病院へゆくことを拒否。
第8週(今週)の火曜日
ツヤさんの病気が施しようのないほど進行していることが判明。
ツヤさんは死期が近いことを悟り、梅吉さんから笑顔が消えました。
第8週(今週)の水曜日
「ハハキトク」の電報が届いたのが今回。
今回、ツヤさんは意識を取り戻していたので、前回と今回の間で危険な状況になっていたのでしょうか。
スズ子ちゃんはツヤさんと再会できたものの・・・
予習レビューと史実のリアルエピソード
ドラマの中でスズ子ちゃんに「ハハキトク(母危篤)」の電報が届きます。
その電報にスズ子ちゃんは激しく動揺するものの、羽鳥善一の言葉によって自らを奮い立たせ仕事を千秋楽までやり遂げます。
千秋楽を終えたスズ子ちゃんは帰阪。
スズ子ちゃんが大阪の実家に着いて早々、アホのおっちゃんがどこかから見つけて来た季節はずれの桃を食べたことでツヤさんは数時間だけ元気を回復。
しかしツヤさんはスズ子ちゃんや梅吉さんに見守られながら・・・
スズ子ちゃんはかろうじて「親の死に目」にあうことができました。
史実では、笠木シズ子さんが母危篤を知らせる電報を受け取っても仕事をやり遂げたのはドラマと同様。
しかし笠置シヅ子さんが仕事をやり遂げて帰阪したのは養母の四十九日のタイミングでした。
つまり笠置シヅ子さんは「親の死に目」にあうことができませんでした。
史実ではあまりにも悲しい別れでしたが、ドラマの中で母と娘は最期のわずかな時間を一緒に過ごすことができたようです。
実はブログ主も仕事のために「親の死に目」にあえなかったので、最愛の母親との最期の時間の描写には作者の愛を感じずにはいられません。
スズ子ちゃんとツヤさんの別れ間際に言葉を交わせてよかったです。
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やはりガンでしたか。今でこそ早期発見で完治する確率の高くなりましたが、この当時では不治の病。ましてやもう末期。最後の力を振り絞って番台に立つツヤさん。お父ちゃんに番台の掃除とつり銭の用意を言いつけた所で力尽き。スズ子さんの「恋は優し野辺の花よ」の歌を聞きながら旅立っていった。色々思い残す事はあったろうけど。晴れやかな死に顔だったかな。
歌っている最中に逝ってしまうのかと心配しましたが、ナレ死でよかった。
番台に座っているのはスズ子の夢かと思ったら、本当に一瞬起きられるように
なったんですね。桃の力か。アホのおっチャン、一週間どんな生活してたんでしょうか。