2024/5/6(月)第6週「女の一念、岩をも通す?」
あらすじ
昭和12年(1937年)6月。寅子たち5名の女子学生、そして優三が高等試験を受験。しかし6人全員が不合格でした。寅子は再受験を希望するものの、はるは反対。しかし直言の懇願により、寅子は働きながら法律を勉強することが許されました。
その年の11月。口述試験の合格者が発表されました。花岡と稲垣は合格、しかし女子学生の中で唯一筆記試験に合格した久保田は不合格でした。同じころ香淑は、兄・潤哲と暮らす部屋に特高に踏み込まれる騒動を経験していました。
そんな中、名律大学の校内新聞紙上での発表が女子部の面々を驚かせました。口述試験に合格者が一人も出なかったことで、女子部の新入生募集が中止されることが決まったと報じられていたのです。
その決定に激怒た香淑は学長に抗議し、土下座しながら決定の撤回を懇願。穂高にも説得された学長は合格者が出れば女子部を存続すると約束しました。寅子たちは喜ぶものの、香淑がどうしてそこまで食い下がったのか、その理由を知る由もありませんでした。
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感想
高等試験の結果
トラちゃんが高等試験の筆記試験に不合格。
以前、一発で合格すると宣言していましたが、今回は一発で合格するつもりだったとトーンダウン。
合格できなかったことをはるさんに責め立てられるトラちゃん。
しかし直言さんが助け舟を出してくれました。
ところで、明律大学女子部に進学したいとトラちゃんが言い出したとき。
はるさんを説得すると約束した直言さんはその後ずっと知らん顔を貫きとおしました。
トラちゃんが進学できたのも桂場さんの失言がきっかけでした。
トラちゃんの進学実現に、実は直言さんは貢献していません。
もっとも学費の原資は直言さんの稼ぎのはずですが。
さて、トラちゃんの進学に貢献できなかった直言さんですが、トラちゃんが明律大学に入っていたから、共亜事件の無罪判決につながりました。
トラちゃんに借りが2つも出来た直言さん。
今回、助け舟を出すことでようやく2つの借りを返すことができました。
直言さんの「借り」がずっと気になっていたので、これでホッとしました。
話変わって優三くんが気の毒です。
はるさんが厳しい言葉を口にすればするほど、萎縮してしまうのはトラちゃんではなく優三くん。
トラちゃんよりも優三くんの方が心配になってしまうのはブログ主だけでしょうか。
不穏な世の中
不穏な世の中になりつつあることが1つのナレーションと2つのエピソードによって暗示されました。
1つのナレーションとは日中戦争の勃発です。
トラちゃんの日々の暮らしに戦争の影響が出てくるのは、まだしばらく先のことと思いますが、いよいよそんな時代が近づいてきました。
2つのエピソードのうち1つ目は、女子部の先輩・中山さんのご主人に召集令状が来たこと。
トラちゃんの暮らしには戦争の影響は出ていないものの、トラちゃんの先輩に具体的な影響が出てきました。
それにしても中山さん、婚約破棄の悲劇を乗り越えてようやく結婚できたらしいのに、今度はご主人が召集。
苦労が絶えない中山さん、気の毒すぎます。
2つのエピソードのうち2つ目は、おそらく今週のお題の一つになるであろう香淑ちゃんとその兄の潤哲さんのこと。
香淑ちゃんとその兄の潤哲さんが暮らす部屋に特高らしき男たちが踏み込んできました。
自由が厳しく制限される日々がそこまで近づいてきていることがわかるエピソードでした。
追記:銀行を退職した直言さんは工場の経営者に。
登戸加工という工場で製造している製品も、戦争の時代が近づいていることを暗示しているのかもしれません。
香淑ちゃん
前週まで魔女ファイブのうち、トラちゃん、よねちゃん、涼子さま、梅子さんの順に、彼女らの私生活上の悩みが描かれてきました。
そんな中で香淑ちゃんだけが、これまでのところ何も描かれずにきました。
しかも、トラちゃん、よねちゃん、涼子さま、梅子さんはそれぞれキャラが立っているのに、香淑ちゃんだけはキャラも見えない。
誤解を恐れずに言えば、おとなしくて可愛らしいだけの人、そんな描き方でした。
そんな描き方をしてきたのは、もしかすると今回のためだったのかもしれません。
女子部の募集が中止になるという決定を聞かされた女子学生の中で、最も激怒したのはよねちゃんではなく意外にも香淑ちゃんでした。
しかも激怒しただけではありませんでした。
他の女子学生を引き連れて学長に直談判。
これまでの香淑ちゃんとのギャップにただただ驚くばかり。
というか、このギャップに驚かされるために、これまで香淑ちゃんはおとなしくて可愛いだけの女の子みたいな描き方をしていたのでしょう。
何が香淑ちゃんをこんな風に変えたのか。
特高に踏み込まれた経験が香淑ちゃんの何かを変えたのか。
不穏な空気が濃厚になる中、前週まで触れられることはなかった香淑ちゃんのストーリーが始まりました。
予習レビュー
ドラマの中の高等試験のゆくえ
今週のドラマの中では、高等試験に挑むトラちゃんやトラちゃんの周囲の人々の様子が描かれます。
今週、登場人物たちが受験に挑むタイミング、その結果を予習用にまとめてみました。
昭和12年、法学部の最終学年となった魔女ファイブと花岡くんたち男子学生が高等試験にチャレンジ。
結果は・・・
魔女ファイブは一次試験の段階で全員が不合格。
男子学生は、よねちゃんに股間を蹴られた小橋くんは学力不足で受験を延期。
その他の男子学生も大半が不合格で、一次試験を突破し二時試験に進んだのは花岡くんと稲垣くんの二人だけ。
一方、魔女ファイブの先輩の女子学生・久保田さんは一次試験を突破。
そして、優三くんは例年と同様の結果です。
そして迎えた二次試験すなわち最終的な結果の発表。
合格したのは花岡くんと稲垣くんの二人だけ、久保田さんは不合格でした。
上記の結果を受けて、トラちゃんは働きながら法律を学び続け翌年に再受験することが家族会議で決定。
しかし、香淑ちゃんは兄が政治犯として特高に追われる身となり、兄とともに故郷の朝鮮半島へ戻ることが決まり再受験を断念。
涼子様は櫻川家を途絶えさせないよう男爵家のご子息と婚約したことで再受験を断念。
梅子さんは夫から離婚届を突きつけられ家を出たことで再受験を断念。
昭和13年、魔女ファイブのうち、再受験するのはトラちゃんとよねちゃんのみ。
魔女ファイブの二人の女子学生の先輩も再々受験。
結果は・・・
轟くんがこの年に合格。
二人の女子学生の先輩、久保田さんと中山さんも合格。
そしてトラちゃんも合格します。
一方、よねちゃんは不合格となるものの合格するまであきらめないと宣言。
優三くんは例年どおりの結果ですが、これを最後に高等試験へのチャレンジから離脱します。
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中山さんのご主人出征。早くも戦火の影響が。大陸では勝ち戦の筈が、相手が負けながらどんどん奥地に後退した為泥沼へ。その状態で中国を援助する西欧列強に戦いを挑む。やっぱり無茶だ。
女子部全員不合格。ついでに優三さんも。花岡君他一名のみ合格。(そう言えば花岡君いやさ岩田さんは「アンチヒーロー」第一回の殺人事件裁判の被告だった。意外にこの役も合ってた。)この結果を踏まえて大学側は女子部廃止にうごくが、穂高先生の巧みな交渉で首の皮一枚で繋がる。どうも学長よりも穂高先生の方が学者としての実力、ステイタスは上みたいね。