虎に翼

共亜事件の公判の結審日 / 虎に翼 第25回

2024/5/3(金)第5週「朝雨は女の腕まくり?」

あらすじ

共亜事件の公判が開始されてから1年半が経過。ついに公判の結審日を迎えました。その日、寅子やはるは傍聴席で裁判の行方を見守っていました。そんな中、裁判長の武井の口から判決が言い渡されました。

判決は被告人16名が全員が無罪でした。判決から三日後、検察は控訴を断念し直言を含む16名の無罪が確定。猪爪家では直言の無罪を祝う席がもうけられ、直言は家族に感謝の言葉を述べました。

一方、穂高は桂場と祝杯をあげていました。判決文を書いたのは桂場でした。そのことを知った穂高は、桂場の判決文を讃えました。桂場は検察の横暴に心からの怒りを覚え、その思いを判決文に託していました。

年が明け寅子は「竹もと」にやって来た桂場に礼を述べました。そして法律についての考え方を述べる寅子に対して桂場は言いました。君は判事になりたいのか?しかし女性は判事にはなれないと。

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感想

今週の振り返り:直言さん

一週間前の金曜日の放送で逮捕された直言さん、そして直言さんの無罪を信じる面々の戦いの日々が描かれた一週間が終わりました。

これまで直言さんはどちらかと言えば笑いとるポジションにいるキャラです。

娘への深い愛情は間違いないが、どこか頼りない。

はるさんを前にするともっと頼りない。

笑いをとるポジションに立つ頼りないキャラというのは、往々にしてストーリーの中では大きな試練に遭遇したりしないものです。

大きな試練に遭遇しないキャラとして安心して見ていられる。

そんなキャラの直言さんがこれまでの本作の中で最大の試練に見舞われることになりました。

ブログ主は直言さんの試練への覚悟ができていませんでした。

なので直言さんの苦悩する表情、見ていてつらいものがありました。

憔悴しきった直言さん、こんな姿を見ることになるとは、これまでの直言さんからは想像もつきませんでした。

今週の振り返り:トラちゃん

最愛の父を救うため、法律を学んでいるトラちゃんが、法律の実務の一部を実地で学ぶことになりました。

トラちゃんが法律の実務の一部を実地で学ぶ場面を見て思いました。

これら場面はストーリー後半の予告なのかな?と。

ちょっとネタバレになりますが、トラちゃんはストーリー前半が終わるまでに判事になります。

なのでストーリー後半は判事になってからのトラちゃんの描写が中心になるかと。

ストーリー後半のトラちゃん、今週のトラちゃんみたいな場面で構成されるような気がしています。

だとすると毎週が緊張の連続。

楽しみのような怖いような・・・

以上はブログ主の憶測に過ぎません。

しかし細かい伏線とその回収が多発する本作、ストーリー後半への細かい伏線が今週たくさん仕込まれていたかもです。

桂場さんがまさかの「クソばか」発言

昨日の本欄で、桂場さんは滅多に感情を表にあらわさない人と書きました。

その直後の桂場さんの怒りをあらわにするまさかの場面。

あの桂場さんが

「あいつらは私利私欲にまみれたきったねえ足で踏み込んできた」

とか

「司法の独立の意義もわからぬクソばかども」

とか

口を極めて罵倒する。

特に後者の発言がすごい。

「ばか」に「クソ」をつけて罵詈雑言のてんこ盛り。

ドラマの中では検察の横暴がこれでもかというくらいに描かれましたが、その検察の横暴を最も痛烈に批判したのは、普段は感情を表に出さない桂場さんでした。

これには驚きました。

勢い余ってトラちゃんまでもが

「あんな小娘に尻尾をふるわけがない」

と被弾していましたが。笑

桂場さん、ますます好きになりました。

次週予告映像

次週は「別れ」を暗示する言葉と映像がありました。

ずっと思い出をつくり続けると思っていた・・・と過去形で語られたことで、思い出づくりの日々に終止符が打たれることが暗示されていました。

そして浜辺の遠景ショット。

あの撮り方は、思い出に残る一瞬であることを強調する撮り方です。

このショットでもまた、思い出づくりの日々に終止符が打たれることが暗示されていました。

次週は切ない一週間になるのかもしれません。

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史実のリアルエピソード

帝国人造絹糸と金子直吉

史実の「帝人事件」の舞台となった帝国人造絹糸について調べる中、興味深い歴史と人物の存在に遭遇。

せっかくなので本欄にまとめておきます。

興味のある方は読んでください。

帝国人造絹糸が設立されるきっかけは、米沢高等工業学校講師・秦逸三氏と氏の東大時代の同窓である久村清太氏による人造絹糸の研究でした。

秦逸三と久村清太の両氏は今でいう大学発のベンチャーである人造絹糸事業への資金援助を金子直吉氏に要請。

金子直吉氏は鈴木商店の大番頭を経て創業者亡き後に経営者となった人物。

また鈴木商店は、大正6年(1917年)当時の売上高が日本のGNPの一割を占め、日本一の総合商社でした。

日本一の総合商社を率いる金子直吉氏は「三井三菱を圧倒するか、しからざるも彼らと並んで天下を三分するか、これ鈴木商店全員の理想とするところなり」と宣言。

あの渋沢栄一氏に「金子は正規の学問こそないが、道理を知るにはよほど明らかで、事業家としては天才だ」と言わしめました。

また、福沢諭吉氏の女婿・福沢桃介氏は、三菱の創始者である岩崎弥太郎氏よりも金子直吉氏を高く評価。

しかし、第一次世界大戦後の反動不況により、それまでの急拡大路線が裏目に出たところに、関東大震災による被害が企業の致命傷となり昭和2年(1927年)鈴木商店は破綻。

登記上にのみ存在が残っている鈴木商店は「幻の総合商社」と呼ばれています。

「帝人事件」の舞台となった帝国人造絹糸は、鈴木商店の系列会社でした。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

    裁判は勝利しましたが、結果的に水沼氏の思惑通りに事は進み、(だから裁判自体は勝利を求めなかった)そろそろ戦争への道をまっしぐらへと。この歴史の大きな流れが登場人物たちにどんな影響を及ぼすのか?

  2. ずんこ より:

    桂場さん。
    「女」ではなく「ご婦人」と言い、「失礼」と謝る。
    そして店を出て帽子をかぶったときの、少し嬉しげな表情。
    「綺麗なお水」の会話から、明らかにトラちゃんへの評価が変わってきていますね。

  3. ずんこ より:

    桂場さん、やっとお団子が食べられて良かったね(笑)
    至福の表情。本当に甘党なんですね。
    お酒も飲むけど、そちらはあまり強くなさそう。

    穂高先生の前では「小娘」呼ばわりしていたトラちゃんですが、竹もとでトラちゃんの法に対する考えを聞いて、ちょっと認識を改めたよう。
    トラちゃんの法に対する考え方は、桂場さんが何より大切にしている「司法の独立」と同じなのではないでしょうか。
    口ではああは言っても、先々トラちゃんの味方になってくれそうな気がします。

    直言さんの無罪も確定してめでたしめでたしの週末でしたが、どうやら来週は激動の週になりそう。

  4. 還暦のたつお より:

    笹寿司さんからのお祝いの特上寿司。当地にも同じ店名の名店があります。凄く美味しかった。大分行ってないなあ。流石に行く度胸は無く。スシローさんと小僧寿しさんで我慢。「はる、お前ひとり。」カッコいいなあ言ってみたいけど、どっかの国会議員みたいな悪さしてた当方としては後ろめたくてとてもじゃないが言えやしない。水沼氏、日和田検事に控訴させなっかったのは、敵ながら賢明な判断。政権の転覆という当初の目的は果たした訳だから、これ以上裁判を続けて検察側のボロが出ると折角の政権交代の足を引っ張ると判断したのだろうな。こういう時の引き際を心得ている悪役のほうが遥かに怖い。

  5. あさのあさみ より:

    憲法記念日に、法とは何かを問う今回の放送、やはり狙ったんでしょうかね?

    トラちゃんは弁護士より裁判官の方が向いているのではないか?と気付いた桂場さん
    意外な同士を見つけ、「竹もと」を出る時に微かに笑いましたね
    反対に、貴族員と検察の方は逆効果でした
    完全に桂場さんの正義感にスイッチを入れてしまいました
    桂場さんが穂高先生と並んで、主人公を導く重要人物であることを改めて感じた回でした

  6. 名乗る程の者ではございません より:

    ドラマ未視聴なんだけど「ウルトラセブン」がトレンド入りしていたので久々にコメントさせて頂きます
    有名過ぎる最終回でアンヌ隊員を振り切って瀕死のダンがセブンに変身したのは人類を救う前にゴース星人により人質になっていた親友であるアマギ隊員を救出するため、ダンとアマギが出演していたんですね
    ダン役の森次さんですがむしろ悪役の方が多いかな?映画「野麦峠」とか
    個人的には悪役じゃないんだけど「ウルトラマンレオ」でゲンをシゴキまくる怖え~MAC隊長役が印象的、絶対この隊には入りたないわとガキの頃に思った
    ダンの「その顔はなんだ、その目はなんだ、その涙はなんだ、その涙で地球を救えるのか」は有名なセリフ、因みにゲンは同じセリフを「ウルトラマンメビウス」で言っていますし、レオとしてセブンの息子であるゼロの師匠として鍛え上げています

    横からの長文失礼致しました

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