あんぱん

のぶが見合い受け入れる / あんぱん 第37回

2024/5/20(火)第8週「めぐりあい、わかれゆく」

あらすじ

ある日、朝田家に若松節子を名乗る上品な婦人が訪ねてきました。節子の夫は生前の結太郎と親交があり、のぶに縁談を持ち込みに来たのです。それまで見合いを断り続けていたのぶでしたが、結太郎との縁に心を動かされ見合いだけはしてみることにしました。

そして迎えた見合いの日。機関士として船の上で結太郎に会ったことがあるという次郎の話を聞かされ、のぶの心は喜びに弾みました。一方でのぶは結婚する気がないことを次郎に打ち明け、次郎もまた見合いだけのつもりだったと詫びました。

そのころ嵩は、のぶに手紙を書こうとペンを握るものの、なかなか書き出せずにいました。嵩は健太郎に語りました。のぶと連絡が途絶えてやっとわかった。失いそうになってやっとその大切さに気づくことがあることを。

そんなある日、朝田家にある知らせが届きました。それは豪の戦死を知らせる知らせでした。豪の戦死の知らせを受け取った釜次はその場で号泣。家族たちも言葉を失っていると、そこへ蘭子が帰って来ました。

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感想

最後のショックが大きすぎて頭の中に整理が追いつかなくなるような回でした。

それでもなんとか今回を振り返ってみます。

「結太郎さんが引き合わせてくれた縁談」

生前の結太郎さんをよく知る方の奥様が朝田家に来訪。

のぶちゃんの縁談を持ってきました。

この展開は事前に知っていました。

その縁談が「結太郎さんが引き合わせてくれた縁談」として家族が盛り上がる展開も事前に知っていました。

しかし事前情報だけで腑に落ちない点が一つだけありました。

生前の結太郎さんを知っているというだけで、「結太郎さんが引き合わせてくれた縁談」と言い切ってしまっていいものなのかと。

言葉に対して実態が軽すぎやしないか?と考えたわけです。

しかし、実際に放送されたドラマの中での節子さんの言葉に納得です。

船乗りの妻は強い女性がいい。

ハチキンとまで呼ばれる女の子なら船乗りの嫁として最適だろう。

そんな会話が、十年以上も前から若松家で交わされていたとは。

これなら間違いなく「結太郎さんが引き合わせてくれた縁談」です。

カマジイや羽多子さんが盛り上がってしまうのも納得です。

そして、お父さんが大好きだったのぶちゃんがお見合いに乗り気になるのももっともな話です。

しかし、のぶちゃんは結婚するつもりはないことを次郎さんに謝罪。

次郎さんもまた、結婚の必要性を感じていないとのぶちゃんに打ち明けました。

打ち上げ花火のように盛り上がった縁談は、その直後に打ち上げ花火のように一瞬にしてその盛り上がりが消えてしまいました。

でも、のぶちゃんと次郎さんの会話の最後の瞬間。

次郎さんがのぶちゃんを見つめる目に変化があったようななかったような。

あの時の次郎さんの眼差し、きっと今後のフラグなのでしょう。

「あれから音沙汰ない」

お見合いが終わり、帰路につくのぶちゃんと羽多子さん。

帰りの汽車の中で、羽多子さんがのぶちゃんに尋ねました。

「嵩くんとはあれっきり?」と。

その問いかけにのぶちゃんが答えていわく。

「あれから音沙汰ない」

のぶちゃん、どうやら嵩くんに見限られたぐらいに考えているらしい。

そこから一転して画面の中には嵩くん。

音沙汰がないのは、のぶちゃんに手紙を出したくても書けないらしい。

手紙を書いては破り捨ててやり直し。

嵩くん、そんなことを繰り返しているのでしょうか。

のぶちゃんが考えている嵩くんの気持ちとは正反対の状況の嵩くん。

前週も、のぶちゃんと嵩くんのすれ違いが描かれましたが、今週の二人の気持ちのすれ違いは前週以上に切ない。

このすれ違いが解決されない中、悲劇が始まりました。

豪くんの戦死

豪くんの戦死の知らせがきました。

この当時、国民服はまだなかったので、戦死を知らせる係の方も平常時の正装なんですね。

なので、最初はどなたかと思いました。

戦死の知らせの場面といえば、国民服に身を包んだ方がやって来るのは定番なので。

そして通知を知らせる際の言葉も「おめでとうございます」ではなく「ご愁傷さまです」。

そんな、ドラマや映画の中で見覚えのある戦死の告知とは全く異なる様子が、かえって悲劇を際立たせていたような気がします。

カマジイは悲痛な叫び声をあげながら号泣。

そこへ蘭子ちゃんが帰ってきました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

のぶちゃんの縁談

前週の最後が昭和13年(1938年)春。

のぶちゃんが女子師範学校を卒業し、母校の小学校の教壇に立つ場面で終わりました。

そして今週のスタートは昭和14年(1939年)秋。

のぶちゃんが御免与尋常小学校に赴任して一年半が経過した頃です。

教員という職業はのぶちゃんの天職だったようです。

熱心な仕事ぶりによって、のぶちゃんは生徒からも慕われ同僚たちからの評判も良い。

そんな平穏な日々から始まる今週ですが、実は今週は二つの怒涛の展開が用意されています。

のぶちゃんが平穏な日々を過ごす中、国防婦人会のご婦人がたがのぶちゃんに縁談を持ってきます。

ご婦人がたは結婚十訓の「産めよ育てよ国の為」に忠実に従い、愛国の鏡であるのぶちゃんに縁談を持ってくるわけです。

これから出征する男性や予備役の男性の間で、戦地に行く前に嫁探しをする人が増えているという背景もあるようです。

のぶちゃんに縁談が次々に舞い込み、カマジイとクラバアは盛り上がります。

でも、のぶちゃんは仕事が忙しく縁談に乗り気ではありません。

以上が今週ののぶちゃんを取り巻く環境です。

結太郎さんが引き合わせてくれた縁談

国防婦人会のご婦人がたがのぶちゃんに縁談を次々に持ってくる中、若松節子という名のご婦人が朝田家にやってきます。

節子さんを演じるのは神野三鈴さん。

その節子さんが朝田家にやって来る目的ものぶちゃんの縁談です。

ただし節子さんが持ってきた縁談の相手は、節子さんご自身の息子さんです。

節子さんが息子さんの見合い写真を持参し朝田家にやってくるのです。

この節子さんのご主人というのが生前の結太郎さんの知り合いだったらしい。

ご主人は船乗り、そして結太郎さんはその船に乗って出張の旅をした。

そんな設定です。

結太郎さんの知り合いということで、カマジイはノリノリに。

お見合いの写真をのぶちゃんに見せて、これは結太郎が引き合わせてくれた縁談とまで言う。

それまで、国防婦人会のご婦人がたが持って来た縁談はスルーしていたのぶちゃんでしたが、「結太郎が引き合わせてくれた縁談」と聞いてのぶちゃんの心が動きます。

そして、乗り気ではないものの見合いをしてみようかと考え始めます。

のぶちゃんの初めてのお見合い

のぶちゃんが初めてお見合いします。

お見合いの相手の名は、若松次郎。

商船学校を卒業後、一等機関士として働いているという設定で中島歩さんが演じます。

お見合いの席は高知市内の料亭。

会食が終わり、のぶちゃんは次郎さんと二人きりで料亭の庭を歩きながら謝罪をします。

実は結婚する気はないのだと。

それは次郎さんも同じでした。

次郎さんもまた、お母上にうるさく言われ、仕方なく見合いだけすることにしたとのぶちゃんに打ち明けます。

というわけで結婚が決まるわけでもなくお見合いは終了。

高知からの帰りの汽車の中、羽多子さんがのぶちゃんに尋ねます。

嵩くんとは連絡を取り合っていないのかと。

羽多子さん、のぶちゃんにとって嵩くんは特別な存在ではないかと考えていたようです。

でも、のぶちゃんは羽多子の問いかけに次のように答えます。

「うちらは考え方が違いすぎるし、うちにガミガミ言われたくないだろう」

のぶちゃんと嵩くんのすれ違い、かなり深刻な状況になってしまっているようです。

結婚十訓

今週「結婚十訓」という言葉がドラマの中に登場します。

昭和14年(1939)9月、当時の厚生省が、ナチス・ドイツの「配偶者選択10か条」を参考にした「結婚十訓」を国民に発表。

十訓の内容は次のとおりです。

1:一生の伴侶として信頼できる人を選べ
2:心身ともに健康な人を選べ
3:悪い遺伝のない人を選べ
4:お互いに健康証明書を交換せよ
5:近親結婚はなるべく避けよ
6:晩婚を避けよ ※なるべく早く結婚せよと記載されることも
7:迷信や因習に捉われるな
8:父母長上の意見を尊重せよ
9:式は質素に届出は当日に
10:産めよ育てよ国の為

『虎に翼』でも、トラちゃんと花岡くんがレストランでデートする直前、雲野法律事務所の場面で、そこにあった雑誌に掲載された「結婚十訓」が一瞬だけ登場していたそうです。

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POSTED COMMENT

  1. 突然の戦死広報。まあこうなるとは、薄々思ってはいたが。残念。後、のぶのお見合い相手の次郎さん、そう、「花子とアン」で、仲間由紀恵さん演じる蓮子の恋人、龍一を演じていた中島渉さんです。
    釜じい役の吉田鋼太郎さんとは多分、二度目の「朝ドラ」共演です。配信ドラマ「ガンニバル」では
    吉原光夫さん(この人も「エール」に出てて「朝ドラ」関係者。)演じる岩男に次いで、後藤家では二番目に凶暴な理役でした。なかなかのカメレオンぶりでした。

  2. 名乗る程の者ではございません より:

    不謹慎を承知でコメント
    これよ、これが吉田鋼太郎さんよ
    シェークスピア舞台を得意とし、ドラマ「カラマーゾフの兄弟」で腹立つぐらいのえらそうな演技をした吉田鋼太郎さんよ
    「今日から俺は!!」以降コメディ役が多かったけど久々に吉田鋼太郎らしい演技を見た感がありますわ

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