あんぱん

東海林が来た本当の理由 / あんぱん 第120回

2025/9/12(金)第24週「あんぱんまん誕生」

あらすじ

上京した東海林が高知に帰ってから数日後のこと。柳井家に琴子から手紙が届きました。高知に戻ってほどなくして東海林は亡くなっていました。東海林は入院していた病院を抜け出してのぶと嵩に会いに来たのです。

東海林は亡くなる間際、のぶと嵩は「逆転しない正義」をついに見つけたと語ったと手紙の中に記されていました。その手紙を読んだ嵩はその夜、何かに突き動かされるように絵を描き始めました。嵩が描き上げたその絵は顔があんパンのアンパンマンでした。

お腹を空かせた人に自分の顔を食べさせるヒーローの姿に涙ながらに感激したのぶは言いました。こんなヒーローを待っていたと。昭和48年(1973年)10月、『あんぱんまん』は月刊絵本として刊行されましたが大人たちに反応は芳しくありませんでした。

絵本『あんぱんまん』は八木の会社に置いてもらうことになりました。八木の会社に集まった子供たちの多くは絵本『あんぱんまん』に興味を示しませんでした。そんな中、最年少の女の子が絵本『あんぱんまん』に夢中になる姿に八木は注目しました。

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感想

今週のサブタイトルは「あんぱんまん誕生」です。

なのでアンパンマンの爆誕の瞬間!みたいな週になるのかと思っていたら、誕生はしたものの売れない日々が描かれることになりました。

しかし金曜日、ついに・・・

今週の振り返り:アンパンマン誕生

月曜日の放送では、嵩くんが「あんパンを持ったおじさん」に再着手。

さらに今回は絵だけでなくストーリーまで作りあげました。

それまで1枚の絵でしかなかったアンパンマンが少しだけ動き始めた瞬間でした。

アンパンマンが飛んでいたのは戦場の空であることが嵩くんの口から語られ、あんパンを配る対象はその戦場の兵士たちでした。

アンパンマンは嵩くんの戦争体験から生み出されたヒーローでした。

嵩くんが戦場で飢えに苦しんだことがアンパンマンが生み出される原体験でした。

そんなアンパンマンの物語ができた直後に手嶌治虫が柳井家を訪問。

のぶちゃんが点てたお茶が振る舞われた手嶌治虫は自らの戦時中の体験を語り始め、その話を聞かされたのぶちゃん曰く、

「手嶌治虫も嵩くんも、戦争の経験がキャラクターを生み出すことにつながっている」

今週の振り返り:アンパンマンのデビュー

火曜日の放送では、ついにアンパンマンが日の目を見ました。

アンパンマン、初の雑誌の掲載。

今週のサブタイトルの「あんぱんまん誕生」の瞬間が火曜日の放送で描かれた雑誌の掲載だったのでしょうか。

さて、これまで嵩くんの身内と、嵩くんを訪ねてきた女の子しかその存在が知られていなかったアンパンマン。

それが広く世の中に紹介されることに。

しかし、アンパンマンの雑誌掲載に難色を示していた編集者・詩織さんの直感は当たりアンパンマンの評判は思わしくない。

メイコちゃんはまるで理解できない様子。

登美子さんに至っては最悪とまで言い切り、口を極めてアンパンマンを酷評しまくる。

上にも記したように今週のサブタイトルは「あんぱんまん誕生」でしたが「爆誕」からはほど遠い誕生の瞬間でした。

大好きなアンパンマンなのに散々な言われ方をされてしまったのぶちゃん。

子供たちならアンパンマンを好きになってくれるのではないかと、八木さんに頼んで子供たちを集めてもらいました。

今週の振り返り:アンパンマンの読み聞かせ

水曜日の放送では、のぶちゃんが子供たちにアンパンマンの読み聞かせを開始。

しかし、子供たちもアンパンマンが退屈。

のぶちゃんの期待は大きく外れました。

一方で嵩くんが監督したアニメ映画『やさしいライオン』は、あの登美子さんを感涙させるほどに。

アンパンマンは理解できなかったらしい羽多子さんも『やさしいライオン』には感激していました。

登美子さんが涙を流すぐらいなので羽多子さんなら素直に感激するでしょう。

しかしアンパンマンは売れないままです。

そこから三年スキップ。

のぶちゃん、三年間もアンパンマンの読み聞かせを続けていたらしい。

しかし三年経っても子供たちの心をつかむことができない。

そんな中、東海林さんがやって来ました。

今週の振り返り:逆転しない正義のシンボル・アンパンマン

木曜日の放送では、のぶちゃんと嵩くんのアンパンマンへの思いを初めて理解してくれる人物があらわれました。

東海林さんです。

高知新報時代、若きのぶちゃんと嵩くんは「逆転しない正義」を見つけたいと東海林さんに語りました。

二人が探し求めていた「逆転しない正義」。

東海林さんはその「逆転しない正義」とアンパンマンを結びつけました。

のぶちゃんと嵩くん、東海林さんの指摘によってアンパンマンの大義に立ち返ることができたのではないでしょうか。

その一方で嵩くんはアンパンマンには何かが足りないと感じる。

八木さんも同意見。

蘭子ちゃんに至っては「押し付けがましい」と毒舌を吐く。

アンパンマンと「逆転しない正義」が結びつけられる一方で、アンパンマンには何か足りないような気がするものの、その何かが分からない。

そんな状況の下、週の最後の放送を迎えました。

今週の振り返り:絵本『あんぱんまん』

そして本日、金曜日の放送。

ついにアンパンマン爆誕です。

東海林さんが「逆転しない正義」とアンパンマンを結びつけたことが爆誕のきっかけとなりました。

しかし、まだ反応は今ひとつ。

そんな中で、のぶちゃんを除いて二人が絵本『あんぱんまん』に反応を示しました。

一人はのぶちゃんのお茶の生徒さん。

一人は八木さんの会社にいた小さな女の子。

アンパンマンの大ブレイクのフラグがついに立ちました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

手嶌治虫からのお礼

前週、手嶌治虫から嵩くんに依頼があったアニメ映画『千夜一夜物語』のキャラクターデザインの仕事が完了。

嵩くんは仕事をやり遂げ、映画が無事に公開。

さらに劇場公開された同作が大ヒットするまでが描かれますが、この仕事にはまだ続きがあるようです。

この手嶌治虫からのお礼は史実をモチーフにしたエピソードです。

実際には何があったのか。

以下にその概要をまとめてみました。

【史実】手塚治虫氏からのお礼

映画『千夜一夜物語』が公開され大ヒットを記録。

手塚治虫氏はリアル嵩くんの仕事に心から満足しお礼をしたいと申し出ました。

お礼と言っても食事をご馳走するとかそんなレベルの話ではありません。

短編アニメ映画をリアル嵩くんに好きなように作っていいという提案がお礼です。

短編とは言えそれなりの制作費はかかるはずです。

その制作費をお礼として全額出すので短編アニメ映画をリアル嵩くんに好きなように作ってみないかという破格のお礼です。

この手塚治虫氏のお礼の提案に対して虫プロの幹部たちは猛反対したそうです。

何故なら映画『千夜一夜物語』は大ヒットこそしたものの、大ヒットで得た興行収入を上回る制作費によって赤字を出していたからです。

虫プロの幹部たちの反対によって、虫プロとしてリアル嵩くんにお礼をすることはできなくなりました。

すると手塚治虫氏はポケットマネーで制作資金を提供。

手塚治虫氏はそこまでしてでもリアル嵩くんにお礼をしたかったのだそうです。

それほどまでにリアル嵩くんの仕事に満足したということなのでしょう。

そんな経緯を経てリアル嵩くんは短編アニメ映画を初めて制作することになりました。

そして映画化する題材として取り上げられたのがドラマの中にも登場する『やさしいライオン』です。

アニメ映画『やさしいライオン』

手塚治虫氏のポケットマネーによって提供された資金。

そして好きなように自由に作っていいという好条件のもと、リアル嵩くんはラジオドラマの脚本『やさしいライオン』を映画化。

28分間の短編アニメ『やさしいライオン』を完成させました。

ほどなくして本作はいくつもの映画賞を受賞しました。

また昭和45年(1970年)には文部省選定作品に。

文部省選定を機に同作品は劇場公開される運びになりました。

ところでドラマの中で、羽多子さんがうっかり引き受けてしまったことで嵩くんが手がけることになったラジオドラマ『やさしいライオン』。

このラジオドラマ『やさしいライオン』が放送を手嶌治虫も聴くのだそうです。

手嶌治虫が『やさしいライオン』を聴いてどのような反応を示すのかは不明です。

しかし、手嶌治虫と『やさしいライオン』の接点がすでに描かれていることから今週中に何らかの形で回収されるものと思われます。

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POSTED COMMENT

  1. おむすび→あんぱん→ばけばけ より:

    メイコちゃんの2人の娘、わずかながら話題にはでているけど、登場はなさそうみたいだ。サプライズで最終週に登場するとしたら誰が演じるのかなあ。

  2. ばなななち より:

    主人公の2人の目標に向けて最後のひと押し、最高でした
    のぶちゃんが先生になった理由が、
    のぶちゃんが思っていたこらしめる正義のためだったとは…

    これまでの物語のピースがひとつづつ組み上がっていって、
    逆転しない正義の味方アンパンマンが生まれる
    今週は特に面白かったです

  3. 名乗る程の者ではございません様。この前は助け舟を出して頂いて本当にありがとうございました。
    関係無いけど「愛と誠」の岩清水くんというと、その後に同じ少年マガジンに連載してた小林まことさんの「一二の三四郎」の岩清水健太郎くんの「君のためなら死ねるリスト」を思い出してしまいます。(笑)

    • 名乗るほどの者ではない より:

      還暦のたつお様

      いやいや助け船等という滅相なものではございません、単に国営放送の史実をキレイに湾曲してドラマにする姿勢がキライなだけです
      これまでの日清食品のCM自体がインパクト重視したものが多いことからあさま山荘事件での影響があるということが感じられます、だって寒空の下で湯気立つヌードルって美味そうだし食ってみたいもん、逆に身内が歩きながらフォークでヌードルを食いだしたらソッコーで他人の振りする自信ありますわ
      このようなドラマとはいえ史実改ざんが現在の「オールドメディア」という呼称とか「偏向報道」に繋がっているとすら思っています
      最後にネットで何かと叩かれていて私自身も良い印象がなくなりつつある鳥取県ですが私は貴殿のコメントはいつも楽しく拝見させて頂いています、今後ともよろしくお願い申し上げます

  4.  琴子さんからの、手紙。予想は悪い方に当たってしまった。東海林さんのご冥福をお祈りいたします。それにしても琴子さん、ありえないはずの岩清水さんと結婚していたんだね。何かアンパンマンだんだん今の形になってきたぞ。なんかすこしずつ読者、支持者が増えてきたぞ。やはりバイキンマンの参戦がブレイクのきっかけに?

  5. 名乗るほどの者ではない より:

    岩清水くん結婚したのか
    君のためなら死ねる
    わが青春に悔いなし
    これは「愛と誠」の岩清水くん

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