2025/10/22(水)第4週「フタリ、クラス、シマスカ?」
あらすじ
トキは銀二郎との関係を語りながら、錦織、根岸、若宮とともに銀二郎の帰りを待ちました。銀二郎がトキの話を一切していないことを知ったトキは、銀二郎が松江に戻るつもりはないことを察しました。そんな中、ようやく銀二郎が帰ってきました。
再会したトキと銀二郎は二人きりになりました。銀二郎は家を出たことを土下座までして謝罪。銀二郎はトキのことが心から好きでした。なので松野家を出たことを悪く思っていました。それでも銀二郎は、松野家には戻れないとトキに告げました。
一方のトキは、勘右衛門が刀と兜を売った金で東京まで来れたことを銀二郎に話しました。そして、松江に帰って一緒に暮らそうとトキは銀二郎に言いました。しかし、銀二郎は松江に帰ることを拒み、東京で二人だけで暮らさないかいとトキに言いました。
その頃、松江では司之介が東京に行くと言い出しフミに止められていました。司之介は松野家の跡取りがいなくなることを何よりも恐れていました。そんな司之介に勘右衛門が言いました。養子をもらい、あとは自分が鍛えると。
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感想
銀二郎くんの気持ち
トキちゃんが銀二郎くんと再会できました。
銀二郎くん、トキちゃんに対して土下座までして謝罪する。
銀二郎くんがトキちゃんのことを本当に大切に思っていたことが分かり救われる思いです。
銀二郎くんが出奔した理由、やっぱり一つだけだったんですね。
松野家にはとてもいられない。
ただそれだけ。
銀二郎くんは日々、勘右衛門から厳しく鍛えられていました。
史実では、この厳しさが出奔の理由の一つと言われていますが、ドラマの中の銀二郎くんならまだまだ耐えられる範囲だったかと。
トキちゃんと添い遂げるためなら銀二郎くんなら耐え抜いたような気もします。
また、トキちゃんの言葉を借りるなら、銀二郎くんは「朝から朝まで働く」ような日々を強いられていました。
しかし銀二郎くんの性格から考えると、こちらの方もそれがトキちゃんのためなら耐えられたのではないかと。
しかし勘右衛門さんの仕打ちがあまりにも酷でした。
銀二郎くんの命を削るような努力を認めようともしない。
認めないだけならまだマシだったかもしれません。
勘右衛門さんは銀二郎くんの努力を否定し拒絶までしたので。
遊郭で働いて得た金は汚れた金、ぐらいなことまで言いましたが、あれは銀二郎くんにはこたえたかと。
そんなわけで松野家に戻ることだかへ考えられない銀二郎くん。
それでも銀二郎くんのトキちゃんに対する気持ちは本物です。
なので、松野家から離れたトキちゃんと銀二郎くんの二人きりの姿は本当に幸せそうでした。
錦織くん
いかにも武家の秀才の息子らしさを漂わせる錦織くんが見ていて心地よい。
常に居住まいを正して机に向かっている姿。
大河ドラマの人物を見ているようです。
とても厳しいが、それでいて気遣いを忘れない。
錦織くんは銀二郎くんに言いました。
「しばらくおって良いからな。女房どのも、大切にするんだぞ」
錦織くんのこの優しさに心が震えます。
また、試験直前に騒ぎを起こしたことを銀二郎くんに対して、これしきのことで試験に落ちることはないと言い切る自信。
雨清水の夫婦と勘右衛門さん以外は武士に見えないので、これは生粋の庶民の物語なのかと思ってしまいがち。
錦織くんの登場によって、改めて本作が没落士族の話であると認識できました。
ただし・・・
以下、ちょっとだけネタバレが含まれます。
何で読んだか忘れましたが、錦織くんを演じる吉沢亮さんによれば、錦織くんが重厚な人物として登場するのは東京の場面のみ。
次週の松江の場面から錦織くんが本格登場するのですが、松江での錦織くんはヘブンさんに振り回されちょっと残念なところもあるキャラになるらしい。
そんなギャップがどのように描かれるのか。
次週以降の本格登場場面が楽しみなキャラであることは間違いありません。
予習レビューと史実のリアルエピソード
銀二郎の出奔
故・傳さんの機織り工場の閉鎖にともないトキちゃんが失職。
松野家は貴重な収入源の一つを失うことになり、働き者の婿殿・銀二郎くんは仕事を掛け持ちして稼ぎを少しでも増やそうと努力をします。
その心意気は素晴らしい。
しかし、新たに始めた仕事が悪かった。
銀二郎くんはもともと荷運びの仕事をしていました。
さらに彩色の内職を家でやっていました。
それらに加えて新たに始めた仕事。
それは松野家の隣にある遊郭の客引きでした。
遊郭の客引きという仕事を選んだのはまずかった。
しかも松野家の隣というのもまずかった。
婿殿が遊郭の客引きをしているような現実を、あの司之介さんや勘右衛門さんが受け入れられるはずがありません。
松野家の恥だと言って銀二郎くんを責め立てます。
しかし、銀二郎くんも遊郭の客引きという仕事が家の恥になりかねないことは想定内だったはずです。
想定内だけれど他に稼げる仕事がない。
背に腹はかえられない、そんな思いから遊郭の客引きを始めたものと思われます。
そんな銀二郎くんの気持ちを司之介さんや勘右衛門さんは考えもせずに責め立てるのでしょう。
もとは言えば司之介さんが作った借金を返すため、銀二郎くんとしては苦渋の選択をしたものと思われます
それなのに松野家の恥と一方的に責め立てられる。
銀二郎くんとしてはたまったものではありません。
銀二郎くん、松野家を出奔してしまいます。
【史実】為二の出奔
銀二郎くんの実在モデルは為二。
鳥取藩の困窮士族である前田家の次男として生まれた為二は、松野家の実在モデルである稲垣家の婿養子として迎え入れられました。
史実では為二は稲垣家を出奔。
ドラマで描かれる銀二郎くんの出奔は、為二の出奔がモチーフになっています。
ドラマの中で描かれたトキちゃんと銀二郎くんの結婚生活の幸せな描写もまた、史実の小泉セツさんと為二の幸せな新婚生活がモチーフになっています。
では、為二はどうして出奔したのか。
史実では為二は、ドラマの中の銀二郎くん以上に過酷な状況に置かれていました。
司之介さんと勘右衛門さんの実在モデルである稲垣金十郎と万右衛門の二人は、稲垣家の跡取りとしてふさわしい者にしようと為二に武士の嗜みを叩き込みました。
かなり熾烈に。
令和の価値観では間違いなくパワハラ認定されるような罵詈雑言を浴びせられながら、です。
しかも為二は稲垣家が背負った借金を返済するために極めてハードな働き方を求められてもいました。
本作『ばけばけ』は前例になりような描写の数々が斬新だと話題ですが、そんな『ばけばけ』でさえも描くのがはばかられるような苛烈な日々を為二は送っていたようです。
そんな日々のある朝、小泉セツさんが目を覚ますと為二は姿を消していました。
為二本人だけでなく、為二の持ち物もすべて消えてなくなっており、明らかに家出でした。
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16日に17日の感想を届けなかったみたいです。すみません。明らかに松江一の秀才はトキさんを邪魔者扱いしてたけど。トキさんの足の傷を見て薬をあげる優しさも。三人の学生さんと歓談中、銀二郎さん帰って来たけど。久々の夫婦の語り合い。「もうあの家には。」無理もない。「二番目じゃ駄目。」じゃなくて「二人じゃ駄目。」「養子をもらって、わしがまた鍛える。」祖父さん懲りてねえな。また負のスパイラルが。「でもずっと一緒だと思います。」でもトキさんは?