怪談を語ることへの葛藤 / ばけばけ 60回
2025/12/19(金)第12週「カイダン、ネガイマス。」
あらすじ
トキは怪談「水あめを買う女」を聞かせてもらうために再び大雄寺を訪れました。トキはまた夜な夜なヘブンと怪談を語り、その喜びを平太たちに伝えました。トキは連夜の怪談語りで睡眠不足ながらも毎日が幸せでした。
そんな中、トキは錦織からもヘブンに怪談を語ってあげてほしいと頼まれました。怪談はヘブンの日本滞在記を完成させるためのラストピースになるかもしれない。だからヘブンの力になってほしいと錦織はトキに頼みました。
錦織の頼みを受け、トキはすでに毎晩、怪談を語っているとこたえました。嬉しそうにこたえるトキに対して錦織は告げました。怪談を語るほど日本滞在記は完成に近づき、ヘブンが帰国する日が早まるのだと。
それ以来、トキはヘブンに怪談を語ることを躊躇するようになりました。しかしヘブンの怪談への愛情を聞かされたトキは、怪談を語らずにはいられませんでした。そんなある日、トキに宛てて銀二郎から手紙が届きました。
第17週
ばけばけ|感想あらすじネタバレトップページ
感想
今週の振り返り:怪談
今週はヘブンさんが怪談にどハマりする週でした。
今週のサブタイトルは「カイダン、ネガイマス。」ですが、ヘブンさんのどハマり具合をそのままサブタイトルにしたようです。
ヘブンさんが怪談と出会う間接的なきっかけは前週の金曜日に描かれた金縛りでした。
今週の冒頭もヘブンさんは金縛りを繰り返していました。
そこでトキちゃんはお祓いに行くことを提案。
錦織くんがお祓いを悪霊ばらいという意味の英語に通訳したことでヘブンさんはお祓いを理解。
さっそくお祓いを受けました。
ヘブンさんがお祓いを受けたのは大雄寺というお寺。
そこの住職が大雄寺に古くから伝わる怪談を語って聞かせてくれたことがヘブンさんが怪談にハマる直接のきっかけとなりました。
ところで本作で怪談といえばトキちゃんです。
トキちゃんは怪談が大好き。
今の言葉で表現するならば怪談オタクです。
トキちゃんが語る怪談によって、ヘブンさんはますます怪談に沼りました。
しかしここで一つ問題が発生しました。
ヘブンさんは前週、日本滞在記を完成させるためのラストピースを見つけたいと抱負を語りました。
そしてラストピースが見つかり日本滞在記が完成したらアメリカに帰国すると宣言しました。
間違いなく怪談はヘブンさんにとってラストピースです。
なのでトキちゃんが大好きな怪談語りをすればするほどヘブンさんの帰国を早めてしまう。
しかもトキちゃんはヘブンさんに対して特別な感情を抱き始めています。
なのでトキちゃんとしてはヘブンさんにずっと日本にいてもらいたい。
でも大好きな怪談によって、帰国を早めてしまいかねない。
今週のトキちゃん、ジレンマにおちいりました。
しかし・・・
次週ネタバレ:トキちゃんとヘブンさんの関係
しかし、今週のトキちゃんの怪談語りのジレンマは、ジレンマと感じられないほどにトキちゃんとヘブンさんの距離を縮めました。
トキちゃんが怪談語りするほどヘブンさんの帰国は近づくはず。
ところがトキちゃんが怪談語りをするほど、トキちゃんとヘブンさんの心の距離が縮まっていく。
そんな矛盾した状況が描かれました。
さて、ここで次週のネタバレが入ります。
次週はいよいよ本年最後の放送週です。
物語前半のクライマックスに当たるとても重要な週ともいえます。
その重要な週に、今週描かれた「怪談語りによってトキちゃんとヘブンさんの心の距離が縮まる状況」が回収されます。
次週、銀二郎くんが再登場します。
再登場する銀二郎くんはトキちゃんとの復縁を求めます。
次週、イライザさんが日本にきます。
日本に来るイライザさんは新しい土地にヘブンさんと一緒に言ってそこの滞在記を書くことを希望します。
トキちゃんにとって銀二郎くんは特別な存在です。
ヘブンさんにとってイライザさんは特別な存在です。
しかし、今のトキちゃんにとっては銀二郎くん以上にヘブンさんが特別。
今のヘブンさんにとってはイライザさん以上にトキちゃんが特別。
そんなねじれた関係が次週の物語前半のクライマックスで解きほぐされるようです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
次週はいよいよ2025年最後の放送週を迎えます。
2025年最後の放送週にあたり本作の物語前半のクライマックスを迎えます。
そして物語前半のクライマックスのエピソードでは、ついにトキちゃんとヘブンさんの関係に大きな変化が生じます。
この記念すべき物語前半のクライマックスを鑑賞する直前のこのタイミングで、本作の今週までを大きく三つのパートに分けて振り返ってみます。
【PART1】トキちゃんとヘブンさんが出会うまで
トキちゃんは武家社会が終焉を迎えた頃に元武家の娘として誕生。
日に日に松野家の暮らしが苦しくなる中、司之介さんが一発逆転を目指してウサギの商売で大勝負に出ました。
しかしこの大勝負で司之介さんは完敗。
多額の借金だけが残りました。
そして司之介さんが作ってしまった多額の借金がその後のトキちゃんの人生を大きく動かすことになりました。
おそらくトキちゃんは小学校の退学を余儀なくされたものと思われます。
小学校の退学はドラマの中でははっきりとは描かれませんでしたが、小学校の退学を暗示する場面を経て、トキちゃんは傳さんの織物工場で働く場面にスキップ。
しかし働いても働いても減らない借金。
トキちゃんは松野家の働き手を増やすために婿を取ることを決意し銀二郎くんと結婚。
しかしほどなくして銀二郎くんは松野家から出奔。
この銀二郎くんの出奔は次週の前半のクライマック週でしっかりと回収されます。
【PART2】トキちゃんがヘブンさんの女中に
銀二郎くんと別れた数年後、ヘブンさんが松江にやって来ました。
ヘブンさんはトキちゃんがシジミ売りで出入りしている花田旅館で滞在することに。
ヘブンさんとトキちゃんは物理的には近づきますが、ヘブンさんはトキちゃんに異性としての関心はなく、トキちゃんもまたヘブンさんに異性としての関心を持ってはいませんでした。
その頃、ヘブンさんの異性としての関心はアメリカでヘブンさんの帰りを待っているらしいイライザさんに注がれていました。
一方のトキちゃんはバツイチのため新しい出会いは半ばあきらめている状態でした。
そんな中でヘブンさんが女中を必要とすることに。
しかもヘブさんの希望は武士の娘を女中として雇うこと。
ヘブンさんの無理難題を強いられたのは錦織くん。
トキちゃんが銀二郎くんを連れ戻すために上京した際に出会った青年です。
トキちゃんは西洋人の女中=ラシャメンになどなるつもりはありませんでした。
しかし物乞いするまでに落ちぶれてしまったタエさんを救うためにトキちゃんは悲壮な覚悟をかためました。
女中になると決めた直後のトキちゃんの表情。
タエさんを救えたという安心感と自分の人生は詰んだという諦念が入り混じったあの時のトキちゃんの表情をブログ主は忘れることができません。
【PART3】トキちゃんとヘブンさんの心の距離
トキちゃんがヘブンさんの女中になると決めてから、前半のクライマックを迎える直前の今週に至るまで。
トキちゃんとヘブンさんの心の距離が縮まるプロセスが丁寧に描かれてきました。
トキちゃんが女中として働き始めた頃、ヘブンさんにとってトキちゃんは出来の悪い女中でした。
実際にヘブンさんは解雇を言い渡したほどです。
しかしトキちゃんは簡単に解雇を受け入れられない事情がありました。
生家の雨清水家と養家の松野家の両家を経済的に支えなければならないという事情です。
トキちゃんの必死の努力で解雇は回避。
また必死の努力の中で披露したトキちゃんの茶の湯や生花の腕前は、日本文化に深い興味を持つヘブンさんを満足させるのに十分でした。
ヘブンさんの中でのトキちゃんへの評価が大きく変わった瞬間でした。
その後、ヘブンさんに恋する女性が引き起こす騒動。
トキちゃんに恋する青年と、その青年に期待する松野家の人々の騒動。
これら騒動の中で、トキちゃんの中でのヘブンさんの存在感が少しづつ変わり始めました。
そしてトキちゃんとヘブンさんの心の距離が縮まるのと並行して近づいてくるヘブンさんとの別れの日。
それが今週。
次週は銀二郎くんが再登場。
ヘブンさんの恋人(?)イライザさんもアメリカから日本にやって来ます。
いよいよ本作の物語前半のクライマックスです。
第17週
ばけばけ|感想あらすじネタバレトップページ










還暦のたつお様
小池一夫先生と「鬼平犯科帳」に対して反応致します
小池先生の作品、おもしろかったですね
「子連れ狼」のラストはテレビの前で驚愕やら感動で固まりましたし、叶精作先生や芳谷圭児先生とのえっちなマンガもおもしろかったです、あくまでも個人感ですが小池先生はノストラダムスの大予言に傾倒してから作品がなんだかなというようになりましたが
「鬼平犯科帳」は長谷川平蔵を誰が演じるかはあまり関心なかったですが、おまささん役はやっぱ梶のアネゴだよなとエンディングはジプシーキングのギターの音色だよなとは思います
さいとうたかを先生の劇画版も好きですね、個人的には「ゴルゴ13」より好きですね
おトキちゃんの呼び名が「シジミサン」から「オトキシショウ」に。
それだけヘブンさんは、怪談を語るおトキちゃんへの思い入れが強まったのでしょう。
怪談の面白さだけでなく、おトキちゃんの怪談の解釈が物の怪に寄り添った優しさに満ちていることが、ヘブンさんの心に強く訴えたのだと感じました。
ただの女中、記号としての存在だった「シジミサン」が、おトキちゃんの考え方や辛い過去から一人の独立した人格を持つ「人」として認識されるようになった気がします。
そしてその存在が、日に日に大きく大切なものになっていっているのが見えます。
ボードに中央に「kaidan」と書かれた紙。
ついに見つけたラストピース。
でもそれは日本を、おトキちゃんや錦織さんから離れることを意味します。
そこに加えて、銀二郎さんからの手紙。
来週の展開が楽しみです。
追記、萬屋錦之介(中村獅童さんの伯父さん)さんも鬼平を演じているのですが、この方も出自から考えて歌舞伎役者枠に入れさせてもらいました。
追記、大河ドラマ「べらぼう」最終回良かったです。視聴率も評判も悪かったけど個人的には好きでした。「国宝」を見る時間が取れなかった飢えを「べらぼう」で満たしていた事もあるのですが。小池一夫さん原作の劇画や映画、ドラマでしか出て来ない「忘八者」という存在がクロースアップされたのも(とある温泉旅館で見た旅回り一座の芝居でも出て来たけど)嬉しかった。あと歴代の長谷川平蔵(鬼平ですね)演じていた俳優が丹波哲郎さんを除くとほぼ全員、歌舞伎役者だったのを改めて知りました。これ以上書くと長くなりそうなのでもうやめときます。
また伊武雅刀さん。大雄寺の住職さんに怪談の再度のお願い。花田旅館で朝食待ち。深夜までの勤務とお寺への訪問で流石の立寝。皮肉にも英語が話せる錦織さんよりも、おトキさんの方が遥かにヘブンさんとコミュニケーションが取れてる。ヘブンさんの怪談の聞き取りが進むとヘブンさんの帰国が早まる事を錦織さんは危惧している。怪談をヘブンさんに聞かせる事に歓びを見出していたおトキさんは、怪談を話す事がヘブンさんとの別れが早まる事を知り、動揺する。まさに二律背反。気を取り直して怪談再開。なんかおトキさんの語りが格段に上手になってる。松野家宛ての郵便。おトキさん宛ての銀二郎さんからの文。ネットでは展開が遅いと批判されてたけど、ここへ来て急展開の予感。