らんまん

万太郎を忘れたい寿恵子 / らんまん 第53回

2023/6/14(水)第11週「ユウガオ」

あらすじ

万太郎のことは忘れてしまおうと考えた寿恵子は、万太郎から贈られたバラの絵を破こうとしました。しかし寿恵子にはバラの絵を破くことはできませんでした。寿恵子は万太郎のことをどうしても忘れられずにいました。

そのころ万太郎は、植物学雑誌の発行に向けて大詰めを迎えていました。波多野と藤丸が論文の執筆が進まない中、万太郎だけは植物画のを描くことに没入。万太郎の集中力は波多野と藤丸を恐れさせるほどでした。

そんな中、学生たちや講師の大窪から植物学雑誌に掲載する論文が次々に集まりはじめました。一方、万太郎は石版に植物画を描きはじめようとしていました。それは印刷のために描く失敗が許されない植物画でした。

同じころ寿恵子は万太郎のことを思いながら、クララからダンスのレッスンの指導を受けていました。すると、寿恵子の万太郎への気持ちを察したクララが寿恵子に告げました。心のままに生きなさないと。

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感想

寿恵子ちゃんの苦悩

前回は万太郎くんが描いたバラの絵を破こうとする寿恵子ちゃんの描写で終了。

今回はその場面のアバンタイトルから始まるものと思っていたら、アバンタイトルなしのスタート。

オープニングを経ての前回の続き。

オープニングがなかったことで、寿恵子ちゃんの苦悩がより丁寧に描写されました。

忘れようと思っても忘れられない、そんな苦悩が。

寿恵子ちゃん、ダンスのレッスン中にも思い出すのは万太郎くんの面影。

思い詰める寿恵子ちゃんの気持ちを察したクララ先生の言葉が、寿恵子ちゃんにとってどれほど救いになったことか。

クララ先生の英語は寿恵子ちゃんにわからないけれど通じ合う心と心。

美しい場面でした。

さて、寿恵子ちゃんの心の中は万太郎くんのことでいっぱい。

一方の万太郎くんは植物画の描写に没入し、寿恵子ちゃんのことどころか目の前にいる3人の仲間たちの会話すらも耳に入ってこない。

万太郎くんの集中力とハイスペックな頭脳の持ち主たち

万太郎くんの集中力がハンパない。

波多野くんや藤丸くんも東京大学の学生なので頭脳のスペックは人並み以上。

そんな波多野くんや藤丸くんを震え上がらせるほどの集中力。

波多野くんが言いました。

自分たちは人よりも多くのものを自分の中に入れられる器がある。

万太郎くんもまた人よりも多くのものを自分の中に入れられる器がある。

ところが万太郎くんは、その器をパンパンにしようとする。

万太郎くんの器の中と比べたら自分の器の中はスカスカだ。

平均レベルを超えた頭脳のスペックを持つ波多野くんや藤丸くんだからこそ、万太郎くんを怖いと感じるほどなのでしょう。

波多野くんと藤丸くんがハイスペックな頭脳の持ち主であることを再認識しました。

そしてもう一人のハイスペックな頭脳を持っているはずのキャラ・丈之介くん。

残念なお騒がせなキャラとして描かれてはいますが彼もまたハイスペックな頭脳の持ち主のはずです。

今回、丈之介くんの実在モデルが確定したことで、丈之介くんもまたハイスペックな頭脳の持ち主であることを確認できました。

丈之介くんの実在モデルが確定

シェイクスピアの全作品を翻訳したいという丈之介くんのセリフによって、丈之介くんの実在モデルが確定。

丈之介くんの実在モデルは坪内逍遥です。

坪内逍遥は1909年(明治42年)に『沙翁全集』全40編のうちの第一編を出版。

1928年(昭和3年)に『沙翁全集』全40編の出版が完了。

「沙翁」とはシェイクスピアのことです。

ドラマの中で丈之介くんが語った夢が『沙翁全集』に当たります。

さて、リアル万太郎くんの生年は1862年(文久2年)なのに対して坪内逍遥の生年は1859年(安政6年)。

リアル万太郎くんの3歳年上です。

坪内逍遥はドラマの中の丈之介くんと同様に落第を経験。

そして1883年(明治16年)に東京大学文学部を卒業。

ちなみにリアル万太郎くんが東京大学への出入りを許され大学に通い始めたのは、坪内逍遥が東京大学を卒業した翌年の1884年(明治17年)のことです。

坪内逍遥の話に戻します。

坪内逍遥は1933年(昭和8年)から現代語訳『新修シェークスピヤ全集』全40巻の配本を開始。

1935年(昭和10年)全40巻の配本終了の直前に逝去。

享年75歳。

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予習レビュー

万太郎くんと寿恵子ちゃんのストーリーが動き出す今週は、あの田邊教授の腹黒さが明らかになる週でもあります。

今週、万太郎くんが準備を進めてきた植物学の雑誌の印刷がいよいよ始まります。

この印刷部数などをめぐって、万太郎くんに対して悪い印象しか持っていないらしい徳永助教授が噛みつきます。

植物学会の会員数は30名しかいないのに印刷部数を300部にするのは理解できないと。

万太郎くんは植物学会の会員だけでなく全国の学校にもその雑誌を送付し、植物学という学問を広く知らせるつもりでいました。

しかし徳永助教授はどうしても納得できない。

そもそも300部も印刷する金をどうするつもりなのかと。

万太郎くんは印刷にかかる経費を峰屋という財布から出すつもりでした。

なので大学や学会には費用負担がないので田邊教授は300部にOKを出しました。

その上で、仕上がった雑誌が一定の水準に達していれば学会誌として採用する。

しかし仕上がりが一定の水準に達していなければ、300部はすべて焼却処分するまでだと、そんな算段を田邊教授はするわけです。

そんな田邊教授の腹の中など知る由もない万太郎くんは・・・

というのが今週の田邊教授のブラックなストーリーです。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    クララ先生からの、lastlesson。
    「Live for Love. 心のままに生きなさい」
    寿惠子ちゃんの背中を押してくれました。
    寿惠子ちゃん、頑張って白河氏と高藤氏に決意を伝えるんだよ。

    周りのみんなに影響を与える万太郎くん。
    万太郎くんがいなければ波多野くんや藤丸くん始め先輩方が、課題以外の論文を書くことはなかったかもしれません。
    講師の大窪さんも、何気に楽しみにしているみたいだし。

    しれっといつもなぜか仲間に混じっている丈之助くんが好き。

  2. 名乗る程の者ではございません より:

    この世は舞台、人はみな三文役者

    シェイクスピア「マクベス」の台詞で個人的に一番好き
    この時代にこんな和訳できるなら平成末期から令和にかけて誕生した爆誕というワードを使っていても違和感ないぞ、丈之助くんというか若い頃の坪内逍遥

  3. 還暦のたつお より:

    寿恵子さんバラ破れないよ。丈之助さんも締め切り。みんな締め切り。「あんな集中力を持ってしたら。」みんな反省。丈之助さん、やっぱり実在のモデル有り?徹夜で作業なんか、大学のサークルを思い出す。クララさん役の人も朝ドラ常連だったんですね。と言っても三作。寿恵子さん踊る相手は万さんしかいないよ。クララさん全てを察したみたい。

  4. 還暦のたつお より:

    巨漢俳優 その2、 阿部さん以外に最近活躍している巨漢俳優と言えば、一ノ瀬ワタルさん、勝矢さん、岡崎体育さん、がおられます。全員朝ドラ出演歴有ります。一ノ瀬さんは元格闘家、勝矢さんはサッカー、阿部さんは大学野球、岡崎さんはテニス。の経験有り。皆さん体格に似合わず身軽に動けます。岡崎さんは本職がミュージシャンなので、この中では比較的身体能力劣るのかなと思ってたけど「どうする家康」での激走ぶりは見事でした。

  5. 還暦のたつお より:

    名乗る程の者ではございません様、迂闊にも竹ノ内さんと斎藤さんのやり取りスルーしてました。だったら斎藤さんの役は眞栄田郷敦さんでも良かったのでは(旧滝役の千葉治郎さんの甥)と思いましたが、斎藤さんも眞栄田さんも武道の心得がありアクションもこなせるのでどちらでも良かったか。(ただし映画では滝が立ち回りするシーンは無かった。)あと伊藤歩さん、43歳だったんですね。
     岩井俊二監督の「スワロウテイル」、「リリィシュシュのすべて」での少女役の印象が強いのでいささか驚きました。

  6. 匿名 より:

    バラの絵ではなくて、ボタンの絵ではありませんか?
    (ブログ主さんへの質問です。匿名より)

    • とくめいさん より:

      田邊教授と「お出掛け」した際に、クララ先生の「夏のバラ」の歌を聞き、その後、薔薇の絵を描いたスケッチブックを持って寿恵子を訪ねていたかと。ボタンの絵は店の後ろに額装?しておいてありますが、薔薇の絵はそのまま壁にとめてありました。それを最初に破ろうとしていましたね。

    • 匿名 より:

      すみません。ボタンではなくて、「夏の最後の薔薇」(日本題:庭の千草)の歌を聞いたときの薔薇の花をまんたろうが書いたものでしたね。失礼しました。

      ブログ主さま、すみませんが、私からのコメントは名前を消していただけませんか?『匿名より』7と書いたのはそういう意味でした。とてもせまい日本人社会にいます。よろしくお願いします。

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