2023/9/14(木)第24週「ツチトリモチ」
あらすじ
徳永は、南方熊楠の神社合祀令の反対運動に決して関わるなと強い言葉で万太郎に忠告しました。続けて徳永は言いました。教員の妻である寿恵子が商売していることについて投書があった。これ以上、目立った行動はとるなと。
しかし、故郷に帰った野宮から送られてきた手紙で、神社の森が失われている現状を知った万太郎は居ても立っていられなくなりました。同じころ、相島が「山桃」に神戸の資産家の代理人の人物を案内しました。
その日、その人物は寿恵子に連れられて十徳長屋に足を運びました。その人物は早川逸馬でした。万太郎と逸馬は再会を喜び合いました。そして万太郎が勾留された際、逸馬が守ってくれたことへの礼を述べました。
その数日後、逸馬は神戸の資産家・永守を「山桃」に案内し、永守を万太郎に紹介しました。万太郎と向き合った永守が口を開きました。万太郎が所有する十万点の植物標本の保管と図鑑の出版費用を永守家が援助したいと。
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感想
万太郎くんと徳永教授の対立
万太郎くんと徳永教授の対立が決定的に。
田邊教授についで、またしても上司との間のトラブル。
ただし救いなのは、田邊教授とのトラブルが人間関係のトラブルだったのに対して、徳永教授とのトラブルは合祀令に対する考え方のギャップのトラブルです。
田邊教授とのトラブルは、嫉妬や独占欲など田邊教授の感情が原因。
その点、徳永教授の中には万太郎くんに対する歪んだ感情はありません。
そこで思い出すのが徳永さんの助教授時代、ドラマの中に初めて登場したころのこと。
万太郎くんが植物学教室に出入りすることを田邊教授が許したとき、徳永さんは大学の権威を理由に猛反対しました。
このときの田邊教授と徳永助教授の対応の違いが二人の考え方の違いをよく物語っていました。
田邊教授はいい意味でも悪い意味でも組織へのこだわりがない人でした。
一方の徳永さんは組織に対して忠誠心を持つタイプの人でした。
この組織に対して忠誠心を持つという性格を、教授になった今も徳永さんは持っている。
それゆえに組織で従順ではない万太郎くんとは対立することになってしまう。
しかし、繰り返しになりますが万太郎くんと徳永教授との間に感情的なトラブルはありません。
以下、ネタバレを含みます。
次回または次週の前半、万太郎くんが徳永教授の辞表を提出する場面はちょっと切ない場面になるかもしれません。
万太郎くんと徳永教授が初めて心を通い合わせることができたのは万葉集の和歌でした。
そして万太郎くんと徳永教授の別れの場面もまた万葉集の和歌が使われます。
辞表を提出した万太郎くんに対して徳永教授は万葉集の別れの歌の上の句を詠み、万太郎くんが下の句で返す。
そんな別れの場面になるようです。
万太郎くんと徳永教授は組織の方針に対して考え方を異にしますが、徳永教授の万太郎くんへの評価は変わらないようです。
ブログ主は徳永教授が大好きでした。
なので、切ないけれど優しく美しい別れにしてくれた脚本家の先生には感謝しかありません。
早川逸馬の再登場
早川逸馬がすっかり立派になって再登場。
記憶力の悪いブログ主は早川逸馬の前半最後の登場場面をすっかり忘れていました。
早川逸馬、命がけで万太郎くんのことを守ってくれたんですね。
あのとき、ブログ主は違和感を感じたものです。
これほどまでに濃厚な早川逸馬と主人公の別れを描きながら、早川逸馬は再登場するような登場人物には見えない。
前半かぎりになりそうな登場人物との別れの場面を、どうしてここまで濃厚に描くのだろうかと。
しかし、今回の再登場によって、あのときの違和感は消えました。
それはともかく・・・
早川逸馬が万太郎くんのことを命がけで守ったときのこと。
早川逸馬は拷問に耐えながら取調官に言いました。
あんな奴は仲間じゃない。
あんな奴を仲間と言われて心外だ、みたいなことを。
早川逸馬のその言葉が本心から出たものでないことは明らかでしたが、本心は言葉とは正反対の気持ちを抱いていたこと。
ずっと万太郎くんと組んでいたかったという早川逸馬の本心が初めてわかり、グッときました。
本当に素敵な再登場場面でした。
予習レビュー
リアル万太郎くんとリアル永守徹こと池長孟氏が不仲となり、池長孟氏が買い取った植物標本は整理もされず保管されたままの状態になりました。
それから23年が経過。
リアル寿恵子ちゃんはもうこの世にはいません。
池長植物研究所に保管されていた植物標本がリアル万太郎くんの手元に戻ってきました。
昭和16年(1941年)のことです。
戻ってきた標本はリアル万太郎くんの自宅の庭に建てられた「牧野植物標本館」という建物に保存。
大戦を経て昭和26年(1951年)、文部省は「牧野博士標本保存委員」を設置。
40万点にまで増えていた植物標本の分類と整理がようやく始まりました。
その6年後の昭和32年(1957年)リアル万太郎くん死去。
リアル万太郎くんの死去の翌年、昭和33年(1958年)に東京都立大学理学部に牧野標本館が完成。
平成3年(1991年)、東京都立大学の八王子市への移転に伴い牧野標本館もリニューアルされました。
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徳永教授は、見えないところで何かと万太郎くんを庇ってきたのでしょう。
大学に呼び戻したのも、万太郎くんを応援したい気持ちからだったのではないでしょうか。
万太郎くんが活動を続けていくためにも、目立つな、目を付けられるな。
そういう気持ちだったのではないでしょうか。
でもどれだけ庇いたくても、田邊教授のような政治力も押しの強さもない徳永教授には、これが精いっぱいだったのでしょうね。
徳永さん、根は歌人だから。
植物学教室と学生たちと、植物学を続けられる環境とを守るためには、お上の意向に従うしかなかったのでしょう。
早川さんの再登場。
天を駆ける二匹の龍。
胸アツです。
作者の長田さんは、徳永教授を人情味のある人物に描いています。助手として復帰した万太郎が教授室を訪ねた時に「カネ(?)の苦労もしたんじゃないのか?」と優しく問いかけていました。台湾出張の辺りから、万太郎の方がキャラに似合わぬ政治的なこだわりを態度に出す人になり、そりゃ徳永教授が不快になるのも無理ないよと思ってしまいます。リアル万太郎は、どう見てもノンポリですよね?
いつも楽しく拝見しています。
本日の予習レビューですが、ドラマの本筋ではまだ池長さんは紹介されたばかりなのに、いきなり不仲の話があり、違和感を感じました。それに寿恵子さんのことも。
予習レビューだから、と言われたらそれまでですが、次の日の予習レビューと話が繋がらず、混乱してしまいました。
相島さんは、自分の事業に大金持ちの中川大志クンの援助を受けたくて、彼の代理人の早川逸馬を接待すべく、彼の出身地の土佐ゆかりのお店を選ぶなど気を使ったのに、結果は万太郎くんに援助がされることになり、なんとも皮肉なことです
相島さんのモデルが東急の五島慶太なら大丈夫、
これからがんばって!(笑)
「私もこれ以上庇えない。」ってそもそも最初から保身以外の目的で万さんを庇うつもりなんてなかっただろう。「目立つな!」結局そういう事か。早川氏久々の登場。国のせいで酒蔵が潰れた。はっきり言ったね。感動の再会。「風に乗る二匹の龍のように。」たとえが素晴らしい。長男さん公務員。これで茶屋の収入もあるから家計はいくらか楽になってる?でも図鑑には。早川氏の紹介で高畑勲さんじゃなかった永守さん登場。事態は好転するか?