ブギウギ

キヌに真実を聞くスズ子 / ブギウギ 第22回

2023/10/31(火)第5週「ほんまの家族や」

あらすじ

実母のキヌから過去にあったことを聞かされたスズ子は、呆然としたままキヌの家を立ち去りました。一方、ツヤの実家・大西家では六郎が、朝になっても帰らぬスズ子のことを心配していました。

その日の夕方、びしょ濡れになったスズ子がようやく大西家に帰ってきました。スズ子を迎えた六郎に、スズ子がいいまいた。抱きしめてくれ。体がバラバラになりそうだと。そしてスズ子は泣き崩れました。

夜になり夕食の席では誰もが押し黙っていました。そんな中で最初に口を開いたのは祖母のトシでした。トシは言いました。ツヤはスズ子のことを思って真実を言えなかったのだ。しかしツヤはスズ子のことを本当の子供だと思っていると。

大阪に帰ってきたスズ子は、香川であったことは二人の秘密にすると六郎に告げました。そして家族らに迎えられ、スズ子はいつものように明るく振る舞いました。ほどなくして休暇を終えたスズ子は劇団に戻りました。

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感想

スズ子ちゃんの出生の秘密が明らかになるエピソードが終了しました。

出生の秘密が明らかになるエピソードが描かれる最後の日の今回、おばあちゃんを演じる三林京子の圧倒的な存在感に、ブログ主はすべてを持っていかれました。

トシさんがスズ子ちゃんに言った言葉

トシさんがスズ子ちゃんに言った言葉が厳しくも優しい。

「スズ子も六郎も大好きだが、本当のことを言うとツヤやタカの方が大切。ツヤとタカは自分の子だから」

こんなときは普通なら孫の前では、孫を溺愛するおばあちゃんを演じそうなもの。

ところがトシさんはそんな安易なやり方は選ばない。

本当の気持ちを包み隠さずスズ子ちゃんに言いました。

深く傷ついた相手には嘘の優しさよりも本当の厳しさの方が相手の心を癒すとトシさんは考えたのでしょうか。

本当のことを言うトシさんの言葉はその後も止まりませんでした。

タカさんから制止されても。

トシさんは続けて言いました。

「ツヤはスズ子を本当の子供だと思ってる。しかしスズ子は知ってしまった。そのことをツヤに言うかどうかはスズ子の問題だ」

トシさん、厳しい。

自分のことは自分で決めろと突き放す。

でも、こうでもしなければスズ子ちゃんは誰かの表向きの優しさに依存して立ち直れなくなったかも。

トシさんはさらに言いました。

「おばあちゃんはツヤの母だからツヤが悲しむところは見たくない。しかしスズ子は一人の人間だ。苦しかったらツヤにすべてを言ってもいい」

トシさんは「ツヤはスズ子を本当の子供だと思ってる」と言いつつ、ツヤさんとスズ子ちゃんは実の親子ではない現実を真正面から言い切っている。

「おばあちゃんはツヤの母」と言って親子関係を言葉にし。

「ツヤはスズ子を本当の子供だと思ってる」と言って、親子同然の関係であることを言葉にし。

「スズ子は一人の人間だ」と言って、実の親子でない現実にも目を向けさせる。

以上、トシさんがスズ子ちゃんに言った言葉を振り返ってみました。

優しさで包み込みながら現実を直視させる、スズ子ちゃんを一人の大人として応対したトシさんが描かれた今回。

ブログ主にとっては神回に近いものがありました。

追伸:あまりにも切ない状況にもかかわらず、その状況がまったく理解できていない六郎くんの能天気な明るさが救いでした。(笑)

スズ子ちゃんのポテンシャル

休暇を終えて劇団の稽古場に戻ったスズ子ちゃんに林部長が言いました。

「大和礼子も言っていた。スズ子の歌はいつか大化けすると」

この林部長の言葉で気がつきました。

大和礼子と橘アオイが去ったあとの劇団で、スズ子ちゃんは中心的なメンバーとして活躍しているけれど、まだ実力を発揮しきれていない状況にあることを。

その後の大スターとしてのポテンシャルは秘めつつも、その才能はまだ花を咲かせていない段階、というのが今のスズ子ちゃんの立ち位置。

スズ子ちゃんの才能が開花するのは恐らく次週。

そのころになってようやく、スタートしてのスズ子ちゃんの物語が始まるのかな?

林部長の言葉で、ふとそんなことを考えました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

笠置シヅ子さんの実母についての補足情報
昭和25年(1950年)笠置シヅ子さんは、東京大学総長・南原繁氏に呼び出され東京大学総長室に足を運びました。

そのとき、総長室で笠置シヅ子さんを迎えた南原氏は、笠置シヅ子さんの実の両親について語り始めたのだそうです。

南原氏の話のおおよその内容は次のとおりです。

笠置シヅ子さんの実父・三谷陣平は幼馴染みで、夏休みは一緒に海水浴などした。

三谷陣平は電信学校に進学し、卒業後は地元の郵便局に勤務していた。

漢学者だった三谷陣平の父親から漢学を教えてもらった。

また、実母の谷口鳴尾は由緒ある家の生まれの女性である。

三谷家の女中ではなく、三谷陣平の母親に和裁を教える先生の立場であった。

などなど、笠置シヅ子さんがそれまで知らなかった実の両親のことを詳しく聞かされました。

また、このときの面会をきっかけに南原氏は「笠置シヅ子後援会長」に就任。

「ブギの女王と東大総長」という珍しい組み合わせが世間の注目を集めたのだそうです。

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POSTED COMMENT

  1. 丹善人 より:

    香川編って、もう終わりですか。特に治郎丸家はたった1回だけの登場。
    今後、会うことはあるのだろうか。

    六郎君、良いキャラですね。
    いなくなると思ったら穴が開いたような。
    これって、伏線なんですね。

    秋月さん、いつの間にかスズ子達の仲間になっていた。
    まあ苦境を共に乗り越えてきた同士だからですか。

  2. 名乗る程の者ではないでおま より:

    下のコメントは日付間違えたので改めて本日の回について

    大久保さんこと三林さんがめっちゃ良い
    言葉少なく気骨あるが根は優しい明治の女という感じ

    リリーちゃん、医大生と上手くいかなかったんだ
    医大生の名前って黒川?
    やめとけやめとけ、そいつは野心が強く後に大阪の大きな産婦人科医院に婿入りして名字が財前に変わるぞ
    というか時代合っているのか?知らんけど

  3. 還暦のたつお より:

    茫然自失、何故か川で子供と水遊び。浅い川で良かった。六郎君この時ばかりは大人の見える。祖母が語る母の想い。香川での事は秘密。鈴子さんふっ切れたな。♬さ~ばくに陽がおちて~♬大和さん、林部長の慧眼。転機かな。

  4. 丹善人 より:

    歌の力。世のしがらみや諸々を吹き飛ばす力。いよいよ化けるときが来た。
    結局両親には、自分が知ったことを一生内緒にしていたのだろう。

  5. 名乗る程の者ではないでおま より:

    いや~、久々の胸クソ回だったなあ
    まあ、個人的には酔っぱらいというのは飲酒適量を把握してなくて自制が出来ないアホと思っているし、これに身分が高いという要素が加われば迷惑この上なしと思っているからねえ
    一度は突き放した孫に逢えて羽目を外した微笑ましい祖父なのか?封建的な田舎で傲慢に生きてきた成れの果ての老いぼれにしか見えないわ、最初は自制していた祖母も気づけば暴走してるし
    現代のコンプライアンスは窮屈であまり好きではないけど、パワハラとアルハラという言葉を作ったのは素晴らしいことかと
    なんにせよ、近い将来こんなジジイにならないように心がけよ~っと(基本的に酒は嫌いだから酔っぱらわない自信はあるし)

    • 名乗る程の者ではないでおま より:

      間違えて先週金曜日のコメントをコチラにしてしまいました、ワイも相当モーロクしとるわな
      胸クソ度合いとしては「おしん」の佐賀編ぐらいだったなあ、共通するのは根強い封建的パワハラへの嫌悪感なんだよな
      だからね、そんな封建的な田舎体質にわずかながらのレジストした「おしん」の恒子さんは魅力的だったんよ、歴代朝ドラ出演キャラでワイ一番の推しメンだわ

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