2023/11/20(月)第8週「ワテのお母ちゃん」
あらすじ
昭和14年(1939年)9月。第二次世界大戦が始まろうとする中、梅丸楽劇団では演出を時局に合わせていく方針が劇団員たちに示されました。スズ子も、あまり派手にならないように指示され戸惑いを感じていました。
羽鳥も、これからジャズを自由にできなくなってしまうのではないかと心配していました。これからのことに心配するスズ子と羽鳥に対して、辛島部長はなるべく控えめにしてほしいと頼みました。
同じころ、大阪のスズ子の実家「はな湯」ではツヤが体調を崩し寝込んでいました。そんな中で、熱々先生は大きな病院で診てもらうようツヤにすすめました。しかし、銭湯が赤字続きでお金のことを心配するツヤは病院に行くことに乗り気ではありませんでした。
ある日、スズ子は羽鳥家に夕食に誘われました。その日、音楽が自由にできなくなりそうで羽鳥は珍しく荒れていました。その日の夜、スズ子が下宿に帰ると電報が届いていました。六郎に召集令状が届いたのです。
第13週 | 第14週
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感想
いよいよ世の中の空気があやしくなりスズ子ちゃんの仕事も雲行きがあやしくなってきました。
それに加えてツヤさんの病気。
六郎くんの赤紙。
今週は、3つの暗い話題からストーリーが始まりました。
梅丸楽劇団のこれから
梅丸楽劇団は新機軸を打ち出しそれが大ヒット。
いよいよこれからというときに、劇団の一番の売りは厳しく制限されることに。
しかも、そんな世の中の空気をしっかりと読んでいる堅物の演出家・竹田さんが松永さんの後任としてやってきました。
さて、竹田さんの起用を決定したのは大熊社長のはずなので、当局の意向に沿った演出にするという方針は大熊社長の方針でもあるのでしょう。
しかし、当局の意向に沿ってしまったら興行的に難しい状況になることを、大熊社長は誰よりもわかっているに違いない。
しかし興行のリスクと当局ににらまれるリスクを天秤にかけ、興行のリスクの方を大熊社長はとったのかな?
それとも竹田さんの当局への忖度は大熊社長の想定を超えていたとか・・・
大熊社長の意向は推測でしか語れませんが、竹田さんが当局に忖度することが自分のミッションであること。
当局からにらまれないことが自分の責任だと考えていることはほぼ確定。
一方で辛島部長は、そんな状況下でも劇団の興行に対して責任を持っている立場です。
興行の現場を見てきた辛島部長は、竹田さんの新方針の演出では興行的に苦しい状況になるらしいことをわかっています。
当局ににらまれないための演出の新方針と興行成績。
この間に立たされた辛島部長、苦しいところです。
スズ子ちゃんと羽鳥先生がこれからのことに不安と不満を抱えている描写はあったけれど、辛島部長の同じように苦悩しているはず。
辛島部長の苦悩も見てみたかったです。
ツヤさん
ツヤさんが体調を損ねた最初の描写では、六郎くんはツヤさんの病状を「風邪」と言ってました。
しかし「風邪」どころではないらしい。
はな湯の常連客によれば、ツヤさんはもう長らく銭湯の番台に出てきていないのだとか。
なので、体調を損ねた最初の描写以来このかた、ツヤさんは寝込んだままでいるのでしょう。
しかも、体調を損ねた最初の描写のときと比べて病状は明らかに進んでいる。
また、六郎くんがツヤさんの病状を「風邪」と言っていたあのとき、梅吉さんがツヤさんを案じる様子は描かれませんでした。
しかし今回の梅吉さんは、見るからに心配そう。
スズ子ちゃんが移籍騒動やら失恋やらでバタバタしている間に、ツヤさんの病気は一気に進行してしまったようです。
でも、スズ子ちゃんはまだツヤさんのそんな状況を知りません。
六郎くん
そんな中で六郎くんの赤紙です。
しかも六郎くん、赤紙がきたことを無邪気に喜んでるし。
六郎くんに赤紙が届いたこと、ツヤさんの心痛はどれほどのことか。
でも時節がら、本当の気持ちを口には出せない。
さらに無邪気に喜んでいる六郎くんを見てしまうと、なおさらのこと本当の気持ちを口には出せない。
梅吉さんも同じ気持ちでしょう。
というわけでスズ子ちゃんの3つの受難が描かれる週が始まりました。
予習レビューと史実のリアルエピソード
今週、羽鳥善一の音楽の師匠が名前だけ登場します。
羽鳥善一の師匠の名前はウクライナから日本に来た「メッテル」。
ドラマの中で名前だけ登場する「メッテル」は実在する人物です。
実在モデルの名前もメッテル、フルネームはエマヌエル・レオニエヴィチ・メッテル(Emmanuel Leonievich Metter)です。
実在のメッテル氏はウクライナのヘルソン州生まれ。
宝塚音楽歌劇学校で教授を務めていた奥様のエレナさんを追って大正15年(1926年)3月に来日。
京都帝国大学音楽部のオーケストラの常任指揮者を10年以上務めました。
そのころの門下生の一人が羽鳥善一の実在モデルである羽鳥善一氏でした。
服部良一氏がメッテル先生から教えられたことに一つに次のようなものがあります。
「習ったことは、全部人に教えなさい。教えることは、あなたの勉強になります。お金を払ってもいいから弟子をとりなさい」
この言葉に従い服部良一氏は、作曲家を夢見て上京後数年間はバンドマンの仕事の後に、教え子たちに夜食まで振る舞いながら無償で演奏のレッスンをしていたのだとか。
いつだったか、ドラマの中で羽鳥善一が汽車に乗って東京に向かう場面がありました。
あの直後、きっと羽鳥善一もメッテル先生の教えにしたがい無償で演奏を教えていたのでしょうか。
第13週 | 第14週
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羽鳥先生は他人の事を「面白い人だろう?」なんて言うけど、アナタの方が十分「面白い人」です。
その面白い羽鳥先生に輪をかけて面白いのが、先生の奥様、麻里さん。
あれで、OKしちゃうんですね。面白い。
面白い人の周りには、面白い人が集まるのですね。
それで、「面白い人」が一人去って新たにやってきた人は、どうやらあまり面白くはなさそうな人。
オペラ畑の人に、ジャズはどうなのでしょうね。
そして時代はあまり「面白」くはない方向に、どんどん進んでいきます。
六郎くん、無邪気過ぎ。
そして、ツヤさんの病状が心配です。
自伝には、服部先生 ニットーレコードで「さくらおけさ(唄:美ち奴)」でヒットを飛ばし、連日連夜 美ち奴始め浅草の芸者衆と金に飽かせての遊蕩三昧の生活に飽きた頃、なじみの待合の女将の娘として紹介された万里子さんの初々しさに一目ぼれして、帝国ホテルで音楽結婚式を挙げられたと記されている。
世間から落ちこぼれと見下されている者にとっては、一人前と認められたと
単純に喜んでいるけれど、子どもに先立たれることを一番気に掛けている
両親にとっては辛い出来事。「愛国心」一辺倒の現在の政治家には
永遠にわからない心境でしょうが。
辛いときには辛い出来事が次々と重なっていく。不幸の連鎖。耐えるしかないのか。
下宿の朝食。米には不自由してるけど、シャケがあったりして副菜はなかなか充実。下宿人二杯目はそっと出し。新しい演出家、同調圧力の塊。羽鳥氏の予想不幸にも的中。「あんまり目立たないように。」匙加減が難しい。「払うわ。」熱々先生、風呂屋の窮状を察して。メッテル先生国外退去.荒れる羽鳥氏。羽鳥夫妻の馴れ初め。「ナイスコーヒー」。ツヤさん風呂屋の収支分かっているから病院に行かない。とうとう六郎君に赤紙。
羽鳥センセ夫婦の馴れ初め
この年に発表された自身が作られた曲「一杯のコーヒーから」そのままだわ
キミ以上の歌手を育てると日宝社長は言ってましたね
かなり月日が経過して東宝レコードが出来て、その第一段の新人歌手が研ナオコさんだったんだよね
研さんそれなりに売れたけど歌手として本格的に評価あげるのはキャニオンに移籍して中島みゆきさんと組んでからなんだよね
あくまでも個人的にはなんだけど、東宝レコードというのはゴジラのサントラ版を発売しているレコード会社で、日本のピンク・フロイドと言われ業界内でかなり評価高かった四人囃子というバンドを売り出せなかった会社という悪い印象しかない