2023/11/27(月)第9週「カカシみたいなワテ」
あらすじ
昭和15年(1940年)夏。スズ子と梅吉が東京で親子二人暮らしを始めてから1年が経ちました。梅吉はツヤを亡くした悲しみから立ち直ることができず、昼間から酒を飲むだけの日々を過ごしていました。
そのころ、日中戦争が始まってから3年が経過。梅丸楽劇団は、時勢に合わせて劇団の売りであった派手な演出や演奏が行えなくなってしましまいました。さらに劇団は、警察から厳しく指導されることになりました。
そんな中、スズ子は歌い方が軽薄だと警察から指摘を受け、舞台の上に描かれた三尺四方の枠から出ずに歌うことを強要されました。しかしスズ子は三尺四方から飛び出し、その日の公演は中止になってしまいました。
公演が終わり、スズ子は警察署へ連行され厳しい取り調べを受けました。取り調べが終わり廊下に出ると茨田りつ子も連行されてきました。しかし茨田りつ子は警察の取り調べに動じず反抗し続けていました。
第14週
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感想
今週のサブタイトルは「カカシみたいなワテ」。
三尺四方の枠の中で歌うことを強要されたスズ子ちゃんを意味するサブタイトルです。
そんな一週間の最初の回は、ツヤさんの死から立ち直れない梅吉さんの姿に始まり、梅吉さんの姿で終わりました。
壊れてしまった梅吉さん
本作の第1週で、チビ鈴子ちゃんが「お父ちゃんは甘えた」みたいなことを言いましたが、そのセリフがここにきて回収されました。
大阪編では、ほぼほぼダメンズとして描かれてきた梅吉さん。
ツヤさんがいなくなったらこの男は間違いなく壊れてしまいそうなキャラでしたが、ツヤさんが先に亡くなりやっぱり壊れてしまいました。
上京した直後だけは、まだ壊れていなかったらしい。
大阪のころのカッコ悪いお父ちゃんを卒業し、今度こそ脚本を当ててやろうと意気込んでいた梅吉さん。
大阪のころよりももっとカッコ悪くて壊れたお父ちゃんになってしまうことで、カッコ悪いだけだったお父ちゃんは確かに卒業できました。(笑)
以上が今回の冒頭の梅吉さん姿を見たときの感想です。
しかし、今回の最後の梅吉さんの姿を見てしまったら、やっぱり同情せずにはいられない。
大阪では梅吉さんはいつもツヤさんに頼りっきりでした。
身の回りのことはもちろん、おそらく銭湯の経営もツヤさんに頼りっきりだったはず。
深く落ち込んだこんなときこそ梅吉さんはツヤさんの存在が必要です。
でも深く落ち込む理由がツヤさんが亡くなったことの喪失感という皮肉。
頼る者もなく逃げ場も失った梅吉さん、最終的には立ち直るようですが、どうやって立ち直るのかな?
カカシみたいなスズ子ちゃん
戦前の日本はこんなに明るくて豊かだったのか。
前々週まではそう思って見ていました。
とりわけスズ子ちゃんが『ラッパと娘』を初めて披露したステージでは、ブログ主の中の戦前の見方が大きく変わりました。
そんな明るい時代が短期間で暗く重たい時代になってしまいました。
それでも三尺四方から出られないながらも『ラッパと娘』みたいな派手な歌を歌えるだけ今回はまだマシなのかな?
観客も自粛を求めることなく、むしろ派手なステージを期待していたみたいなので。
ここ数年間、民間の自粛ムードが世の中を重く暗くしていました。
この経験を通して、世の中が暗く重たくなるのは民間の自粛の影響がとても大きいことをブログ主は知りました。
スズ子ちゃんがカカシになってしまう当時も同様だったのかな?
茨田りつ子
いよいよ自由が制限される時代になりました。
梅丸楽劇団は、これまでの派手なステージが禁止されスズ子ちゃんもカカシみたいな姿勢で歌うことを強要されてしまいました。
ここまではこれまでの朝ドラでもよく描かれてきたことです。
そんな時代の中で、『まんぷく』の萬平さんみたいに官憲ににらまれながらも反抗する男性キャラはこれまで何度も登場しました。
しかし茨田りつ子みたいに官憲に反抗する朝ドラの女性キャラは、ブログ主の中では初めてかもしれません。
警察から何を言われても自分の信念を貫きとおし決してブレない茨田りつ子の姿が鮮烈でした。
不自由な時代の中の「カカシみたいなスズ子ちゃん」や、困難な状況に直面する劇団が今回のお題のはずでしたが、茨田りつ子にすべて持って行かれてしまいました。
予習レビューと史実のリアルエピソード
今週は、ツヤさんを亡くした梅吉さんが、東京でスズ子ちゃんと二人で暮らし始めてから1年が経ったころの話です。
よって今週の時代背景は昭和15年(1940年)。
その年の3月、内務省が芸能人の外国名とふざけた芸名の禁止を通達。
いわゆる敵性語の追放です。
ちなみに外国名とふざけた芸名の禁止を通達されたのは16名。
たとえば、
藤原鎌足→変更後→藤原鶏太
ディック・ミネ→変更後→三根耕一
園御幸→変更後→園みどり
ミスワカナ→変更後→玉松ワカナ
バッキー白片→変更後→白片力
など。
敵性語の追放は行政の指導によるものと、民間人やマスメディアによる「自粛」によるものがあり芸能界は行政の指導が厳しく入ったのだとか。
そんな中で笠置シヅ子さんは、当局から特に目をつけられる存在になりました。
ドラマの中でスズ子ちゃんは舞台の上に正方形の枠を書かれ、その枠からはみ出さずに歌うように指導される場面が今週登場しますが、それも史実を元にしたエピソード。
史実では、笠置シヅ子さんは「三尺四方はみ出してはいけない」と命じられました。
笠置シヅ子さんへの理不尽とも言える命令の根拠については次回の本欄で記します。
第14週
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ブギウギで、辛島さんにクレームを言うお客様↓
サッカー元日本代表でガンバ大阪所属の宇佐美貴史選手の配偶者の宇佐美蘭さんが出演していましたね。
チェックのアウターがカッコよくて素敵でした。
クールな演技、カッコエエわぁ(舞い上がれ!の舞ちゃんパクってごめんね(;o;)💨)
この時代の風潮をバカにすることは容易いことなんだけど、正義が現代と違うということもあると思うんだ
正義はある日急に逆転する、再来年度の朝ドラ「あんぱん」のモデルであるやなせたかし先生の言葉が一番的を得ていると思うんだ、確かに精神論至上主義に傾倒し過ぎたことは未来人から批判されるべきことなんだけど石油輸入が止められ国滅という未曾有の恐怖に晒されていた時に何かに頼らなければならなかった心中は察せられる
なお、やなせ先生は続けて「変わらないのは愛と献身だ」とおっしゃれています、これは笠置さんやミヤコ蝶々さんの生き様そのものなんですよね
梅吉さんそれ自分の事でしょ。伝蔵さん酔ってないし。
玄関で酔いつぶれる梅吉さん。下宿の旦那が元力士で助かる。検閲かあ三谷幸喜さんの「笑いの大学」を思い出す。敵性語、愛国婦人会、自粛、愚かしい。ここまでして結局、前線では兵士が餓死、本土空襲、原爆投下、官憲の弾圧、同調圧力、我慢するだけ大損だった。
馬鹿らしい時台の馬鹿らしい政策。某作家がパロディー出してるが、
外来語禁止なら中国由来の名称も禁止しないと。
「ラッパと娘」の歌詞の中に「トランペット」という歌詞があるけれど、
これは変更されなかったのかな。
そもそも明治維新で薩長が天下取ってから、まあ薩摩は早々と反旗を翻したが、
長州藩主導の政策がどれだけ馬鹿なことをしてきたか。廃仏毀釈とかで
日本の重要な文化財が海外流出したり、伝統ある地名が無味乾燥の地名に
されたり。
で、戦後も長州藩が偉そうに中心になって散々かき回したりしているし。