ブギウギ

警察に注意受けるスズ子 / ブギウギ 第42回

2023/11/28(火)第9週「カカシみたいなワテ」

あらすじ

三尺四方の中から出ずに歌を歌うようにと警察から厳しく注意を受けたスズ子は、それでは自分の歌が歌えなくなると悩んでいました。一方の茨田りつ子は自分の信念を貫きとおし、警察の指導に従おうとはしませんでした。

そんな茨田りつ子の姿を目にしたスズ子はますます迷い、これからどうしたらいいのかと辛島に相談しました。スズ子が悩みながら家に帰ると、その日も梅吉は泥酔し玄関の前で眠ってしまっていました。

自由が失われた歌のことも、酒浸りの梅吉のことも、スズ子はどうすることもできずにいました。悩みながら舞台に立ったスズ子は、警察の指導の通りに歌を歌いました。しかし、その公演にスズ子は満足できませんでした。

そのスズ子の公演を茨田りつ子も観に来ていました。楽屋にやってきた茨田りつ子はスズ子の公演がつまらないと言い切りました。スズ子と茨田りつ子が言い合いになっているそのとき、小林小夜を名乗る少女がスズ子に弟子入りを申し出るのでした。

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感想

次週のフラグがさりげなくいくつも立った回でした。

「わがまま」という言葉に反応するスズ子ちゃん

前回に引き続き今回も茨田りつ子が登場しました。

しかもこれまでになく出番もセリフも多い。

国防婦人会のおばさま方と対峙し、スズ子ちゃんのステージを観客席から眺め、楽屋にやってきてつまらないと言い切る。

今回、スズ子ちゃんは自分の歌い方についてずっと悩んでいました。

あの羽鳥先生ですら、以前の明るさを失い、無理して明るく振る舞っているのは明らか。

そんな中でブレない茨田りつ子の姿勢が際立ちました。

茨田りつ子が際立つからこそ、余計にスズ子ちゃんの迷いも際立っていました。

話が前後しますが、今回の前半でカラポンが茨田りつ子を「わがまま」とまで言いました。

その「わがまま」という言葉にスズ子ちゃんはするどく反応。

反応した直後にスズ子ちゃんは、自分はわがままなことはしないとカラポンに言うものの、スズ子ちゃんとしてはその言葉に何がしかのヒントを得たはず。

そのヒントが次週描かれる自前の楽団設立につながってゆくのかな。

自前の楽団であれば、ある程度のわがままはきくので。

今回のところは自前の楽団を持つなどと夢に思っていない様子ですが、何かのきっかけがスズ子ちゃんを動かすのでしょう。

六郎くんからの手紙

一週間後の火曜日の放送でも六郎くんについてあることが描かれます。

本欄では伏せておきますが、六郎くんにとっても、スズ子ちゃんや梅吉さんにとっても、とても大きな出来事です。

その大きな出来事を一週間後にひかえ、六郎くんからの手紙を登場させたようです。

六郎くんからの手紙の半分以上を占めているのは亀のこと。

亀は元気にしているのか、亀の面倒をしっかりと見てほしいと、亀のことばかり書いた後にお父ちゃんとネーヤンにオマケのように挨拶する。

いかにも六郎くんらしい手紙でした。

この六郎くんらしい手紙が一週間後に何らかの形で回収されるのかな?

小林小夜

久しぶりに濃い新キャラが登場しました。

しかもこの新キャラは、実在モデルが見当たらないのでドラマの中での今後の役割がまったく見えない謎のキャラです。

謎のキャラではありますが謎めいたところがまったくない謎のキャラですが。(笑)

さて、この謎のキャラ・小夜ちゃん。

騒ぎを起こしながらの登場で、お騒がせキャラとしての初登場場面を飾りました。

このお騒がせキャラは、これから様々な騒ぎを起こすらしい。

それら騒ぎのフラグが初登場場面の騒ぎっぷりなのでしょう。

失意の梅吉さんと意気投合して騒ぎを起こし、スズ子ちゃんの新しい歌手活動にもかかわり、数週間後に描かれるスズ子ちゃんの本格的な恋バナにもからんできます。

しかし、その先でどうなるのかが今はまったく見えません。

本作の年内の放送では、小夜ちゃんは出番がある模様。

しかし翌年の放送で小夜ちゃんの出番があるのかはまだ不明。

出番があったとして何のために登場し続けるのかも不明。

史実をモチーフにしたストーリーの場合、先々の展開はおおよそのところが見えるもの。

本作も年明け早々に描かれることはおおよそ検討がつきます。

しかし小夜ちゃんだけはまったく見えない。

そういう意味で面白いキャラが登場しました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

前回の本欄で、笠置シヅ子さんが「三尺四方はみ出してはいけない」と命じられた件。

その命令の根拠となったのは昭和15年(1940年)2月1日付け、警視庁令第二号「興行取締規則」です。

この規則により、多くの芸能人が活動を制限されましたが、女性で最も厳しい制限を受けたのは笠置シヅ子さんだったと言われています。

笠置シヅ子さんは「三尺四方はみ出してはいけない」という命令以外にも「つけまつ毛を取らなければ歌ってはならない」という命令も受けています。

つけまつ毛の件は今週のドラマの中でも登場します。

ドラマの中でスズ子ちゃんがつけまつ毛を取るように命じられ、いやいやその命令を受け入れるその一方で茨田りつ子は警察に徹底的に反抗。

茨田りつ子の警察に対する反抗はドラマを盛り立てるためのフィクションではなく、史実をベースにしたエピソードです。

茨田りつ子の実在モデル・淡谷のり子さんは次のようなエピソードが記録に残されています。

淡谷のり子さんがド派手な化粧で銀座を歩いていると国防婦人会のおばさまがたから「この非常時に贅沢は敵だ」と文句をつけられる。

ところが淡谷のり子さんは「これ私の戦闘準備なのよ」と反論。

このエピソードはドラマの中でも再現されるようです。

戦時中が描かれる朝ドラでは、主要登場人物が国防婦人会のおばさまがたに目をつけられる場面がよく登場します。

ところが本作では主要登場人物が国防婦人会のおばさまがたに反撃。

これまで国防婦人会のおばさまがたにいじめられた朝ドラの主要登場人物たちのリベンジを、茨田りつ子がしてくれるようです。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

    辛島さんも辛い。いつも板挟み。また玄関で酔いつぶれた梅吉さん。案山子唱法に苦労するスズ子さん。茨田さんは強い。弟子入り志願現る。リアルスズ子さんの最後を看取った人ですね、富田さん大好き。

  2. 名乗る程の者ではないでおま より:

    冨田さん演じる小林小夜さん、今後のキーパーソンのひとりです
    モデルは生駒芙美子さん、笠置さんの付人でマネージャー時には家政婦として生涯仕える女性、過去には藤吉久美子さんや中澤ゆうこさんたちがドラマや舞台で生駒さんを演じられています

  3. 丹善人 より:

    めちゃくちゃ暗くなる今週・次週。そこに明るさを振りまく冨田望生ちゃん登場。
    そういう演出なんだろう。客が逃げないようにの配慮でしょうね。

  4. ふー#さん より:

    父親や夫、息子が戦地で戦っている。もしくは、戦死してしまった。それほど必死で日本を守っているのに、「アンタらは何をやっているんだ」ということ。息子や夫や父親のことを思えば思うほど、銃後の婦人たちの「ボーッと生きているように見える人達」への怒りは激しくなっていきますね。国から言われなくても、愛情が強ければ強いほど、外敵への攻撃性が強くなる。子熊を守る母熊のように警戒心が強く、攻撃性も強くなっていくのでしょう。家族への愛情が強ければ強いほど、戦争に勝つことを求めてしまう。そのような気持ちになってしまう。これが銃後の悲劇であります。単に、「警察が弾圧して庶民は怖い目にあった」ということではないのです。

  5. 名乗る程の者ではない、ハッ! より:

    これこれ
    これこそが淡谷のり子大先生なんよ
    徴兵を拒否してベルト剥奪されたモハメド・アリ、戦争に反対して英国王室に勲章を返したジョン・レノンと共通するものがあるんよ、時代と戦ってんのよ
    淡谷大先生が歌うのはブルースでありシャンソンだけど、生きざまはロックだわ

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