愛子誕生から３ヶ月経過 / ブギウギ 第87回

2024/2/5(月)第19週「東京ブギウギ」

あらすじ

愛子が生まれてから３ヶ月が経ったころ。子育てに追われる日々を過ごすスズ子は、山下から仕事の再開を促されました。しかし、たった一人で子育てをするスズ子は仕事の再開を考えられる状況ではありませんでした。

そんなある日、スズ子のもとに坂口が訪ねてきました。坂口はスズ子に告げました。近々、トミがスズ子と話をするために東京にやって来ると。その数日後、坂口に案内されてトミがスズ子のもとにやって来ました。

スズ子と向き合ったトミは言いました。愛助が死んでから、自分は間違っていたのではないかと考え続けていた。自分は亡き夫と力を合わせて夢を追ってきたが、それこそが良い夫婦だと思っていた。しかし愛助は違う考え方をしていたと。

トミは重ねて言いました。愛子を引き取らせてもらいたいと。しかしトミの申し出をスズ子は断りました。スズ子の決意を知ったトミは、スズ子の決意を受け入れました。一方のスズ子はそろそろ歌を再会しようと思い始めていました。

感想

山下さん

愛子ちゃんが生まれてから３ヶ月ということは、愛助くんの死から３ヶ月ということでもあります。

最愛の人を亡くして３ヶ月。

まだまだ立ち直れるタイミングではありません。

しかし子育ての忙しさが、悲しみに沈んでいるヒマを与えないのでしょうか。

予想していたよりは元気な表情をスズ子ちゃんは見せていました。

予想していたよりは元気でしたが、子育てが忙しすぎて仕事どころではないというのがここ３ヶ月のスズ子ちゃんの状況だったらしい。

そんな中、山下さんがやって来ました。

そろそろ仕事を再開するタイミングではないかということを伝えるために。

愛助くんが亡くなって以降、スズ子ちゃんを励ますために山下さんは度々スズ子ちゃんのもとに足を運んできたものと思われます。

ただし、ここしばらくの山下さんの訪問では仕事の話は一切なし。

仕事の話は一切なしで通い続けてきたことで、山下さんとスズ子ちゃんの距離感に変化が。

仕事を抜きにした訪問を繰り返す中で、お互いに身内のように感じ始めているのかも。

今回冒頭、山下さん「福来さん」と呼ぶことに違和感を感じ始めている旨の発言がありました。

この言葉が、愛助くんが亡くなってから３ヶ月間のスズ子ちゃんと山下さんの関係の変化。

関係が変化するほどに仕事を抜きにした訪問を山下さんが続けていたことがよくわかります。

もとはと言えば、山下さんは愛助くんからの頼みでスズ子ちゃんのマネージャーになりました。

そして山下さんと愛助くんの関係は身内同然でしたが、山下さんとスズ子ちゃんの関係はそうではなかった。

あくまでも仕事の関係でした。

しかし身内のような関係になったことで、これからも山下さんはスズ子ちゃんを支え続けてくれるんだろうなと安心感を得られました。

ちょっとネタバレになりますが、数週間先で山下さんは年齢を理由にマネージャーを引退します。

引退する日までいつまでも安心感のあるキャラとして登場し続けてくれますように。

トミさん

坂口さんの案内でトミさんがやって来ました。

最愛の息子を亡くしてから３ヶ月。

トミさんもまだまだ深い悲しみの中にいるはずです。

にもかかわらずスズ子ちゃんを気遣うあたり、さすが村山興業をここまで率いてきただけのことはあります。

また、息子を亡くしたショックのせいもあったとは思いますが、自分自身のこれまでの考え方を振り返ることができる柔軟性。

ともに夢を追うのが良い夫婦というこれまでの自分の考え方は間違っていたのではないかとトミさんは言いました。

普通の人であれば自分の考え方にこだわり続けるはずです。

そんな柔軟性もまた、トミさんの器の大きさを物語っていました。

トミさんはまた愛子ちゃんを引き取らせてほしいとスズ子ちゃんは拒みました。

スズ子ちゃんが拒むことはトミさんにとっては想定内。

あっさりと引き下がるところにもまたトミさんの器の大きさを感じずにはいられません。

本作の中で、トミさんは最も厄介な人物の一人でした。

おそらく今後、トミさんは回想場面でしか登場しないものと思われます。

最も厄介なラスボスは最後は最も優しいキャラの一人になりました。

予習レビューと史実のリアルエピソード

吉本頴右さんの死後

吉本頴右さんの死、笠置シヅ子さんの出産。

その約３ヶ月後、笠置シヅ子さんは吉本頴右さんの母親である吉本せいさんを訪問しました。

吉本せいさんは笠置シヅ子さんの来訪を、孫に着せる着物を用意して歓迎。

吉本せいさんは、孫を自らお湯にも入れてあげました。

吉本せいさんはまた、子供がいては歌手活動に障りがあるだろうと孫を預かることも笠置シヅ子さんに提案しました。

しかし笠置シヅ子さんはこれを固辞。

また、吉本頴右さんがすでに亡くなっている状態では、子供を吉本家に入籍することも極めて困難なことであることも判明。

子供の吉本家への入籍も断念しました。