2024/2/14(水)第20週「ワテかて必死や」
あらすじ
スズ子は有楽町のガード下のおミネのもとに足を運びました。スズ子はおミネと向き合って誤解を解くことが希望でした。しかしおミネは、立場が違うので理解し合うことはあり得ないと、スズ子に取り合おうとはしませんでした。
おミネや、その場におミネと一緒にいる夜の女たちはスズ子に言いました。自分たちは戦争で家族を亡くし、必死になって生きているのだ。気楽に生きていられる立場のスズ子と自分たちは違うのだと。
おミネに対してスズ子は反論しました。自分も死に物狂いだ。病気で母が死に戦争で弟が死に、最愛の人まで病気で死んだ。しかし、自分は娘を守らなければならないのだと。スズ子の反論を聞いておミネはようやくスズ子を理解しました。
そんなある日、靴磨きの少年・達彦が、他の少年たちにからまれている現場に遭遇。ケガをしている達彦を家まで送り届けると、そこには幼馴染みのタイ子がいました。スズ子はタイ子に声をかけるものの、タイ子はスズ子を追い出してしまいました。
第25週
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感想
おミネと夜の女たち
ラクチョウのおミネを演じる田中麗奈さんのスズ子ちゃんに対する心境の変化が、表情の変化だけで語られました。
忘れがたい名演でした。
スズ子ちゃんの楽屋に乗り込んできたのが前々回。
そのときの怒りの形相はすさまじかった。
前回、夜の女たちに連れられてきたスズ子ちゃんの姿を目にした時のおミネさんの表情は疑いと軽蔑の眼差し。
そして今回は、怒りの形相や疑いと軽蔑の眼差しが、スズ子ちゃんの反論によってみるみる溶けてゆく。
その後、分かり合えたスズ子ちゃんとおミネさんが語り合う場面もありましたが、この語り合う場面がなくても十分なほど、おミネさんの変化は伝わって来ました。
視聴者の心をわしづかみにする新キャラが登場する瞬間でした。
史実では、笠置シヅ子さんと夜の女たちの交流のエピソードが多数あります。
そんなエピソードをドラマの中でもっと再現してほしいものですが、おそらくおミネさんの登場は今週かぎり。
今週は残り2回しかありません。
せっかくの心ゆさぶる登場人物が、あっという間の退場。
かつて田中麗奈さんに夢中になった者としては残念でなりません。
タイ子ちゃん
心をざわつかせる新キャラはあっという間に退場しますが、今回また心をざわつかせる登場人物が出てきました。
タイ子ちゃんです。
月曜日にタイ子ちゃんがその姿を本格的にあらわしたとき、タイ子ちゃんの思わぬ言葉に驚かされました。
「その歌(東京ブギウギ)は嫌い」
タイ子ちゃんは『東京ブギウギ』を歌っている歌手がスズ子ちゃんであることは当然のことながらよくわかっているはずです。
タイ子ちゃんにとってスズ子ちゃんは小学校時代の幼馴染み。
その後も親友のような存在でした。
そんなタイ子ちゃんがスズ子ちゃんの歌を嫌いだと言って聞くことをいやがる。
タイ子ちゃんのスズ子ちゃんに対する屈折した感情が、月曜日の放送で暗示されていました。
今回、月曜日に暗示されたタイ子ちゃんの屈折した感情がついに回収。
タイ子ちゃん、どうやらご主人を戦争か何かで亡くしたらしい。
しかもタイ子ちゃん本人も病気がち。
息子に働いてもらうしか生きるすべはなさそう。
そんな境遇に置かれたら、幼馴染みでありながら自分とはまるで違う境遇にいるスズ子ちゃんに対して屈折した感情を抱くのは無理もありません。
タイ子ちゃんのスズ子ちゃんに対する感情の屈折具合。
おミネさんや夜の女たちのそれよりも根が深いかも。
おミネさんや夜の女たちは一回の話し合いで分かり合えたスズ子ちゃん。
しかしタイ子ちゃんと分かり合えるのはハードルが高そう。
タイ子ちゃんとの関係、どのように回収されてゆくのでしょうか。
本作の撮影が終了
本作の撮影が2月10日に終了。
撮影終了の記念撮影は、セットを背景にして行われることが多いです。
背景のセットや主人公のメイクや服装から、最終週あるいは最終回近くの展開を想像する楽しみがあります。
でも本作の記念撮影の背景はスタジオの白い壁。
そこにはセットは写っていません。
なのでどんな場面が最後の撮影だったのかは見当もつかない。
しかしスズ子ちゃんのメイクがそれほど老け込んだメイクではない。
髪に白いものが混じっているようなこともない。
なので最晩年ではなさそう。
またスズ子ちゃんの衣装はステージ衣装ではなく普段着。
歌手を引退し俳優に転身したころの描写が最後の撮影場面なのかなと予測してみたブログ主でした。
予習レビューと史実のリアルエピソード
東京の夜の女
戦後の混乱が続く昭和22年(1947年)当時、東京だけで夜の女たちは約3万人の夜の女がいたとされています。
東京で夜の女たちが特に多く集まっていたエリアは、
ラクチョウ=有楽町
バシン=新橋
ダカン=神田
ノガミ=上野
など。
当初、彼女たちは一人ひとりが独立して活動していたわけではなく、ヒモとなった地回りのならず者が彼女たちの収入の大部分を搾取していました。
そんな状況下で、夜の女たちの中のリーダー的な存在が、みかじめ料と引き換えに彼女たちの収入を保全するグループを組織。
夜の女たちの組織のリーダーの一人が「ラクチョウのおミネ」の実在モデル「ラク町のお米」でした。
なお、夜の女たちの組織のリーダーは他にも何人も存在しました。
「夜嵐あけみ」「ラクチョウのお時」「ピーナツ」「ぼたんのお君」「江戸川」「やさぐれの松代」「上海お照」などです。
このうち「ラクチョウのお時」はマスメディアの露出も多く、情報も数多く残されています。
「ラクチョウのお時」の情報については次回の本欄でご紹介します。
第25週
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立て膝のパンパンリーダー、思わず太ももに牡丹の彫り物探してしまいますた
まあ、五社監督版「肉体の門」じゃないんでっけどね
祝、無事クランクアップ。お疲れ様でした。「好きでもない男に抱かれ。」それを言われたら。ここはおミネさんに分が。でもスズ子さんも本音で反撃。なんかちょっと分かり合えそう。和解?山下さん子守りご苦労様でした。達彦君ひどい目に。彼の母親はタイ子さん。ここでもう一つの難題発生。おミネさんの次はタイ子さん、彼女とも分かり合えるか?
靴磨きの少年といえば「ガード下の靴磨き」を連想しますね、「なつぞら」で戸田恵子さんが非常にキレイに歌っているシーンがありましたね
オリジナルは宮城まり子さん、笠置シズ子さんが紅白歌合戦にてトリを務めた時には赤組のセミを担われていたみたいですね
というか、個人的には宮城まり子さんモデルの朝ドラってみたいな
売れっ子歌手から吉行淳之介さんとの熱愛を経て福祉学園設立とかなり波乱万丈な人生ですし(声優仕事も多かったですね)、「あんぱん」のモデルやなせたかしさんが作詞なされたことが有名な「ぼくらはみんないきている」を最初にレコーディングしたのも宮城さんだしね
自身が設立なされた吉行淳之介記念館に入る時には何歳になっても「ただいまあ、淳ちゃん」と必ず言っていたかわいらしい方、朝ドラモデルとしては最適かなと