再び次郎と向き合うのぶ / あんぱん 第40回

2024/5/23(金)第8週「めぐりあい、わかれゆく」

あらすじ

昭和14年（1939年）12月。嵩からの手紙が寛のもとに届きました。嵩は手紙の中で、卒業制作を最高傑作に仕上げた後、御免与に帰省するつもりであることを寛に告げました。また嵩は、帰省したらのぶに気持ちを打ち明ける決意も固めていました。

そのころ、のぶのもとにも次郎からの手紙が届いていました。その手紙で次郎はのぶを食事に誘いました。のぶと次郎の結婚に期待している釜次や羽多子らに背中を押されたのぶは、次郎の誘いに応じることにしました。

そして迎えたのぶが次郎と会う日。のぶは次郎に正直な気持ちを打ち明けました。まわりからは愛国の鑑と言われているが、妹にそんなのは嘘っぱちだと言われて以来、子供たちに愛国を説くのがつらい。そんな宙ぶらりんな状態で結婚できないと。

のぶの言葉に応えて次郎が言いました。戦争はいつか終わる。その時を見越して夢を持とう。今は見つからなくても足の速いのぶならすぐに追いつくだろうと。生前の結太郎と同じ言葉に心を動かされたのぶは、次郎からの求婚を受け入れるのでした。

感想

次郎さんからのプロポーズのカット。

嵩くんの告白の決意のカット。

二つのカットの対比でスタートした今回、最後はのぶちゃんが次郎さんからのプロポーズを受け入れて終わりました。

嵩くん

嵩くんが寛先生に手紙を書きました。

卒業制作を最高傑作に仕上げたら御免与に帰省するつもりであることを伝えるために。

最高傑作という言葉に反応する千尋くん。

兄貴にしては強い言葉を使う、みたいなことを千尋くんは言いました。

最高傑作にするという強い覚悟の裏にはのぶちゃんに告白するという決意が秘められているのでしょう。

卒業制作を最高傑作にしてのぶちゃんに告白し新しい人生に踏み出す。

嵩くんの中ではそんな気持ちがあるはずです。

そんな嵩くん、御免与で何が起きているのかまったく知りません。

切なすぎる展開です。

今回の最後、のぶちゃんの結婚の決意に沸く朝田家の人々の中にあってヤムおじさんだけが嵩くんのことを心配していました。

ヤムおじさん、口は悪いけど本当に優しい。

のぶちゃん

「とても大事なことを言い忘れました、こんな私でよかったらふつつか者ですがよろしゅうお願いします」

のぶちゃんが次郎さんのプロポーズを受け入れてしまいました。

やっぱり決め手となったのは次郎さんが結太郎さんとまったく同じことを言ったことにあるのでしょうか。

しかし、それ以外にも次郎さんの言葉の一つひとつが心に沁みたのかも。

教師としても朝田家の長女としても宙ぶらりんのままでは、結婚して次郎さんを幸せにすることなどできないと語るのぶちゃん。

そんなのぶちゃんに対して次郎さんが言いました。

「そんなに重い荷物をいくつも担いでいたら船だったら沈んでしまいます」

こんな場合だと、よくありがちなセリフは「重い荷物を下ろしませんか」で終わり。

ところが次郎さんは「船だったら沈んでしまいます」と付け加えることで、のぶちゃんが無理をし過ぎていることをそっと教える気遣いまで見せる。

続けて次郎さんは言いました。

「その時が来たら思いっきり走れるように。終わらない戦争はない。その時を見越して今のうちから夢を持ちましょう」

愛国を説くのがつらくなっているのぶちゃんには、この言葉も胸に響いたはずです。

そしてトドメが結太郎さんと同じ言葉。

のぶちゃんがプロポーズを受け入れてしまう展開、心から納得できます。

ネタバレあり：寛先生

以下、ネタバレが少しだけ含まれます。

今回、嵩くんからの手紙を読む寛先生の様子に二つ心配な点がありました。

一つ目。

これはブログ主の思い過ごしかも知れませんが、寛先生の目に正気がなかったような気がしました。

いつもと目が違うな、そう感じました。

二つ目。

朝食よりも患者優先。

寛先生は、これから食べ始めようとしていた朝食をやめ、患者さんのところへ急行。

寛先生、かなり忙しいらしい。

忙し過ぎて疲れているのが、目の正気のなさに反映されているのかもしれません。

ちなみに多忙を極める寛先生、次週は悲しい展開を迎えます。

予告映像では伏せられていましたが。

のぶちゃんの結婚が決まり、寛先生までもが・・・

次週以降の嵩くんが心配でなりません。

予習レビューと史実のリアルエピソード

のぶちゃんが次郎さんに求婚される

今週、千尋くんが嵩くんに手紙を送り、のぶちゃんのもとに縁談が次々と舞い込んでいることも知らせます。

手紙の中で千尋くんは次のような言葉で嵩くんの背中を押します。

「兄貴の気持ちを伝えるなら急いだ方がいい」

千尋くんからの手紙でおそらく嵩くんが焦りを感じていたであろうころ、朝田家に次郎さんがやってきます。

お見合いの席では結婚するつもりはないと言っていた次郎さんが、なんとのぶちゃんに結婚を申し込むのです。

お見合いの時点で次郎さんが結婚するつもりはなかったことは確かなようです。

しかし、見合い以来、次郎さんはのぶちゃんのことを忘れられなくなってしまうのだとか。

しかし次郎さんからの求婚に対して、のぶちゃんはまだ決心がつかないと返答。

そんなのぶちゃんに対して、次郎さんは十年でも二十年でも待つと言って朝田家を去って行きます。

次郎さん、本気のようです。

嵩くんの決意

のぶちゃんが次郎さんに求婚されたことなど知る由もない嵩くんはそのころ、卒業制作に取り組んでいます。

そして嵩くんは、心の中で決めていることがあります。

卒業制作を仕上げたら御免与に帰ってのぶちゃんに会いに行き、今度こそ自分の気持ちを伝えるのだと。

それから数ヶ月経った昭和14年（1939年）暮れ、嵩くんが柳井家に手紙を出します。

その手紙で嵩くんは、製薬会社に就職が決まったこと、卒業制作を最高傑作に仕上げたら御免与に帰ることを家族に伝えます。

手紙には書いてませんが、嵩くんはもちろんのぶちゃんに自分の気持ちを伝えるつもりでいるのでしょう。

同じころ、のぶちゃんのもとには次郎さんから手紙が届きます。

のぶちゃんに求婚した後、再び航海に出ていた次郎さん。

そろそろ高知に戻るのでその時に会ってほしいというのが、次郎さんがのぶちゃんに送った手紙の内容です。

次郎さんの頼みにのぶちゃんは応じるのですが、嵩くんはまだのぶちゃんの身辺で起こっている変化を何も知りません。

ところで嵩くんが柳井家に手紙を送ったころ。

寛先生はは多忙を極め、千代子さんを心配させるほどに。

この、千代子さんが案ずる寛先生の多忙な状態は今後の展開のフラグです。

何のフラグなのかはここでは伏せておきます。

のぶちゃんが次郎さんに会う

次郎さんからの手紙での求めに応じて、次郎さんと会うのぶちゃん。

その席で、次郎さんは改めて結婚を申し出ます。

そして答えにつまるのぶちゃんに対して、次郎さんが迫ります。

のぶちゃんとの会話の末に次郎さんがのぶちゃんに言います。

戦争はいつか終わる。

戦争が終わった後のために今から夢を見つけておこう。

まだ夢が見つからなくても、足の速いのぶちゃんならすぐに追いつくだろうと。

かつて結太郎さんが幼いのぶちゃんに言ったのと全く同じ言葉に、のぶちゃんの心は揺れ動きます。

そして・・・

のぶちゃんは結婚を決意します。

朝田家の人々はのぶちゃんの決意に大喜び。

しかし、ヤムおじさんだけが嵩くんのことが心配です。

ヤムおじさん、嵩くんがまたしても線路で寝てしまうことになるとでも思うのでしょうか。