2025/10/14(火)第3週「ヨーコソ、マツノケヘ。」
あらすじ
トキが働いていてる機織り工場が、景気悪化のあおりを受けて資金難に陥りました。社長の傳は経営に必要な金策に奔走することになり、傳に代わって雨清水家の三男・三之丞が社長代理を任されることになりました。
しかし、それまで傳と満足に会話すらしたことがない三之丞は、傳の代理として何をしたらいいのかが分かりませんでした。平井が他の工場のように一日一反の製造を提案しても、三之丞はそれが何を意味するか分からず、平井に任せきりにしました。
同じころ、松野家では勘右衛門が銀二郎に剣の稽古をつけていました。松野家の当主としてふさわしい格の高い武士としての振る舞いを出来るようになれと、勘右衛門は厳しい言葉で銀二郎を鍛え上げようとしました。
一方、雨清水家では女中を雇えなくなるような状態になっていました。機織り工場の経営に必要な資金も調達できない中、傳が病に倒れてしまいました。しかし、それまで襖ひとつ自分で開けたことがないお姫様育ちのタエには傳の看病はつとまりませんでした。
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感想
今回は最初から最後まで不穏な空気が流れる回でした。
傳さんと三之丞くん
前週、繰り返し描かれた傳さんと三之丞くんの微妙な関係が回収されました。
機織り工場だけでなく雨清水家本体が女中を雇うお金すらなくなり危機的な状態らしい。
傳さん、資金繰りに奔走。
「格下」の家に足を運んで頭を下げたにもかかわらず、金を貸してもらえなかった傳さん。
頭を下げられた相手、格上の雨清水家に金を貸すなんてとんでもないみたいな答え方をしていました。
うまい言い方をするものです。
本音は別のところにあることは間違いありません。
今の雨清水家に金を貸しても返ってくる当てはない。
それぐらいに考えていたのでしょう。
傳さんが金を貸してほしいと頭を下げる場面は上記のひとつのみ。
他の家でもあんな断られ方をしているのでしょう。
しかし、断られ続けても金策に走り回ることをやめるわけにはいかない。
今は工場よりも資金です。
焦る傳さんは三之丞くんに社長代理を任せました。
工場の事情など知らない三之丞くんにそんなこと出来るわけがないという判断すらつかなくなっているらしい。
傳さん、かなり追い詰められています。
しかし、三之丞くんはそれ以上に追い詰められているのかも。
工場には入り浸ってはいたけれど、工場がどのように成り立ってきたのか全く知らないはずの三之丞くん。
平井さんから一日一反の製造を提案されても、それが何を意味するのか分からないらしい。
それまで雨清水家の中に自分の居場所を見出すことが出来なかった三之丞くん。
社長代理となった今、自分の居場所をそこに見出すことはできたのか?
おそらく、これまで以上に自分の居場所がわからなくなっているかもです。
社長代理というポジションを得ても、そのポジションで何をしたらいいのか分からない。
そもそも、そのポジションの意味すら分かっていなさそうなので。
三之丞くん気の毒過ぎます。
傳さん倒れる
今回の冒頭、胃が痛むのか苦痛に顔をゆがめる傳さん。
ついに傳さんの病気のフラグが立ったなと思っていたら、今回のうちにそのフラグが回収されました。
傳さん、倒れてしまいました。
資金が調達できない焦り。
工場が立ち行かなくなる焦り。
女中に暇を出さざるを得なくなった焦り。
焦りに焦りが重なって、傳さんついに病気に。
ところが・・・
女中がいなくなり何も出来なくなるタエさん。
三之丞くん情報によれば、襖を一人で開けるのが初めてなのだとか。
そんな人に粥など作れるわけがない。
水を多く使う粥を作りながら、煙が立つほど焦がしてしまう。
一体、どんな作り方をしたのか?
資金難。
氏松くんの出奔。
女中の解雇。
その上、傳さんまで倒れてしまい雨清水家がいよいよピンチです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
トキちゃんの新婚生活
前週のサブタイトルは「ムコ、モラウ、ムズカシ。」。
婿をもらうまでに受難続きだったトキちゃんの姿が描かれましたが、受難の末にトキちゃんは結婚することができました。
そして今週。
今週のサブタイトルは「ヨーコソ、マツノケヘ。」です。
サブタイトルにある「ヨーコソ=ようこそ」と松野家に歓迎されるのは婿の銀二郎くん。
今週、トキちゃんと、松野家に婿入りした銀二郎くんの新婚生活が描かれます。
ところでトキちゃんは縁談がまとまった直後に戸惑いを感じるようになりました。
結婚が現実味を帯びる中でビビってしまったのでしょう。
そんなトキちゃんの迷いを消したのは、トキちゃんと銀二郎くんの二人の間には共有できる趣味があるという事実でした。
トキちゃんは怪談が好き。
そして銀二郎くんもまさかの怪談好き。
本作の第一回の冒頭は、トキちゃんとトキちゃんの将来のご主人であるヘブンさんの怪談語り場面から始まりました。
夜な夜な怪談を楽しむ二人。
そんな将来へのフラグのようなトキちゃんと銀二郎くんの姿が今週描かれます。
ところで銀二郎くんは隣藩の鳥取藩の出身です。
なので、トキちゃんが知らない怪談も銀二郎くんが知っていることも考えられます。
未知の怪談を楽しめるトキちゃん、いい人と巡り会うことができました。
トキちゃんが結婚した理由
そもそもトキちゃんが結婚した理由は何だったのか?
松野家が抱えた借金があまりにも莫大過ぎて、トキちゃんとフミさんのお給金だけでは返しきれない。
日々の暮らしもままならない。
それならば松野家に婿をとって働き手を増やしてしまえ。
そして、婿取りの最も手軽な方法はトキちゃんが結婚すること。
これがトキちゃんが結婚という選択肢を選んだ理由でした。
こうして銀二郎くんは松野家に婿として向かい入れられました。
今週のサブタイトルは「ヨーコソ、マツノケヘ。」ですが、このサブタイトルには働き手を歓迎する意味合いもあるのでしょう。
さて、トキちゃんが結婚した理由を知った上で銀二郎くんが松野家に婿入りすることを決めたのかどうか定かではありません。
トキちゃんが結婚という道を選んだことを知らなければ、銀二郎くんは松野家が抱えている借金を知らないはずです。
しかし今週、結婚して早々に銀二郎くんは松野家の借金という現実を知ってしまうようです。
松野家の借金
銀二郎くんが松野家が借金を抱えている事実を知ってしまうきっかけは借金取りです。
ある日、借金取りの森山という人物が松野家にやってきます。
そして、司之介さんと森山さんの会話を聞いてしまった銀二郎くんは、松野家が借金を抱えていることを知ってしまうようです。
しかも借金は多額です。
そんな現実を知ってしまった銀二郎くんは一体どんな反応を示すのか?
肯定的な反応は考えにくい。
第3週にしてヒロインの結婚の危機です。
「何も起こらない」朝ドラのはずですが、前週に引き続き今週もジェットコースターのように飛ばしまくります。
そして、銀二郎くんが松野家が借金を抱えていることを知ってしまうのと同時に、もう一つの隠された真実を知ってしまうようです。
それはトキちゃんの出生の秘密です。
こちらは銀二郎くんが知ったところで、銀二郎くん本人にはそれほど大きな影響はないかと。
心配なのはトキちゃんの気持ちです。
トキちゃんの出生の秘密については次回の本欄に記します。
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傳さん金策へ、長男出奔の影響は大。三之丞さんはおよそ当てになりそうもなく。祖父さん未だに攘夷。
孫婿をしごく。銀二郎さん、いろいろ嫌気が?救いはトキさんの笑顔の訳もなく、「格が」自分から卑下する銀二郎さん。雨清水家。女中さん全員解雇。おまけに傳さん倒れて、雨清水家いよいよ危機。奥様、お嬢様育ちで、結婚後もすべて家事はすべで女中さん任せ、これでは看病もできる筈もなく。三之丞さん、思わぬ重荷にたじろぎ、苛立つ。