2021年7月8日(木)第8週「それでも海は」
あらすじ
行方不明になった新次はすぐに見つかりました。震災前に家族と暮らしていた家の跡地で泥酔した姿で発見された新次は、永浦家に連れてこられました。そして、耕治と龍己は、新次の気持ちを問いただしました。
新次は重たい口を開いて語り始めました。新次は、それまで口に出さなかった、息子の亮への思いを打ち明けました。漁師として成長した亮がメカジキを大量にあげたことを新次は心から嬉しく思っていました。
しかし、息子の成長を一緒に喜んでくれる相手がいないことを新次は嘆いていました。そのため新次は再び酒に逃げてしまったのです。新次は自分の気持ちを打ち明け、迷惑をかけたことを耕治と龍己に詫びました。
その日の夜、新次は永浦家に泊まることになりました。新次が寝静まったあと、耕治は亜哉子に言いました。亜哉子が説得してくれたから新次は病院に行く気になった。それでも新次は過ちを繰り返すだろうが、前に向かってくれればそれでいいと。
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予習レビュー
前々回、前回は2010年から2011年にかけての回想場面が描かれましたが、今回から2016年に戻ってきます。
モネちゃんが実家に帰省しているとき、正月早々新次さんが行方不明になりました。
しかし新次さんはすぐに見つかるようです。
新次さんがいたのは、かつて新次さんと美波さん、そして亮くんが幸せに暮らしていた家があった場所。
いつだったか、仮設住宅前で泥酔する新次さんの姿が描かれましたが、新次さんは漁船だけでなく家まで失ってしまったようです。
かつて、家族で幸せに暮らしていた家が建っていた跡地で酔いつぶれていた新次さん。
一体、何を思っていたのでしょうか。
そして今回は、新次さんと亮くんが思いをぶつけ合う場面が描かれます。
父と息子がどのような会話を交わすのかは今のところ不明です。
しかし、今回の騒動が新次さんの心の再生の第一歩になることを願ってやみません。
感想
浅野忠信さんの名演のインパクトが強すぎて、ブログ主には他の印象がすべて消え去ってしまった回でした。
新次さんの孤独がこれほど深いとは・・・
浅野忠信さん演じる新次さんが、津波で流された自宅跡で泥酔した姿で見つかることは事前にわかっていました。
自宅跡で見つかった新次さんが、亮くんの漁師としての成長を喜ぶことも事前にわかっていました。
なので自宅跡にいる新次さんが、美波さんが遺した留守電のメッセージに聞き入る姿に、最初のうちはとっても違和感がありました。
息子の成長を喜んでいるはずなのに、そこには一切触れずに美波さんの声に聞き入る新次さんの姿を見ながら思ったものです。
亮くんはどこに行ったの?と。
しかし、息子の成長が新次さんの孤独を掻き立ててしまったのですね。
息子の成長を一緒に喜べる相手がいないという孤独。
息子が成長する姿を見て、改めて思い出してしまった自分の孤独。
自分の孤独がどれほど深いかを改めて思い知らされた新次さんの慟哭は、胸をえぐられるようでした。
新次さんの孤独がこれほど深いとは想像もしていませんでした。
新次さんの心の再生のストーリー
今週のどこかのタイミングで、新次さんが立ち直るきっかけをつかむことをブログ主は期待していました。
新次さんはまだまだ立ち直れそうもありませんね。
しかし最終回を迎えるまでには、立ち直った新次さんの姿を見たいものです。
ブログ主の中では本作『おかえりモネ』は、新次さんの心の再生のストーリーになりつつあります。
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美波さんと船と大切なものを両方無くしてしまったと昨日は書き込みましたが、団欒の我が家まで流されてしまってたんですね。
ただ家屋がなくなるっていうだけでなく、家族の息遣いや生活の営み全てがなくなってしまった孤独…。
りょーちんの成長を、誰よりも美波さんと喜びたかったですね。
震災さえなければ、りょーちんと2人で船に乗って漁をして、美波さんの笑顔に迎えられていたのに。
ホントに不幸が全部のしかかった新次さん、辛すぎます。でも、それを自分だけで抱え込もうとするりょーちんの為にも、どうか少しずつでも前を向いて行ってほしいです。
りょーちんは、前は金髪でしたよね。
今の、黒髪の方が、遥かに良いでふ。
ヾ(・◇・)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ(・∀・)ノ
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
PS/浅野忠信さんの「俺は立ち直らねえぞ!」
うんうん、それも、生き方。
なんか本作って、ところどころ「エール」とかのアンチテーゼみたいなのがチョコチョコ表れてるような・・・だからなんだって話ですけど。
親父の気持ち、一番わかるのは息子だけ。早く成人して一緒に「男の話」で
夜を明かしてください。
絆が強すぎる幼なじみ3人組。亜哉子さんはちょっと疎外感。でも、一人
よそ者だからこそ、一歩引いた立場で接することができる。
賢かったお母さんが新次さんを支えてくれていた立場を、みーちゃんが
りょーちんを支える立場になる前振りなんでしょうね。
嬉しいことがあっても、それを共に喜べる人がいないことが悲しい。切ない真実に朝から涙腺崩壊です。
友人や恋人の存在は、悲しみは半分に、喜びは倍にしてくれるとよく言われますが、存在しないと悲しみが倍になってしまうのだなと改めて気づかされました。
でも、新次さんはまだ悲しみに沈んでいたいようにも見えます。悲しいと感じることで美波さんの存在を確かめてる、立ち直って悲しみが癒やされると、美波さんの存在が風化されてしまうと恐れてるのでしょう。
新次さんにはまだ時間が必要そうです。
みーちゃんが大学に進学しないのは、
そうか~
りょーちんを好きな気持ちもあるかなのか~
ヾ(・◇・)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ(・∀・)ノ
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
子供の成長、父親の停滞、妻の余りに大きな不在。耕治さん。娘しかいないので、息子の気持ちわからないか、わかっているだけに辛い新次さん。家族全員にのしかかる重い課題。
新次さんの心の闇は近年での歴代朝ドラの中でも一番深いものです。恐らく、物語最終盤まで続いていく可能性大でしょう。
家や船は復興できても、愛する人は帰ってこない。
メカジキ50本釣り上げても誰も話せる人がいない。
これはあまりにも重たいものです…。
どんな人間だって「立ち直らない宣言」してもおかしくありません。
とはいえ他人に向けて本音をぶちまけられたり、夫婦で及川家の今と向き合う覚悟を固めたのは大きな前進です。
今の及川父子に出来ることは2人の感情に寄り添うこと。新次さんやりょーちんに全てを背負わせず痛みをシェアすることですね。
新次「メカジキ50本上がったって・・・・・・・・。」
喜びを分かち合う相手のいない寂しさ、悲しさってやつですね。