カムカムエヴリバディ

ひなたがやり残した宿題 / カムカムエヴリバディ 第64回

2022年2月1日(火)第14週「1965−1976」

あらすじ

夏休みの終わり頃。夏休みの間、遊んでばかりいたひなたは、手付かずのままの大量の宿題を前にして困り果てていました。しかも、夏休みの間にただ一つだけ続けていた毎朝のラジオ体操も、最終日は宿題に追われて参加できませんでした。

ひなたを見るにみかねた錠一郎がひなたの宿題を手伝おうとするものの、錠一郎は算数の問題を解くことができません。錠一郎に文句を言うひなたをるいは厳しく叱りつけました。宿題せずに学校で先生に絞られろと。

そんなある日、クラスメイトの小夜子がひなたを訪ねてきました。夕立の中、ひなたに借りた傘を返しに来たのです。ひなたの部屋に招き入れられた小夜子は、ひなたの宿題を手伝うことを申し出ました。

そんな中、一恵もやって来ました。そして小夜子と一恵がひなたの宿題を手伝ってくれました。その姿を見た錠一郎は、ひなたが友達に恵まれていることを心から喜びました。ほどなくして、ひなたの夏休みは終わるのでした。

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予習レビュー

三代目ヒロイン・ひなたちゃんは、安子ちゃんやるいちゃんと比べて、かなり残念な女の子のようです。

今週のひなたちゃんは小学四年生。

夏休みの宿題を、夏休みの終わり頃までまったくやらなかったようです。

さらに・・・

ひなたちゃんは、毎朝のラジオ体操だけはがんばって続けていました。

しかし、それさえも宿題に追われたことで最後の最後になって参加できず、何ひとつやり遂げたことがないまま、小学四年生の夏休みが終わりを迎える。

ひなたちゃんの残念な将来を暗示しているかのようなエピソードが描かれます。

しかし、その一方で、将来のひなたちゃんの人生がとても豊かなものになるかもしれない、そんな希望を暗示するようなエピソードも描かれます。

前回、夕立にあったひなたちゃんは、クラスメイトの小夜子ちゃんに傘を貸してあげる場面が描かれています。

自分がずぶ濡れになっているにもかかわらずです。

今回、その恩返しをするために小夜子ちゃんがひなたちゃんの宿題を手伝ってくれます。

何かと残念なひなたちゃんですが、自分のことをかえりみず、他者を大切にするその姿勢がひなたちゃんの人生を切り開いてゆくのかもしれません。

ひなたちゃんというキャラから目が離せなくなってきました。

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感想

ジョーとひなたちゃんにとっての時代劇

ひなたちゃんが時代劇好きになった理由が語られました。

事前のアナウンスでは、ひなたちゃんが時代劇をこよなく愛するようになるのは、時代劇が大好きな父親の影響ということでした。

父親の影響であることは間違いありませんでしたが、時代劇が大好きな父親の影響ではなく、時代劇に勇気をもらった父親の影響というのが正しいようです。

思えばジョーがモモケンの大ファンになったきっかけは、トランペットのコンテストの出場直前に自信を失ったことにあります。

自信を失ったジョーは気晴らしに映画鑑賞。

日本映画史上まれに見る駄作にるいちゃんは唖然としていましたが、ジョーは夢中になった挙句に勇気までもらいました。

ジョーにとって時代劇は勇気をくれる存在です。

だから、幼稚園から帰ってきて落ち込んでいるひなたちゃんを膝の上に乗せて時代劇を見せたのは、ひなたちゃんに勇気をチャージしてあげる。

そんな気持ちだったのかもしれません。

性格は明らかに父親似のひなたちゃんは、ジョーの狙い通りに時代劇から勇気をもらいました。

そして、そのことが今回、ひなたちゃんの口から語られました。

ひなたちゃんに勇気をくれた時代劇が、未来のひなたちゃんとどのように関わってくるのか。

あんこ、英語、ジャズに次ぐ時代劇というアイテムが、俄然気になってきたブログ主です。

安定のポンコツ

ジョーが相変わらず安定のポンコツです。(笑)

小学四年生の算数の問題が解けないくらいにポンコツ・・・

しかし、ポンコツだからこそ、余計なことは一切考えずに人が幸せになるとはどう言うことなのか、その一点に集中できたのかもしれません。

戦争で家族を亡くしたことはジョーにとってこの上ない悲劇でしたが、定一さんに拾われてからのジョーは、人に恵まれ続ける人生を歩んできたはずです。

定一さんに息子のように愛され、

定一さんの元に集まるミュージシャンたちにも可愛がられ、

ジャズ喫茶の先代のマスターと出会い、

今のマスターの木暮さんにも仕事と住まいを与えられ、

トミーやベリーと出会い、

そして、るいちゃんと出会うことができました。

自分のポンコツぶりに無自覚なくらいにポンコツなので、自分がポンコツであることは一切苦にならない。

そんなことより出会いの幸福だけを感じられる性格。

そんな幸せなジョーの性格を、ひなたちゃんは受け継いでいるのかもしれません。

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POSTED COMMENT

  1. ぱぽりん より:

    るいのファッションが、当時を感じさせます。
    流行りを着てみたいけれど、とはいえ
    「やっぱりおとなしく収まっちゃった」感が何とも言えない。

    昭和50年頃はサイケデリックブームも沈静化して数年、あちらこちらにその余韻が残り且つ影響が広がったところだったでしょうか。
    錠一郎もアートの世界に踏み込んでいたら足跡を残せたかもしれませんね。
    サイケではないけれど、サイケのおかげで理解され始めた表現の領域にあったのではないかと思われる絵のセンス、めちゃくちゃ良いじゃないですか。
    「ジョーイチロー の 絵日記」
    みたいな本を出したら、長新太さんの絵本と張り合ったかもしれません。

    ちなみに、1968年に創刊されたビッグコミック。
    兄が買ったのをガキンチョの自分が見て感動したことが3点。
    1 伊坂芳太郎氏の表紙
    2 秋吉久美子さんのヌード写真
    3 能登で数十年ぶり(?)に誕生した新人海女

    創刊号からの表紙、3点ほどを今も手元に残しています。
    お宝???
    伊坂さんのイラスト、色を塗るのではなく「印刷の色指定」というところはサイケデリックアートがあったからこそ、という捉え方をしてもよいのかな??

    秋吉さんのヌードは、これは少年の脳裏にこびりついてもしょうがないでしょ、許して。

    新人海女さんのことは、「あまちゃん」の時に思い出した。
    ただし、ウェットスーツではなく、白い綿の、浴衣のような感じの衣装。
    よくあれで泳げたものだと改めて感心。
    (本来のものは、今では公開するのがはばかれるものであったようですが、実際の作業を考えると、そうだよね)

    で、さらに思い出した。
    今さらですが、「おかえりモネ」で朝岡が見ていた石ノ森氏の描いた漫画の雨の場面。
    あれはビッグコミックで連載していた「佐武と市捕物帳」の一場面と思われます。
    多分、市が相手を切り倒した場面をロングで描写したシーン。
    生臭いはずのものを、ただただ綺麗な風景の印象だけが残るものに転化した・・・・
    こういう表現、たまりません。

  2. 肉じゃが食べる人 より:

    始業式を数日後に控えての宿題帳「夏休みの友」…ドリルは終わったけど…
    絵日記(ここ2週間分の天気はどうだった〜?)
    読書感想文(とにかく短いの読もう)
    習字(あーっっ!清書の分、練習のと一緒にくしゃくしゃにしてしまった!)
    工作(おかあさ〜ん、涙)
    ああ、もう半世紀前のことか…懐かしい夏休み終盤あるある…
    先延ばしする癖は相変わらずだけど、おかげで瞬発力は身に付いた。
    ひなたちゃん、るいちゃん、それでも生きていけるよ。

  3. 秋桜おばさん より:

    夏休みの宿題、周りの大人の方が大変でしたよね(笑)
    宿題なんて、内容よりとりあえずやってればいいので(笑)(笑)友だちの助けは有難いですね。
    勉強ばかり出来る子より、友だちがたくさんいて心が豊かな方が財産になります。
    父親が身をもって体験して来たことだから。
    でも、ジョーさん、10年間何もして来なかったって…。るいちゃんの辛抱強さには脱帽です。

  4. たいとうみほ より:

    社会大多数の認識で「史上最大の駄作」でも、大月家にはかけがえのない存在価値がある。ジョーもまた、一般常識でどうかと思われる生活ぶりであっても、るいとひなたにはなくてはならない家族。幸せとは、存在価値とは、社会の最大公約数がすべてではない。受け入れる個人の主観が大事なのだ、というのがわかります。戦前の千吉さんが安子るい母子に求めた家父長制的幸福も、るいの「私の幸せを勝手に決めんといて」も含めて。

  5. あさのあさみ より:

    やはり、ジョーさん、ヒモ化してた(笑)
    商売面だけでなく、育児面でも役に立たない(泣)
    戦争で小学校もロクロク行けませんでしたからね。
    しかし、借金や暴力や浮気がないから良いですけど、朝ドラ史上稀に見る経済力のない夫であり父ではないでしょうか

    でも、愛のある家族3人の幸せな日常、安子ちゃんが欲しくて、叶えられなかったものです。
    子供時代は家族に囲まれ幸せだったけど、結婚後は苦労した安子ちゃん。
    子供時代は孤独だったけど、結婚して幸せな家庭を持てたるいちゃん。
    3代目ヒロインは両方手に入れるんでしょうか?手に入れて欲しいです。

  6. 還暦のたつお より:

     お父ちゃん、初期のフォークシンガーみたい。そっち方向へ行くのかな?なかなか良い詩も書きそうだし、作曲もできそうだし。

  7. 還暦のたつお より:

    よほどの優等生でなければ誰もが経験したであろう夏休み最終日の地獄。わかっちゃいるけど先送り。後で泣きを見る。武士の情け?片手で生卵割は意外と難しい。絵日記、お父ちゃんが書くと絵がピカソ。お父ちゃんろくに学校行けてないはずだから算数もキツイ。お父ちゃん性格は人一倍いいのに。諸々残念。よほどの優等生藤井さんの助け船。侍の生き方って意地張ってる場合じゃないでしょ。お父ちゃん、スナフキンみたいになってる。この人取り合えず自分の生活能力が10歳程度だとは理解している。でも言ってる事は案外哲学的。

  8. オペラ座の怪人 より:

    女の子3人の友情はいいけど、
    宿題を他人にやってもらって、
    宿題を自分でやりました、って嘘を言うのは、
    どうなんでしょうね?

    まあ、私は、宿題というもの、
    宿題そのものに疑問を持っているけど。

    ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ

    (-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ

    おしまい

  9. H.Sakigake4th より:

    人に恵まれること。それが一番の宿題。
    るいもジョーも人に恵まれてここまでやってきた。これまでにこれでもかと描かれてきています。

    雉真家のステータスはあるが、人に恵まれなかった安子編。
    雉真家のステータスはないが、人に恵まれたるい編。
    この対比を一言で言い表わす藤本先生。流石です。

    ひなたの愛され力は弱いものを助ける「サムライ」の生き方。人に恵まれる源を見ました。

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