らんまん

演奏会に誘われる万太郎 / らんまん 第42回

2023/5/30(火)第9週「ヒルムシロ」

あらすじ

実家が酒問屋を営んでいる藤村が、酒蔵への課税が重くなっている事実を万太郎に告げました。万太郎は動揺するものの、峰屋がつぶれるようなことはないと信じていました。竹雄もまた峰屋の経営は盤石だと万太郎や藤丸に言いました。

酒造りに対する課税が年々重くなる中、峰屋も役人から厳しい指導を受けるようになっていました。それまで販売した酒に対して課税されていたのが、製造した酒に対して課税されるようになっていたのです。

そのころ、タキは身体が弱りはじめていました。しかしタキは、峰屋の状況やタキの身体のことについて万太郎に決して知らせぬよう、綾に固く口止めをしていました。綾はタキの言いつけを守るものの、タキのことが心配でした。

一方、万太郎は田邊から植物学雑誌創刊の許可を得ることができずにいました。そして田邊にそのことを相談する機会をうかがっていたある日、万太郎は田邊から西洋音楽の演奏会に誘われました。

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感想

タキさんの衰弱

久しぶりに峰屋がドラマの中に登場しましたが、峰屋の描写はいつ見ても心に沁みます。

タキさんは日に日に衰弱しているらしい。

そのことはタキさんが一番よくわかっているはずですが、万太郎くんを心配させたくない一心から衰弱を誰にも悟られまいとする姿が涙を誘います。

一方で綾ちゃんは気がついています。

タキさんが身体の衰弱をどれほど隠そうとしようが、タキさんの衰弱は日に日に進んでいることを。

綾ちゃんとしてはそのことを万太郎くんに知らせたいはずです。

万太郎くんにタキさんの衰弱を手紙で知らせれば、万太郎くんは一目散に土佐に戻ってくることは明らか。

そうすれば、タキさんが元気なうちに、タキさんと万太郎くんを会わせることができる。

しかし、それをタキさんは望んではいない。

綾ちゃん苦しいところです。

綾ちゃんのもう一つの苦悩

タキさんの衰弱に加えて、年々取り立てが厳しくなる酒税。

販売に対する課税ではなく、製造に対する課税というのはあまりにも厳しすぎる。

製造しても必ずしも売れるとは限りません。

今も昔も役人という人種はお金を生み出す能力は大いに欠けていますが、お金をむしり取ることにかけては人一倍長けているようです。

目先の税収のために課税して酒蔵をつぶしかねない取り立てをする。

酒蔵がつぶれてしまえば課税対象がなくなる。

そんな長期的な視野にも立てず、目先の税収=役人個人の徴税の手柄だけの追求をする思考も昔も今も変わらないようです。

それはともかく、綾ちゃんの苦悩はどれほどのものか。

経営が厳しくなる中、最大の相談相手のタキさんは衰弱し、そのこと自体も心配の種。

分家衆が力になってくれるとは思えない。

番頭の市蔵さんは綾ちゃんを支えようと懸命ですが、少し天然が入っている市蔵さんはどこか頼りない。

こんなときに竹雄くんが綾ちゃんの近くにいてくれたら、どれだけ心強いかと思います。

田邊教授

田邊教授が万太郎くんを音楽会に誘う件。

田邊教授が音楽会に誘う相手が、藤原くんでもなく波多野くんでもなく、徳永助教授でもなく大窪講師でもない。

大学の関係者ではない万太郎くんを誘った理由が明らかに。

最近、シェイクスピアのことを知った万太郎くんが、西洋の文学への興味がきっかけとなって西洋の音楽にも関心が向いたことに田邊教授はどうやら反応した模様。

西洋の植物画に陰影がついているところに万太郎くんが興味を示したことにも、田邊教授は反応。

何かと面倒くさそうな田邊教授ですが、人の才能を見抜く能力は確かなのかも。

田邊教授がますます気になるキャラになりました。

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予習レビュー

酒税が峰屋の経営を圧迫している状況をタキさんは綾ちゃんに固く口止め。

しかし酒税に関しては、あるセリフを通して万太郎くんの知るところとなります。

あるセリフとは、万太郎くんの実家が酒造りをしていると知ったことに反応して藤丸くんが口にするセリフです。

東京大学の学生の一人である藤丸くんのご実家は酒問屋という設定です。

そして、万太郎くんの実家のことを初めて聞いた藤丸くんが、酒税が年々上がる中で自分の実家の経営が圧迫されている話をするのです。

酒税などという地味な話がどうして登場するのだろうか?

そんな疑問を持ったブログ主はさっそく日本の酒税について調べてみたところ面白いことを発見しました。

ネットで公開されている国税庁の最新のデータ(令和4年)によれば、国税の税収のランキングで酒税は第6位。

消費税、所得税、法人税、相続税、揮発油税、そして酒税という順番です。

ちなみに第1位の消費税は186,670億円。

それに対して第6位の酒税は11,760億円。

第1位の消費税と比較した場合、第6位の酒税は消費税の6.3%しかありません。

ところが・・・

明治30年代、日露戦争の戦費調達などで国税の税収第1位に。

ランキング第1位の座は昭和10年代まで続いたのだとか。

税金の稼ぎどころとして酒類業者は目をつけられていたそうです。

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POSTED COMMENT

  1. 名乗る程の者ではございません より:

    朝ドラが中心人物や背景設定を変えることなんざよくある話なんだけどね😞

    例えば、次の「ブギウギ」では「笑てんか」のヒロインとは違う側面でモデルの方が描かれるだろうしね

  2. ばなななち より:

    田邊教授と話す機会をキャッチできました!研究室室に来てからの成長を感じるいいシーンでしたね

    トキさん、心配を掛けないように振る舞わせるのかっこいいけど、悲しくもあります…
    孫視点ですが、つらければつらいと、一言でも言って欲しいです…
    本当の気持ちは外からわからないのです…

  3. 還暦のたつお より:

    田邊教授、人の悪さがじわじわ出てくるなあ。つい最近までたくさんいたパワハラ教授。要潤さん、必ずしも名優ではないんだけど、どんな役柄も自然にきっちりこなす所はなかなかの腕。

  4. 名乗る程の者ではございません より:

    免税店でいつも思う
    お酒とタバコは税金が高すぎ

    あさイチより
    大吉さん「明日が誕生日の日高さ~ん」
    ググってみたら日高さん明日で61歳なんだ
    そうか、タッチの南ちゃんオーバー還暦か

  5. 還暦のたつお より:

    竹雄さん、ああ言ってたけど峰屋大変なのを隠しているな。案の定。歳入、歳出の関する政府の愚かさ加減は今も変わらん。ここ数年、一流大学生のキャリア官僚志望が大幅に減っているらしい、さもありなん。相変わらず田邊教授機嫌悪し。何とか万太郎さん、西洋音楽でとっかかりを掴む。タキさん衰える。峰屋さんの内憂外患、正直に万太郎さんに伝えるべきでは。万太郎さん正論だが。

  6. 丹善人 より:

    実家がつぶれたのは、主人公がいっぱい金をつぎこんだからだけじゃない、
    という言い訳ですか。

    もういいや。

  7. 名乗る程の者ではございません より:

    藤丸くんの出身は千住か
    今では南には外国人のバックパッカーが目立ち北は住みたい街ランキング上位に入るんですが、ワイの世代が連想するのは明日のジョーだわな
    矢吹ジョーのベストパートナーは白木葉子でもなく林紀子でもなくワイはドヤ街の少女サチだと思うんだ、サチが大人になれば現代なら推定年齢差10歳ぐらいなら大したことないぞ
    因みに両津勘吉のベストパートナーは檸檬だと思う(実際にこの二人が絡む回は名作が多い)、しかしながら推定年齢差30歳以上は現代でも少々キツイか

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