演奏会場で寿恵子と遭遇 / らんまん 第43回

2023/5/31(水)第9週「ヒルムシロ」

あらすじ

クララからダンスを教わることにした寿恵子のことがまつは心配でした。寿恵子がダンスを教わることにまつは反対はしませんでした。しかし、男にすがるような生き方だけは寿恵子にしてほしくない。それがまつの願いでした。

一方、倉木に案内を頼み東京の植物採集に出かけた万太郎は、夜になっても帰らず竹雄を心配させました。そんな中、万太郎は見慣れない水草などの植物を採集して「十徳長屋」に帰ってきました。

その日、長屋の住人のゆうが言いました。万太郎が持ち帰った水草は故郷では「ヒルムシロ」と呼ばれていたと。水草の名前を聞かされた万太郎は夜更けまで「ヒルムシロ」の絵を描くことに夢中になり、竹雄を心配させるほどでした。

その翌日、万太郎が田邊に同行して演奏会に参加する日を迎えました。荘厳な会場に万太郎は圧倒されました。その演奏会会場で万太郎は思いがけない人物と遭遇しました。ドレスを着た寿恵子が会場に姿をあらわしたのです。

感想

最後の最後に登場したドレスを着た寿恵子ちゃんにすべてを持って行かれる回でした。

寿恵子ちゃん

今回は冒頭から寿恵子ちゃんが登場し、寿恵子ちゃんのカットで終わる「寿恵子ちゃん回」と言っても差し支えない回。

一度は断ったダンスのレッスンを、クララ先生の美しさにのぼせてしまった勢いで受けることにした寿恵子ちゃん。

今ではダンスに夢中になりはじめている模様です。

腹を立てているらしいお母上のまつさんにも寿恵子ちゃんは反発。

仮にまつさんがダンスのレッスンを猛反対したら、今の寿恵子ちゃんならますますダンスのレッスンに気持ちが傾くことになるかも。

寿恵子ちゃんの中でスイッチが入ってしまいました。

まつさん

まつさんの本音は、寿恵子ちゃんにダンスのレッスンをやめさせたいのでしょう。

しかし、みえさんがご贔屓にしてもらっているらしい高藤氏がからんでいる上に、寿恵子ちゃんが承諾してしまったのでもう後には戻れない。

まつさん、苦しいところです。

かつての自分のように「男にすがる生き方」だけはしてほしくないと、寿恵子ちゃんのことが心配でならないまつさん。

そんなまつさんの気持ちい寄り添う文太さんが今日も優しい。

地味で無口な存在でありながら、圧倒的な安定感がある文太さん。

前作『舞いあがれ！』に出てきた職人・笠巻さんと似たところがあるかも。

ただし、笠巻さんの最晩年はやや寂しそうでした。

一方の文太さんは、間違いなく幸せになりそうな晩年が用意されているので、その点でも安心して見ていられます。

万太郎くん

冒頭で描かれた寿恵子ちゃんとまつさんの葛藤場面。

そして今回の最後のカットとなった、寿恵子ちゃんの驚きの表情。

寿恵子ちゃんで始まり寿恵子ちゃんで終わる今回、冒頭と最後の寿恵子ちゃんの描写にはさまれた万太郎くんの今回の描写。

特段の見どころはありませんでした。

しかし最後の最後で、万太郎くんのドラマも始まりました。

西洋音楽の演奏会に田邊教授のおともでやって来た万太郎くん。

豪華な会場にただただ圧倒される。

そして会場に活けてある花に目をうばわれるところはさすが万太郎くん。

ところが、その直後にまさかの事態が。

ドレスを着た寿恵子ちゃんが目の前にあらわれ、万太郎くんどれほど驚いたことか。

次回の万太郎くんの第一声はどんなことになるのかな？

ゆうさん

ブログ主が大好物の訳ありキャラがまた新たに登場しました。

万太郎くんが持ち帰った水草の名を口にしたゆうさんのことです。

生まれ故郷を聞かれただけなのに、万太郎くんの問いかけには答えず、その場から立ち去ってしまったゆうさん。

故郷に苦い思い出があるに違いない。

『おちょやん』の主人公みたいに、もう生まれ故郷には二度と戻らないという覚悟で東京に出てきたのかな？

近いうちにゆうさんの過去が語られると思いますが、その日が楽しみなブログ主です。

一方、もう一人の訳ありキャラ・倉木さん。

久しぶりに登場したと思ったらすっかり丸くなっていてビックリ。

しかも、万太郎くんの良き相棒になっているし。

倉木さん、これからさらに丸くなるのかな？

予習レビュー

前回の予習レビュー欄で、東京大学の学生の一人である藤丸くんのご実家は酒問屋という設定であると記しました。

藤丸くんのご実家の酒問屋は東京の千住にあるのだそうです。

この情報から藤丸くんの実在モデルが判明しました。

藤丸くんの実在モデルは菌類学者・田中延次郎氏。

田中延次郎氏は江戸・千住の酒問屋の長男として生まれたとのことなので、藤丸くんの実在モデルほぼ確定かと。

田中延次郎氏ことリアル藤丸くんは、東京帝国大学理科大学植物学科に在学中に『植物学雑誌』の発行に携わっています。

この『植物学雑誌』が、今週のドラマの中でそのプロジェクトが始まった植物雑誌のことです。

リアル藤丸くんは『植物学雑誌』の中でキノコの２新種について論文を発表。

これは、日本人による菌類の新種の初論文でイギリスの雑誌にも転載されたのだとか。

東京帝国大学の卒業年には『日本菌類図説』を出版。

その後、ドイツのミュンヘン大学への私費留学を経験するなどしました。

話をドラマに戻します。

藤丸くんの下の名前は次郎です。

リアル藤丸くんの「田中延次郎」のおわりの２文字からとったようです。