らんまん

万太郎が石版に絵を描く / らんまん 第50回

2023/6/9(金)第10週「ノアザミ」

あらすじ

大畑印刷所で見習いとして働き続けていた万太郎が、ついに願いを叶える日を迎えました。印刷所で働く画工の岩下が、万太郎に対して石版に絵を描くことを許可したのです。万太郎は石版に絵を描くという初めての体験をしました。

そして、万太郎が初めて石版に描いた絵がついに刷り上がりました。万太郎は、初めて刷り上がった自分の絵をまだ下手だと考えるものの、大畑は初めてにしては上出来だとその出来栄えをたたえました。

一方、クララの指導を受けながらダンスのレッスンを続ける寿恵子は、高藤と踊れるほどにダンスが上達していました。そしてそのころの寿恵子は、高藤と向き合って話をできるようになっていました。

高藤家からの帰り道に寿恵子は馬車の中から万太郎の姿を見かけました。そのとき万太郎はノアザミに話しかけているところでした。馬車の中に寿恵子がいることなど知らない万太郎は言いました。早く「白梅堂」に行きたいと。

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感想

すれ違いの一週間

万太郎くんと寿恵子ちゃんのすれ違いの溝が広がり続ける一週間が終わりました。

今週、驚かされたのはあれほど寿恵子ちゃんにメロメロだった万太郎くんが、寿恵子ちゃんの「す」の字も口にしなくなったこと。

万太郎くんの描写の中で寿恵子ちゃんを想う場面が一週間の最後の瞬間を除いて一つもなかったことです。

万太郎くんはそれほど石版印刷の技術習得や植物学雑誌の準備に没入していました。

しばらく前までは寝ても覚めても寿恵子ちゃんみたいな時もあったというのに。

その一方で、しばらく前までは読本に夢中になったり鹿鳴館に憧れたりはするものの、万太郎くんのことはほぼほぼ眼中になかった寿恵子ちゃん。

その寿恵子ちゃんが、今週の中盤までは万太郎くんのことで頭がいっぱい。

会いに来てくれない不満や不安をまつさんに告げるほどに。

しかしそんな寿恵子ちゃんも、万太郎くんは自分がいてもいなくても同じと勘違いし、吹っ切れてしまったらしい。

今回の寿恵子ちゃん、高藤氏に対する警戒心がすっかり薄くなった模様。

寿恵子ちゃんの気持ちが少しづつ万太郎くんから離れ始めたのかな?と思わせるような描写のその直後・・・

万太郎くんが「早く白梅堂に行きたい」と独り言。

万太郎くんのこの独り言を寿恵子ちゃんが耳にしたら、寿恵子ちゃんにとってどれほどの救いになったかと。

でもすれ違ったまま一週間が終わってしまいました。

画工の岩下さん

一方、万太郎くんが大畑印刷所で受け入れられてゆく過程は心地の良いものでした。

授業料を払うというから大畑さんは万太郎くんを受け入れたものの、職人さんたちにとっては目障りな見習いが増えただけ。

しかし、手先も器用でよく働き手際の良い仕事ぶりを見せる万太郎くんは、あっという間に信頼を勝ち取ったらしい。

そして、万太郎くんに対してもっとも警戒心を示していた画工の岩下さんが、ついに万太郎くんが石版に絵を描くことを許しました。

画工の岩下さんと万太郎くんの会話から始まり、そこに大畑さんも加わってかわされた言葉の数々が実に深い。

時代の移り変わりの中でそれまでの仕事を失ったと語る宮下さんに対して万太郎くんが言った言葉が心に沁みました。

「磨き抜かれたものはなくならない、もっと強くなって生きる」

万太郎くんの言う通り、宮下さんが国芳師匠のもとで磨き抜いた技術は、大畑印刷所を数ある印刷所の中で傑出した存在にしているらしい。

大畑さん

万太郎くんと岩下さんの会話を、横で静かに見守る大畑さんの表情が実に優しい。

大畑さんもまた、岩下さんと同様に時代の移り変わりの中で仕事を失った人の一人でした。

大畑さんの場合は火消しから印刷屋へと、転身の幅も宮下さんのそれよりもずっと広い。

それでもまったく新しい分野で成功を収めることができました。

大畑さんはきっと、火消しとしても一流を目指していたのでしょう。

一流を目指し続けて磨き抜けれた仕事への心意気が、印刷屋という新しい仕事でもっと強くなってあらわれたものと思われます。

大畑印刷所の他の職人さんたちも、それぞれがどこか別の場所で磨いてきたものが、大畑印刷所で芽吹いたのかな?

大畑印刷所の面々がすっかり好きになってしまう回でした。

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予習レビュー

前週、タキさんが体調不良を訴えるものの、万太郎くんを心配させたくないので黙っていろという場面がありました。

リアルのストーリーでも、リアル万太郎くんが印刷技術を習得しているころにリアル祖母が体調を損ねているようです。

そしてリアル万太郎くんはそのことをまったく知らなかった模様。

リアル万太郎くんは印刷技術を習得し植物学の雑誌の発行も終え、その出来栄えの良さが賞賛された直後のこと。

リアル祖母が亡くなった知らせがリアル万太郎くんの耳に入ります。

史実では、好きな道を歩ませてくれるリアル祖母の支えによって、リアル万太郎くんは家業の当主でありながら植物学の研究に専念していました。

しかしリアル祖母が亡くなったことでリアル万太郎くんも、いよいよ腹をくくって自分の将来を決めねばならない状況に追い込まれます。

そしてリアル万太郎くんが決めた自分の道。

それはリアル祖母に恩返しするためにも植物学の道を極める道でした。

ドラマの中のリアル万太郎くんにもそんな瞬間が用意されていますが、まだそれは少し先の話です。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    岩さんが、心を開いてくれました。
    万太郎くんが植物たちから学んだ「生き方」の話は、人の心に沁みます。
    逸馬さんが感銘を受けたのも、その点でしたね。

    万太郎くんを待つのを辞めると決めた寿惠子ちゃん。
    ダンスのレッスンにも身が入って、腕をあげましたね。
    高藤氏の思いには共感するんですが、周りが、ね。
    高藤氏と新しい世界に惹きつけられている寿惠子ちゃんですが、まつさんとお父さんとの関係とはかなり違ったものになりそうです。
    気位の高そうな奥様、強引な御者や特権意識ありありの秘書さん。
    その様子を目にして、そこに何か違和感を感じてくれるといいのですが。

  2. 名乗る程の者ではございません より:

    うどん、おいしそう
    教授役の要潤さんが自身のTwitterで早速番組Twitterに対して迅速な反応していますね、流石うどん県副知事🤣

    還暦のたつお様、そういえば私が東京在住の時にかんぴょう巻き食べた記憶がないですねえ、おでんのちくわぶもはんぺんも
    ただし納豆は関西人ですが昔から食してました、これは過去にアントニオ猪木さんが「俺は納豆を食って強くなった」とのコメントを読んで「そうか、納豆食えば猪木になれる」と思い食い始めたのがバカガキだった私ということです

  3. 還暦のたつお より:

    一部 メロドラマで定番のすれ違い、いつまで続くのかなあ。まあ面白いからいいけど。名乗る程の者ではございません様、干ぴょう巻きはどこか安上がりでなイメージ。かっぱ巻きやしんこ巻きはそうは思わないのに。関係ないけど関西のおでん(関東だき)にはちくわぶは入ってないし。食文化の違いあるある。でも最近では関西の人でも納豆平気な人増えてる。
     活版印刷の行程解説。浮世絵の行程の違い、摺師、絵師、イワさんの思い。「芽吹いたものはのうならん。」万太郎さん、親方の思い、職人の誇り。「そのものを描きたいんだろう。」「本物を伝える物の手立てだ。」流石イワさん見抜いてる。まずいな高藤さん急接近。「世が世なら。」高藤夫人やはりかなりの良家の出身。思わぬ所で再会ただし万太郎さん気付かず。

  4. 名乗る程の者ではございません より:

    翌週のタイトルがユウガオ
    かんぴょうになりますね

    関西では馴染みではないかんぴょう巻き
    関東ではお寿司屋さんに普通にあり関西ではコハダと並んで見かけない代表的なお寿司
    関西人がかんぴょうをキライというわけではない、太巻きの中にあるネタのひとつという感じなんだろうね

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