2023/8/1(火)第18週「ヒメスミレ」
あらすじ
田邊の恩人である森有礼が文部大臣に就任したのを機に、東京大学理学部は帝国大学理科大学となり、田邊が初代教頭に任命されました。一方の万太郎は、大窪に協力してもらいながらムジナモの論文を書き直しました。
植物雑誌の刷り直しも行ったものの田邊が下した決定がくつがえされることはなく、万太郎の大学への出入りが禁止されることは確定となりました。文献が足りず思うように研究ができなくなり、万太郎は深く落ち込みました。
そんな中、寿恵子に励まされた万太郎は、再び田邊の家を訪問。万太郎は田邊に改めて謝罪しました。そして許しを求めるため必死に懇願するものの、田邊は万太郎の謝罪を受け入れようとはしませんでした。
田邊は万太郎に告げました。これから大学も万太郎と同様に図鑑を発行する。そのため万太郎の大学への出入りは認められないのだと。万太郎を大学から追放した田邊は、その日の夜に一人で祝杯をあげました。
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感想
「私の魂は自由になった」
「決して誰にも縛られない」
これらの田邊教授の言葉でよ〜くわかりました。
田邊教授は寝ても覚めても頭の中は万太郎くんへの嫉妬心でいっぱい。
万太郎くんの存在に縛られていたことを。
田邊教授の嫉妬
万太郎くんが大学に出入りすることを田邊教授が許したのは、田邊教授が万太郎くんの才能を正しく見抜いていたからでしょう。
人の才能や将来性を見抜く力は田邊教授は群を抜いている模様。
一方、もし留学していなければ万太郎くんをかばってくれたに違いない徳永助教授でも、万太郎くんの才能を見抜けませんでした。
その後、万太郎くんに共同研究を申し出ることになる大窪さんもしかり。
徳永助教授も大窪さんも今では優秀な学者です。
しかし、田邊教授の人の才能を見抜く眼力には遠く及ばない。
田邊教授、人の才能や将来性を見抜くという点でも、教育者として卓越した能力を持っていたことが考えられます。
そして、人の才能を目利きできる田邊教授の中での万太郎くんへの評価は日に日に上がってきたはずです。
田邊教授が万太郎くんを音楽会に招待したのもそのあらわれでしょう。
しかし、田邊教授が見抜いていた以上に万太郎くんは才能豊かな人物でした。
そして想定を超えた万太郎くんの才能は、いつしか田邊教授の嫉妬心の対象に。
田邊教授の中の万太郎くんへの気持ちが賞賛から嫉妬に変化したのはいつだったのか。
振り返ってみました。
嫉妬心はいつから?
万太郎くんが寿恵子ちゃんと結婚することが決まり、万太郎くんは故郷の土佐へ。
万太郎くんが土佐に帰郷し東京で不在の間、東京では、あるいは植物学会の世界では万太郎くんがときの人になっていました。
万太郎くんがときの人になったのは、土佐に帰郷中に万太郎くんの標本が新種として認定されたのがきっかけでした。
祝言を終えた万太郎くんが土佐から戻ってきたとき、大学の新入生ですら万太郎くんの名前をよく知っているほどでした。
そんな中での田邊教授の「私のものになりなさい」発言。
万太郎くんを「私のもの」にしてしまえば、田邊教授は自分の中の嫉妬心から解放されると考えたのかもしれません。
しかし、万太郎くんが土佐に帰郷する以前。
そのころの田邊教授は万太郎くんを利用してやろうという腹黒さこそ全開にしていたものの、万太郎くんを「私のもの」にしようとするような気配はなかった。
よって、万太郎くんが土佐に帰郷中、万太郎くんへの注目度が急上昇する中で、田邊教授の中の嫉妬心が芽生え始めたものと思われます。
そして、東京に戻ってからの万太郎くんはさらに活躍を続け海外からも注目されるように。
一方の田邊教授は新種発表が無効になるなどの挫折を経験しました。
万太郎くんが活躍する中で経験した深い挫折。
このあたりから田邊教授の中で芽生えた嫉妬心は、いつしか田邊教授を完全に支配してしまうほどになった、というのがブログ主の見立てです。
そして今回、田邊教授は
「私の魂は自由になった」
「決して誰にも縛られない」
という状態になりました。
しかし、万太郎くんを追い出しただけで、本当に嫉妬心から解放されたのか?
田邊教授の心の闇、まだまだ続きそう、というか続いてほしいです。
田邊教授の心の闇、楽しすぎるので。(笑)
予習レビュー
万太郎くんが田邊教授から大学への出入りを禁じられた理由は、ムジナモに論文が田邊教授を怒らせてしまった、ということになっています。
では史実ではどうだったのか?
史実の中でのリアル万太郎くんが東京大学への出入りを禁止された最大の理由は、リアル万太郎くんの出版物のクオリティの高さにありました。
出版物とはドラマの中の万太郎くんが現在進行形で刊行を続けている「図譜」のことです。
ドラマの中でも田邊教授が万太郎くんに対して散々悪態をつきながらも、「図譜」の完成度だけは否定できずにいました。
否定できないどころか焦りさえ感じていました。
画工の野宮さんに、万太郎くんと同水準の植物画を描け、できなければクビだと言い放ったのも間違いなく焦りからのことでしょう。
史実の中のリアル田邊教授も焦っていました。
もしかするとドラマの中の田邊教授以上に焦っていたことも考えられます。
何故ならリアル田邊教授も「図譜」と同様の出版物の刊行を準備していました。
なので大学の権威ある「図譜」と、在野の学者の「図譜」が同じレベルであったら。
在学の学者の「図譜」よりも見劣りがしたら。
そんなことになったらメンツ丸つぶれです。
このメンツ丸つぶれの最悪の事態を避けるため、リアル田邊教授はリアル万太郎くんを大学から追放しました。
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田辺教授の妻は誰ですか?万太郎の妻スエ子と親しく槙野家の味方になっているように見受けられますが。
田邊教授が、ここまで追い詰められていたとは…。
そこまで万太郎くんという才能を、恐れていたのですね。
だから、自分のモノにして支配するか、それが叶わないなら徹底的に叩き潰してしまうか。
その二者択一しか残されていなかったのですね。
でも、「万太郎さんは終わらない、終わるもんですか!」
寿惠子ちゃん、強いな。
万太郎くん、寿惠子ちゃんがいてくれて良かったね。
信じて、支えてくれる人が身近にいれば、きっともう一度立ち上がれる。
文部大臣と教授が何の話していたのかは分からないけど、令和の現在でもローマ字に変わらないで漢字が残っているのはホント良かったと思う
個人的には漢字とロシア文字は世界の中でも非常に美しい文字だと思うから
くそ暑い日にキンキンに冷やして食べて美味しいのは「西瓜(すいか)」でありsuicaなら首都圏の満員電車の暑苦しさ連想させるから食いたくないわ、watermelonでもなんか甘ったるい感じがしてイヤ
「最後の授業」だっけ?
アルザス、ロレーヌ、フランス万歳
こんな悲しいことが起きなかった日本に生まれてホント良かったと思うわ
こんにちは。
些か唐突かもしれませんが、映画『アマデウス』でのサリエリとモーツァルトの関係を彷彿とさせる…ような気がしています。(先程確認したところ、P.シェーファーの戯曲『アマデウス』は1979年に世界初演され、その後1984年に映画化されたとの事で…気が付いたら随分経っているのですね)
天才作曲家モーツァルトを“凡才”サリエリの目線から描いたのが『アマデウス』。
(史実とは随分異なるようですし、サリエリが本当に凡庸な作曲家だったか否かは???ですが…この作品では彼に“語り手”として白羽の矢が立てられた訳ですね)
ネット上でも『アマデウス』との共通点を指摘する声を結構多く見かけます。出来ればこの機会にぜひ『アマデウス』映画のリバイバル上映若しくはテレビ放送されないかな~とふと感じた次第です。
若しくは舞台版が上映されないかな。(日本では1982年に日本語版が初演され、以来複数回上演されているとの事)
桜飯美味しそう。田邊教授と直談判。森大臣と歓談中だった。「二度と来るな、」まあ予想された反応。「私も図鑑を作る事にしたんだ。」「私に尽くすなら。」だめだこりゃ。「私の魂は自由になった。」万さんへの強烈な敵意は、万さんへの嫉妬と羨望が原因だったのか?園ちゃんの存在がせもてもの救い、しかしその園ちゃんも。
寿恵子「万太郎さんは終わらない・・・・・・終わるもんですか・・・・・・・・・。」
妻のこの言葉が万太郎君のこれからの心の杖になっていきますように。