らんまん

田邊が万太郎を追放する / らんまん 第86回

2023/7/31(月)第18週「ヒメスミレ」

あらすじ

万太郎が書いたムジナモ発見の論文に自分の名前がなかったことに激怒した田邊が、万太郎の大学への出入りを禁止しました。大窪に促され万太郎は謝罪するものの、田邊は万太郎の謝罪を受け入れませんでした。

波多野、藤丸たちも、万太郎を許してほしいと田邊に懇願しました。しかし田邊は大窪たちの懇願に耳を貸さないばかりか、万太郎の土佐植物目録と500点の標本を大学に寄贈するよう求めました。

田邊に考え直してもらおうと、万太郎はムジナモの論文を書き直すことにしました。そして雑誌の刷り直しにも取り掛かりました。大窪、波多野、藤丸も万太郎が許してもらえるよう改めて頼むことを約束しました。

帰宅した万太郎は一部始終を寿恵子に報告。寿恵子は万太郎が受けた仕打ちがどうしても納得できませんでした。そして寿恵子は田邊のもとに足を運ぼうとしました。しかし万太郎は寿恵子を制止しました。

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感想

最初から最後までつら過ぎる展開によって、万太郎くんの試練の二週間が始まりました。

試練その1

予告映像の中で「標本まで取り上げるなんて!」という波多野くんの悲痛な叫びがありましたが、今回さっそくその場面が登場。

研究の環境を失うだけでなく研究の成果物まで取り上げられることに。

しかも田邊教授の捨て台詞の一つひとつが万太郎くんには凶器以外の何ものでもない。

「泥棒」
「自惚れるな、憎む価値もない」

万太郎くんとしては研究の成果とは日本の植物学の発展に捧げるものとの思いがある。

だから、大学の蔵書や標本を使って研究しても、その研究の成果物は自分のものではないという気持ちもあるのでしょう。

しかし田邊教授にとって研究の成果とは自分の手柄です。

万太郎くんの「日本の植物学の発展に捧げるもの」などという考えが微塵もないだけでなく、そもそも万太郎くんの考え方を理解すらできないかと。

なので、大学の蔵書や標本を使って研究して「自分の手柄」を得た万太郎くんは泥棒でしかない、というのが田邊教授の考え方。

しかし大学の蔵書や標本を使って研究することを許したのもまた田邊教授です。

田邊教授ご自身がこのギャップを一番よくわかっているはず。

だから田邊教授としてはそのギャップを一瞬にして清算する必要もあったのかな?

一方で万太郎くんは田邊教授が激怒した理由がわからないらしい。

田邊教授が万太郎くんの研究への考え方をまったく理解できていないように、万太郎くんもまた田邊教授の研究への考え方をまったく理解できていない様子。

そして大学の中に、万太郎くんと田邊教授の考え方のギャップを調整してくれる人が一人もいないのがまた悲劇。

徳永助教授だったら、調整してくれたかもしれません。

いつぞや、徳永助教授は田邊教授に対して厳しい口調で言いました。

万太郎くんが東京大学に感謝するのではなく、我々が万太郎くんに感謝すべきだと。

あのときと同じ調子で、徳永助教授なら田邊教授に迫ったかもです。

しかし、その徳永助教授はドイツに留学中。

前週、徳永助教授がドイツ留学を決めた場面、ブログ主は違和感を感じました。

どうしてわざわざ徳永助教授をドイツに留学させるのかと。

今回のために徳永助教授を不在の状態にしたんですね。

田邊教授を止める人が誰もいない状態を作り出すのが、徳永助教授をドイツに留学させる作劇上の理由だったようです。

試練その2

予告映像の中では、竹雄くんが血相を変えて走る場面もありました。

今週は万太郎くんだけでなく峰屋の綾ちゃんと竹雄くんも窮地におちいります。

今週は万太郎くんの試練だけでは終わらないわけです。

そして、その後には再び万太郎くんが試練に直面。

そのときには寿恵子ちゃんも試練に直面。

今週から来週にかけて、つらい日々が続きそうです。

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予習レビュー

ついにその日がやってきてしまいました。

その日とは、万太郎くんが東京大学への出入りを禁じられてしまう日のことです。

リアル万太郎くんは東京大学への出入りを禁じられた事実があるので、このエピソードはドラマの中で再現されるに違いないと覚悟はしていました。

ドラマが後半に入ってすぐ、田邊教授が万太郎くんに対して「私のものになりなさい」と言い出しました。

万太郎くんが拒絶すると田邊教授は万太郎くんのことを「虫ケラ」とまで言いました。

この場面を見て、その後の万太郎くん追放のフラグが立ったなとも思ってました。

そのフラグがついに回収されます。

万太郎くんは東京大学への出入りを禁じられることで研究の環境を失います。

研究の環境を失っては図譜の刊行を続けることができません。

その上、土佐植物目録と500点の標本の寄贈まで求められるとは。

これまで研究の場を提供してやっていたのだから、その御礼として土佐植物目録と500点の標本は大学に寄贈しろとでも言うのでしょうか、田邊教授は。

万太郎くんは大学の出入り禁止はやむを得ないこととして最後は受け入れるものと思われます。

しかし、土佐植物目録と500点の標本の寄贈まで万太郎くんは受け入れるのか。

万太郎くんが心配です。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    ついに始まってしまいましたね。
    万太郎くんの、受難の日々。
    万太郎くんには、分かっていたはずです。
    田邊教授は、万太郎くんに利用価値がある間は大学への出入りを許してくれる。
    なのになぜ、その「利用価値」を最大限アピールするチャンスを逃してしまったのか。
    万太郎くんにとっては日本の植物学の発展に貢献するつもりでも、田邊教授にとっては自分が苦労し努力して築き上げた成果にタダ乗りした行為にしか見えなかった。

    万太郎くんの、厳しい冬の始まりです。
    でも、万太郎くんが一番好きな花、バイカオウレンは、厳しい冬の寒さに耐えて春には一面に花を咲かせるのですよね。
    万太郎くんもバイカオウレンのように、これからの冬の日々を耐えて、その日々を糧にしてまた一面に花を咲かせますように。

  2. A より:

    教授、萬太郎、周辺である教室の人たち、壽慧子。
    この四者の感じるところがそれぞれ違って、ドラマですね。

    しばらくのドロドロ、頭を抱えて楽しみたいと思います。
    他の試練をこの週に集めた意図も、考えつつ。

  3. 還暦のたつお より:

    「土足で入って来た泥棒。」徹底的に潰しにかかったな。でも土佐植物目録と標本没収とはいささかやり過ぎ。論文の書き直しはするだけ無駄のような気が。万事休す。流石に明るい子供の声や寿限無を聞いても反応出来ない。この状態では誰かに当たり散らしても不思議無いのに寿恵子さんにたった一度声を荒げただけ。とは言えもっとも近しい人間と友人達が味方なのはせめてもの慰みなのだが、万さん生涯最大の正念場、果たしてどうなる?

  4. 名乗る程の者ではございません より:

    出入禁止、まあよござんしょ
    土佐の標本を寄贈しろ?大学の施設使用の代償として?
    はあ?割に合わんだろ、こっちは無給でやってきたんだから立派な労基案件だぞ
    プラントハンターを断ったことまだ根に持ってんのか?大体、アンタ一度も採取に出とらんがな、バイオリン弾いてるだけで新種発見できるならこんな楽な仕事ないわ、ボケ!

    器の小さいワイなら言ってしまうなあ

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