らんまん

綾と竹雄が再出発を誓う / らんまん 第90回

2023/8/4(金)第18週「ヒメスミレ」

あらすじ

園子が高熱を出してから三日。園子は一歳で亡くなりました。園子の法要が終わり、万太郎と寿恵子が悲しみに暮れる中、まつが訪ねてきました。まつは、気力を失ってしまった寿恵子に寄り添いました。

一方、峰屋をたたむことを決め、峰屋の土地と屋敷を売り払い借金の返済の準備を進める綾と竹雄のもとに分家衆がやってきました。竹雄と綾は分家衆の三人に助力を求めました。しかし信治は断りました。自分にはその力量がないと。

紀平は、綾と竹雄をねぎらい槙野家の墓を守ることを約束しました。そして豊治は、峰屋を殿様の酒蔵のまま幕を引いた綾のこれまでの働きぶりを讃えました。綾と竹雄、そして信治は涙ながらに励まし合いました。

十徳長屋では、まつが手料理をつくり、長屋の住人たちに振る舞いつつ、万太郎と寿恵子に寄り添い続けていました。それから数日後。万太郎と寿恵子は送り火を焚いて、園子が天国に旅立つのを見送りました。

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感想

福治さんの不吉な予言「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」が回収される週が終わりました。

福治さんの予言

福治さんが万太郎くんの近未来の予言をしたのは前週。

万太郎くんが十徳長屋の面々とピクニック名目の引っ越しの手伝いをした際のこと。

池のほとりで植物採集の夢中になる万太郎くんの姿を見ながら福島さんがゆうさんに語りました。

「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」

そして、池のほとりでの植物採集では万太郎くんにとってとてもいいことがありました。

謎の水草の発見です。

この謎の水草が日本では未発見の植物であることがわかり、さらにその謎の植物は花を咲かせないはずなのに花を咲かせた。

そして世界の学者たちが注目するであろう植物画もできた。

ここまではよかった。

福治さんが「予言」を口にした日の大発見は、「いいこと」から「良くねえこと」に転ずる機会になってしまいました。

この白黒が反転するような展開で一つだけ気になっていることがあります。

「予言」をした福治さんは、万太郎くんが経験した一連のアップダウンを見てどう思ったのかということです。

福治さんは「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」という思い込みに縛られて、「いいこと」を手に入れる勇気を失っていました。

しかし娘のために「いいこと」を手に入れようと少しだけ勇気を持ち始めたのが「予言」の直後のことでした。

ところが福治さん「いいこと」を手に入れようと少しだけ勇気を持ち始めたその矢先、福治さんの法則通りのことが目の前で起きました。

いいこと:ムジナモの発見
良くねえこと:東京大学からの追放

「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」が短期間に一気に起こったわけです。

福治さん、やっぱり「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」と思い直し、「いいこと」を手に入れることをためらってしまうのではないか。

同じく「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」と思い込んでいたらしいゆうさんも立ち止まってしまうのではないか。

「いいこと」の後の「良くねえこと」をいやというほど経験してきたらしい福治さんとゆうさんが、万太郎くんの悲劇をどのように受け止めたのか。

ブログ主は今週そのことがずっと引っかかっていました。

竹雄くんと綾ちゃん

福治さんの不吉な予言「いいこともあったら良くねえことも起きるぞ」は、土佐の竹雄くんと綾ちゃんにまで及んでしまいました。(涙)

腐造が出たと騒ぎになる直前の竹雄くんと綾ちゃんの二人の場面。

竹雄くんが綾ちゃんと一緒になれた幸せをしみじみと口にしました。

もしかすると、あの場面が竹雄くんと綾ちゃんの幸せの絶頂期?

垂直に下降するジェットコースターみたいな落ちっぷり。

竹雄くんと綾ちゃんの二人が育て上げる峰屋の将来に対して大いに期待していたブログ主には、この展開はかなりショックでした。

今回、竹雄くんと綾ちゃんは再起を誓いました。

峰屋を再生するのか別の道に進むのかはわかりませんが、竹雄くんと綾ちゃんの「幸せの絶頂期」はこれからであることを願うばかりです。

分家衆

分家三人組が素敵なところを見せてくれました。

とりわけ、アホぼんの信治くん。

実はあんなに優しい青年だったとは。

三人組の中で最も厄介なキャラだった豊治さんも度量の大きい人でした。

紀平さんもまた心優しい紳士でした。

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予習レビュー

今週は万太郎くんの受難の日々が描かれるものと思われます。

史実の中のリアル万太郎くんも、東京大学を追い出された後に受難につぐ受難を経験しているので。

リアル万太郎くんが経験した受難の数々は前回までの本欄で記しました。

・東京大学への出入り禁止
・ロシアへ渡ると決意した直後のマキシモヴィッチ博士の急死
・研究資金の枯渇
・実家の家業の経営行き詰まり

ここまでが前回までに記した受難の数々です。

リアル万太郎くんの受難はまだ続きます。

しかも「とどめ」となるような受難が。

リアル万太郎くんは、実家の家業の窮状を知らされ、奥さまと娘を東京に残して単身高知の佐川へ。

そして実家で家財整理をしているとき東京の奥さまから手紙が届きました。

その手紙で知らされたこと、それは長女の急死でした。

リアル万太郎くんとリアル寿恵子ちゃんの間に生まれた長女の名前は園子ちゃん。

ドラマの中の長女は、実在の長女と同じ名前です。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

    名乗る程の者ではございません様。コメントありがとうございます。まあ細かい事を言っていたらキリが無いですね。そんな事言ってたら東映特撮時代劇の傑作「仮面の忍者赤影」などは見れません。(笑)後、深作監督の「柳生一族の陰謀」、「魔界転生」なども。この二本は思いっきり歴史改変してます。「どうする家康」なんか可愛いもんです。昔は一般に人がいちいち公に批判したり悪口言う事なんて無かったのに、ネット社会の弊害でしょうか。建設的な批判もあるんでしょうが、作品に反映される事など、まずないでしょうし。気に入らなかったら見なきゃいいんですから。

  2. 名乗る程の者ではございません より:

    還暦のたつお様

    史実的には水戸黄門は世直し諸国漫遊などしていませんし徳川吉宗は毎度毎度お庭番を連れて悪人成敗もしていません、逆にこれに対しておかしいと声を上げる方が野暮だと思います、ラスト5分くらいのチャンバラを眺めて印籠を見せつけるもしくは「成敗!」という叫びでお庭番の二人がラスボスを斬る終わり方見たら史実と違うとかど~でもいいと思います、要はおもしろければそれでいいかと
    「あまちゃん」のコメント欄に書きましたが個人的にはドラマ視聴継続するのは「おもしろいかおもしろくないか」「ドラマ内容に語りたいことがあるかないか」で、「らんまん」はおもしろいがあまり語りたいことはない、「ちむどんどん」は全くもっておもしろくなかったが語りたいことはヤマ程あったです
    10年ぐらい経ったら意外と「ちむどんどん」見たいかなと、実際「純と愛」って恋愛至上主義のクサイやり取りさえ我慢さえしたら(「舞いあがれ」のごり押しスイーツ短歌よりはマシかなと個人感)また見たいかなと思ってます

    長文失礼しました

  3. 還暦のたつお より:

    主人公が史実とは異なるので、嫌だという向きがありますが、程度の差こそあれ、実在の人物を朝ドラに登場させる時は、史実を改変しているケースが多いです。いちいち書きませんが、一例としては「まんぷく」の万平さんとモデルになった安藤百福さんのあまりの違い。まああんまり実像を気にしないで見るのがストレスが少ないかも。

  4. 還暦のたつお より:

    園ちゃんこんなに早く(泣)。まつさん孫の死に目には。高知では酒蔵の整理。伸治さん、できもしない事を言わないだけ誠実。分家の人達意外に親身。まあ分家総出でもどうにもならない所まで追い詰められていたからなあ、二人を抱きしめる伸治さん。いい奴だった。長屋では、差配さんとおまつさんが、泣き崩れた寿恵子さんの心配。筍ご飯美味しそう。このドラマに限った話ではないけど。朝ドラでストーリーに絡んだ食べ物は美味しそうなんだよなあ。(「ちむどん」は除く。)どん底に近い苦境、さらに落ちていくのか?

  5. 名乗る程の者ではございません より:

    それぞれの絶望に至っている夫婦に寄り添う豊治さんとまつさん
    秋から「あまちゃん」の後に再放送される「まんぷく」に菅原さんも牧瀬さんも出演されていますね
    この二人以外にも要さん・田中さん・今野さん・前原滉さん・奥田さん、なんと言ってもブシムス役で松坂慶子さん
    要さんと牧瀬さんは真逆のキャラで、田中さんと今野さんはらしいキャラでコンビ組んでいます

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