らんまん

寿恵子が渋谷を観察する / らんまん 第114回

2023/9/7(木)第23週「ヤマモモ」

あらすじ

みえに教えられた売りに出されている渋谷の一軒家を見るために、寿恵子は渋谷に足を運びました。寿恵子が初めて足を運んだ渋谷は田園地帯でした。寿恵子はここで本当に商売ができるのかと不安になりました。

売りに出されている一軒家の周辺は清掃も行き届かず不潔で、そこが商売できる土地には見えませんでした。その一軒家の近くに昼間から酔いつぶれている男がいました。寿恵子はその男に売りに出されている一軒家のことを尋ねました。

その男・荒谷は、畑仕事をするかたわらで居酒屋を営んでいました。荒谷は寿恵子に言いました。他に行くところがなく、渋谷に行き着いた。渋谷とはそういうところなのだと。荒野の様子は寿恵子をますます不安にさせました。

しかし、渋谷で買って来たおにぎりは意外なほど美味しく、りんや子どもたちもそのおにぎりを気に入りました。その日の夜、万太郎が植物と向き合う姿を思い出した寿恵子は、渋谷という町をもっと真剣に観察してみようと思い直しました。

<<前回113回 | 次回115回>>

第23週 | 第24週 | 第25週 | 最終週/第26週
らんまん|感想あらすじネタバレトップページ
ブギウギ|感想あらすじネタバレトップページ

Sponsored Link

感想

渋谷の将来性

みえさんが強くすすめる渋谷の一軒家の周囲は、ひどく汚いところでした。

そんな土地をみえさんはどうして寿恵子ちゃんにすすめたのか。

そこに陸軍の練兵場ができるので、これから人の往来が増えるはず。

人の往来が増えれば商売が成り立つ。

そんなところかと思いますが、はたしてみえさんは自分の目で渋谷を見てきたのか。

おそらく見てはいないでしょう。

だから陸軍の練兵場ができるという情報と、それによって人の往来が増えるという予測から、渋谷に商機ありと判断したのかと思います。

さて、現地を見ずに情報だけによるみえさん判断は正しいのかどうか。

この場合、みえさんが現地を見ないまま寿恵子ちゃんに渋谷をすすめたのは幸運だったのかも。

渋谷の、特にあの一軒家周辺を見てしまったら、ここではとても商売にならないという判断に傾いたかも。

一軒家周辺の将来性を創造すらできなかったことも考えられます。

一方、現地を自分の目で見てしまった寿恵子ちゃんは、売りに出されている一軒家とその周辺の土地に将来性を見出せませんでした。

しかし、横倉山で植物採集をした経験がここで生かされました。

次回、再び渋谷に足を運ぶ寿恵子ちゃんはそこで何を見ることになるのでしょうか?

南方熊楠

クライマックスに向けての情報が少しづつ増えてきました。

そしてブログ主にとって謎だった、翌々週に万太郎くんが大学の助手職を辞職する理由が少しだけ見えてきました。

さて次週は、あの南方熊楠が登場。

ただし、キャスティング情報がないので名前だけの登場となるのかもしれません。

万太郎くんのもとに南方熊楠から手紙が添えられた植物標本が届きます。

その手紙を読んだ万太郎くんは南方熊楠のただならぬ情熱に心を動かされ、南方熊楠という人物に会ってみたいとすら思います。

それから数ヶ月後、あるいは一年ほど経過。

今度は、大学の徳永教授のもとに南方熊楠から手紙が届きます。

徳永教授に届いた南方熊楠からの手紙の内容についてはまだ明らかにされていません。

しかし史実の中の出来事から推測して、その南方熊楠からの手紙は徳永教授を痛烈に批判する手紙であることが考えられます。

事前情報によれば、翌週のドラマの中で、神社を一町村で一つだけに集約するという神社合祀の反対運動を南方熊楠はしています。

神社が廃止されることによって、その神社の森などが失われることを危惧したからです。

植物や動物の生態系が失われるにもかかわらず、植物学者でありながら政府の方針に迎合する徳永教授を南方熊楠は痛烈に批判。

批判された徳永教授は、万太郎くんに釘を刺します。

南方熊楠に深入りするなと。

しかし万太郎くんは南方熊楠の行動や考え方に共感。

南方熊楠に対する万太郎くんと徳永教授のギャップが、万太郎くん大学辞職のトリガーになる。

そんな展開が見えてきました。

Sponsored Link



予習レビュー

今週のサブタイトルは「ヤマモモ」です。

「ヤマモモ」は寿恵子ちゃんが開いた待合茶屋の店の名「山桃」からとったものですが、では史実のリアル万太郎くんと「ヤマモモ」との間には何か関係があるのか。

ドラマの中のチビ万太郎くんは山椒餅が大好きでしたが、幼い頃のリアル万太郎は「ヤマモモ」が大好物でした。

昭和31年(1956年)、リアル万太郎くんが亡くなる前年。

かねてより病気がちだったリアル万太郎くんの病状が悪化。

リアル万太郎くん重体のニュースを知った高知市丸ノ内高校の生徒たちが、リアル万太郎くんの大好物を贈ろうと枝に山桃がついた状態で飛行機便で発送。

リアル万太郎くんはこの贈り物をとても喜び、この植物画を描くよう画家の川崎哲也氏に依頼。

仕上がった植物画を手にして病床のリアル万太郎くんは「出版するぞー!」と絶叫。

そのころ編集中だった植物図集に山桃の植物画も載せることを希望したのだそうです。

このことがあった翌年、昭和32年(1957年)1月17日、リアル万太郎くんは永眠しました。

なお、高知県の県の花は「ヤマモモ」です。

高知県内では県の花の候補として「ヤマモモ」と「ノジギク」が選ばれていたのですが、兵庫県が県の花を「ノジギク」に定めたため、高知県の県の花は「ヤマモモ」に確定しました。

<<前回113回 | 次回115回>>

第23週 | 第24週 | 第25週 | 最終週/第26週
らんまん|感想あらすじネタバレトップページ
ブギウギ|感想あらすじネタバレトップページ

POSTED COMMENT

  1. あさのあさみ より:

    今日は、ブラタモリならぬブラスエコin渋谷の回でした笑
    しかも、主人公の万太郎くんは回想?にちょっと出ただけ
    すえちゃん主人公化が止まりません笑
    申し訳ないけど、植物図鑑が完成する過程より、お店が繁盛していく過程の方がワクワクするのは事実です

  2. 還暦のたつお より:

    やさぐれ荒谷さん。「ここまで落ちて来て。」おいしそうなおにぎり。ひょっとして昔腕の良い料理人だったりして。妄想って意外に堅実な発想。町のフィールドワークから道は拓けるか?

コメントを残す