2024/5/13(月)第7週「女の心は猫の目?」
あらすじ
昭和14年(1939年)、高等試験に不合格だった優三は弁護士への道を断念。
昭和14年(1939年)春、高等試験に不合格だった優三は弁護士への道を断念。直言の工場で住み込みで働くことになり、猪爪家を出ることになりました。一方、高等試験に合格できた寅子は雲野の事務所で修習生として弁護士の実務を学ぶことになりました。
月日は流れ昭和14年(1939年)7月。単純作業の繰り返しで寅子は疲れ切っていました。そんな寅子は昼休みになると、同じく修習中の花岡や轟らと公園で顔を合わせ会話を楽しむのが、そのころの寅子の息抜きになっていました。
そんなある日、雲野は帝大教授の落合からの依頼を引き受けることになりました。当時、日本は中国との戦時下にあり言論への統制が厳しくなっていたのです。雲野の裁判は長引いたものの寅子の調査がヒントとなり一審の無罪を勝ち取ることができました。
帝大教授の裁判が一審で無罪を勝ち取った日の夜、寅子のもとに花岡から電話がかかってきました。花岡は修習後の試験に合格し裁判官になれたことを寅子に報告。そしてお祝いを寅子と二人きりでやりたいと告げました。
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感想
弁護士としての新生活
トラちゃんの弁護士としての新生活が始まりました。
前週はトラちゃんが弁護士になるまでの前向きな日々が描かれるものと思いきや、仲間たちが次々と離脱する悲しく陰鬱な一週間でした。
しかし前週の最後の最後には、一週間の陰鬱さを破るようなトラちゃんのスピーチ。
今回はその時のスピーチから始まりました。
前週、一週間の陰鬱さを破るようなトラちゃんのスピーチに続いて描かれたのは優三さんとの別れの場面。
月曜日ののっけから優三さんとの別れを惜しむ悲しい場面を覚悟していたら・・・
安定の優三さんの頭ゴツンのコントでした(笑)
続いて、トラちゃんが雲野法律事務所に弁護士として初出勤する日の朝。
まるで体育会系みたいなトラちゃんのデカい声の挨拶。
そのデカい声にデカい声で応える雲野先生。
前週、一週間続いた陰鬱さを一瞬にして忘れ去ることができました。
しかし、その直後には疲弊しきった3ヶ月後のトラちゃんの姿。
相変わらずテンポが良い。
さて、疲弊しきったトラちゃんのそのころの一番の息抜きはランチタイム同窓会らしい。
魔女ファイブは散ってしまいましたが、花岡くんと轟くんがいてくれて心強い。
一方、久保田さんは所属している事務所の所長のお気に入りらしい。
久保田さん、ランチタイム同窓会には参加しないのかな?
帝大教授からの依頼
帝大教授からの依頼案件に貢献しようと夜を徹して調べごとをするトラちゃん。
仕事をしながら思い出すのは、何年間も苦楽をともにした魔女ファイブのことです。
志を果たすことができずに法律の道から離脱することを余儀なくされたヒャンちゃん、涼子さま、梅子さんの分まで働こうと必死のトラちゃん。
その姿に泣かされました。
前週の悲しい一週間がよみがえってしまいました。
一方、帝大教授の裁判は長引きました。
そんな中でトラちゃんが、問題になった出版物の重版の日付をメモしたのは、それを切り口にして裁判を戦えると考えてのこと?
それともありとあらゆることをメモしたものの一部?
トラちゃんがどのような意図を持って重版の日付をメモしたのかは分かりません。
しかし、そのトラちゃんメモから雲野先生が切り口を発見しました。
そして、雲野先生の発見を大絶賛しているトラちゃんの姿から推察して、トラちゃんは重版の日付が切り口になることは想定していなかったらしい。
しかし、雲野先生がヒントを得るきっかけとなったことだけは確か。
トラちゃんの初の小さな手柄かも。
花岡くん
帰宅したトラちゃんは雲野先生の発見を大絶賛するものの、トラちゃんの話にはるさんはまったく関心を示さない。
ナレーションにあったとおり優三さんなら一緒に喜んでくれたかと。
優三さんがいなくなった損失は大きい。
しかし優三さんがいなくなった損失を補っても余りある展開がスタート。
花岡くんからの電話のことです。
花岡くんが裁判官になれたらお祝いしようと約束していたらしい。
そして、そのお祝いは花岡くんとトラちゃんの二人きりでやりたいという花岡くんからのリクエスト。
二人きりのお祝いについて花岡くんは言いました。
それでいいのではなく、それがいいと。
「で」と「が」の違いは大きい。
その違いの大きさをトラちゃんも明かに認識している様子です。
今週の予告の中に花江ちゃんの「プロポーズ?」という声が収録されていましたが、明日はこの花江ちゃんの声から始まるのかもです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
今週、帝大経済学部教授である落合洋三郎の著書が「安寧秩序を妨害」する疑いで起訴され、その案件を雲野法律事務所が請け負う場面が描かれます。
このエピソードは史実にある「河合栄治郎事件」がモチーフになっています。
「河合栄治郎事件」の概要
河合栄治郎事件(かわいえいじろうじけん)は、1938年から1943年まで続いた、東京帝国大学経済学部教授の河合栄治郎を社会的に抹殺しようとした右翼・軍部・ファシズム勢力による思想弾圧事件である。
引用:Wikipedia
河合栄治郎氏は「515事件の批判」「226事件の批判」などの論陣を張っていました。
これら河合氏の主張に対して危機感を抱いた右翼勢力は、機関紙上で河合氏を攻撃。
また帝大総長室まで押しかけ罷免を迫ることもありました。
それでも河合氏は主張をやめず、ついに右翼は軍部と政府を動かし、河合氏の著書4冊を発禁処分にすることに成功。
発禁処分された4冊の著書とは
『ファッシズム批判』
『時局と自由主義』
『社会政策原理』
『第二学生生活』
です。
河合氏は出版社の経営者とともに出版法(第17条)「安寧秩序を紊るもの」に当たるとして昭和14年(1939年)2月に起訴されました。
河合氏の弁護を担当したのは、社会派弁護士の海野普吉氏とその弟子で特別弁護人の木村健康氏。
東京地裁では河合氏の無罪判決が下されるものの、東京高裁では一転有罪。
大審院で上告棄却となり昭和18年(1943年)に刑が確定しました。
落合洋三郎の実在モデル・河合栄治郎
河合 栄治郎(かわい えいじろう)は、日本の経済学者、社会思想家。東京帝国大学経済学部教授。第二次世界大戦前夜における著名な自由主義知識人の一人として、共産主義とファシズムに抵抗した。
引用:Wikipedia
明治24年(1891年)2月13日、東京府南足立郡千住町(現在の東京都足立区千住2丁目)に生まれる。
大正4年(1915年)東京帝国大学法科大学政治学科卒業
大正9年(1920年)東京帝国大学助教授となり経済学史を担当。
昭和11年(1936年)東京帝国大学経済学部長に就任。
昭和13年(1938年)『ファッシズム批判』など4点の著作が内務省により発売禁止処分。
昭和14年(1939年)著作などの言論が「安寧秩序を紊乱するもの」として起訴される。
昭和18年(1943年)有罪が確定。
昭和19年(1944年)バセドウ病による心臓麻痺で逝去、亡くなる二日前に53歳の誕生日を迎えたばかりだった。
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寅子さん、大声で挨拶。同じく大声で答える雲野先生。厄介な案件。対思想弾圧で相手は国。圧倒的不利。雲野先生の巧みな作戦で一審は無罪。花岡君、判事に合格。花岡君の意味深なお誘い?はて?