おかえりモネ

別れた妻と再会望む田中 / おかえりモネ 第29回

2021年6月24日(木)第6週「大人たちの青春」

あらすじ

キャンセルしたテーブル製作をもう一度考え直してもらえないか。再考を促すため百音は田中のもとに足を運びました。百音に対して、田中は自分の過去を打ち明けました。自分の浮気が原因で離婚を経験していたことを。

離婚後、一人で暮ら続けてきた田中は重い病に侵される中で、最後にもう一度だけ別れた妻子と再会したいと思い始めていました。田中の気持ちを聞かされた百音は、田中を救って欲しいと菅波に相談しました。

しかし菅波は百音の頼みを拒みました。食い下がる百音に対して菅波は言いました。自分には田中を助ける技術も力もないと。菅波は過去に仕事の上で挫折を経験していました。だから菅波は田中の心に踏み込むことができなかったのです。

その翌日、百音が田中を訪問するとそこに菅波がやってきました。菅波は田中に積極治療を受けるよう説得。菅波の説得を受け入れると心に決めた田中は、テーブルのキャンセルは取り消すと百音に告げるのでした。

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予習レビュー

「大人たちの青春」四日目。

田中さんの過去が明かされます。

田中さんは若い頃の奔放な生活がたたって妻子に逃げられた過去があると本作の放送が始まる前からアナウンスされていました。

その「奔放な生活」とは田中さんの浮気だったようです。

田中さんの浮気が原因で、田中さんは奥さんに逃げられていました。

しかし、田中さんは別れた妻子と再会したくなった。

その理由は病気です。

田中さんの病気、かなり重いようです。

なので田中さんはすでに自分の死期を悟っている。

それ故に別れた妻子と再会したいと考えたものと思われます。

しかし、そんな希望を捨てざるを得ないほど田中さんの病状は悪化しているようです。

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感想

菅波先生の挫折

モネちゃんの視点からも、そして視聴者の視点からもエリートコースをまっしぐらに進んできたかに見えていた菅波先生の過去が見え隠れしてきました。

田中さんのような状態の人の心に踏み込むことが何を意味するのかわかっているのか?

モネちゃんに対して感情をあらわにして声を荒げた菅波先生、過去にモネちゃんと同じことをして失敗した経験があるのかもしれません。

以下、推測です。

過去に菅波先生は、一人の患者さんに感情移入するあまり、今のモネちゃん以上に患者さんの心の中に踏み込んでしまったのでしょう。

しかし菅波先生はその患者さんを救うことができなかった。

その患者さんの家族を深く失望させてしまった。

その時に菅波先生は、自分の力量不足を理解し医師としての深い挫折を経験したのではないでしょうか。

そのように想像したことで見えてきたことがあります。

菅波先生は、先輩医師の中村先生からの訪問治療の要請を頑なに拒みました。

なぜ、それほどまでに訪問治療を嫌がるのか。

その時は菅波先生の気持ちが見えませんでした。

でも、菅波先生の気持ちが見えてきました。

自分の力量不足を知り深い挫折を経験した菅波先生は、いまだにその挫折から立ち直れないでいるのでしょう。

そんな菅波先生の再生の第一歩、それが今回の菅波先生の田中さんの訪問であって欲しい。

実は心に深い傷を負っている菅波先生。

本当は心優しい菅波先生、ますます好きになりました。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

    トムさん。演じている塚本さんが同い年なので、我が身と照らし合わせていろいろ考えさせられる週でした。トムさんの終活見届けたいと思います。モネちゃん、中身コージーで残念(笑い)。アヤさんひたむき。一歩間違うとストーカー。中村先生なかなか策士。菅沼先生頭いいけど不器用。待ち人来ない代わりにご夫婦登場。トムさん家族はいないけど仲間がいます。 

  2. シロママ より:

    いつも朝蔵さんのページを楽しみに拝読しております。素敵なページ、本当に感謝しております。
    また、皆様のコメントも大変興味深く拝読しております。

    私は「薬剤訪問管理指導」という指示がある処方箋の調剤を担当しておりました。
    なにやら難しい言葉ですが、要は「処方箋の通り調剤したら、その薬を患者さんのお宅まで届けて服薬指導してね」という医師からの指示なのです。保険適用となり、家にいながら調剤を受け取ることができます。

    薬剤訪問管理指導の「対象となる患者さん」とは、認知症のため老々介護をしているご夫婦や、COPDなどの疾患のため常時酸素吸入が必要となる患者さん、癌末期や難病など、ご本人やご家族ともに薬局へ行くことが困難な方々が対象となります。私は訪問管理指導を手広くやっている薬局に3年在籍し、45人ほどお見送りさせて頂きました。このドラマの田中さんのような患者様もいらっしゃいましたし、ALSの患者様もいらっしゃいました。ほとんどの場合、患者さんのご家族にお薬をお渡しして服薬指導するのですが、ご家族がちょっと席をはずして患者様と二人きりになったときに「ぼく、あと何日生きられそうですか?」と患者様に聞かれたことがありました。

    もうすぐ命が尽きてしまう患者さんは、こうして私に質問されるくらいなのですから、医師はもっと切実な訴えや悩み、無念さをお聞きになっていらっしゃるはずです。在宅診療をされている医師は、様々な人間模様や終わり方と向き合わなくてはなりません。そうやって、一人一人と向き合う経験を積むしかないのだ、と感じました。

    もし「あと何日生きられそうですか?」と癌末期の患者さんから質問されたら、皆様はなんて回答されますか?

    現在日本では、自宅での看取りをサポートするための訪問診療クリニックや訪問看護ステーションがかなり出来てきました。自分の家で終わりを迎えることができるようになってきているのです。
    このドラマでこのテーマを取り上げてくださったことに深く感謝しております。訪問診療や薬剤訪問管理指導について、もっと広く皆様に知って頂く機会になります事を祈らずにはいられません。

  3. 丹善人 より:

    「迷うための時間」
    患者に寄り添う医者ならではの言葉ですね。

    しかし、明日までに「大逆点」の話、聞けるのだろうか。

  4. たいとうみほ より:

    前作ではテルヲ父ちゃんのキャラがあまりにあまりだったためか「もうじき死ぬからと言って許されると思うなよ」の声が大多数でしたが、程度の差こそあれこれは田中さんにも言える事ですね。その割に、テルヲさんの様な自業自得論が沸き上がっている感じではないですが。ただ1つ言えるのは、田中さんの娘さんが父親に対しておちょやんの様な態度を示しても当然だという事。テルヲ父ちゃんを許すなんて解せないとの声が多かった前作に比べ、今後の展開はどう解釈されるのか、ちょっと考えものかなと思いました。

  5. 秋桜おばさん より:

    多くの期待を持たせる言葉ではなく、今の迷いを迷いのまま持続させる、深いですね。
    菅波先生の今までは描かれていませんが、きっとモネちゃん同様心の奥に傷を抱えて生きて来たんでしょう。
    モネちゃんにはサヤカさんが、菅波先生には中村先生が、いい距離感を保ちつつそばにいてくれるのは幸せなことですね。

  6. オペラ座の怪人 より:

    健太郎若先生、トムさんに、
    なかなかのこと、言っていました。
    迷うための時間を作る、
    うんうん。

    何か、挫折があったのか?

    ヾ(・◇・)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ(・∀・)ノ

    (-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ

    おしまい

  7. 還暦のたつお より:

    あのテーブルセット。高いんだろうな。私も年代的にトムさんと同世代なので、バッシングをうけるのを承知でいえばトムさんの男のエゴ、わからないでのもない。私も脛に傷あります。菅沼先生が中村先生に劣っているのは人格ですね。でも菅沼先生、自分それをでわかりすぎるくらいわかっている。いい訳しながら菅沼先生。ついに自分のポリシーを少し曲げた。でも考えた末の結論。トムさんには菅沼先生の真摯な提言響いたみたい。テーブルセットやはり生きる意志の象徴??

  8. 魁光3号 より:

    こうするべき、こうあるべき。
    凝り固まった治療をせず、どうしようかな?と悩みながら迷うための時間を作るための治療。
    菅波くんはいいお医者さんになりますよ!

    ある意味血の通った温かみのある治療です。

    菅波くんが患者に積極的に踏み込まないのもただ昔のトラウマ(?)を引きずってるだけではなく、もっと深いところに理由がありましたね。

    押し付けではなく、自分の人生を決めるのは自分自身。医者はその手助けをするというスタンスがよく分かりました。

  9. あさのあさみ より:

    「迷う時間を作るための治療」
    素敵な台詞ですね〜。今作一番の名言だと思いました。
    菅波先生、若いのに深いです。

  10. よるは去った より:

    光太朗「迷うための時間を作るための治療・・・・・・・。」
    知久「迷うための時間か・・・・・・・頑張ってみっか・・・・・・・。」

     「迷うための時間」って世に生きている人全てに何時間とまでは行かなくても、せめて何分何秒でも必要なのかなと改めて考えさせられてしまいました。

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