らんまん

万太郎が小学校中退する / らんまん 第10回

2023/4/14(金)第2週「キンセイラン」

あらすじ

蘭光に連れられ仁淀川のほとりで一泊した万太郎と佑一郎は、自分たちの将来のことを語り合いました。そんな二人に蘭光は告げました。世の中が変わっても振り回されるな。心が震える道を歩いて行けと。

ほどなくして、万太郎は佐川村に新たに開校した小学校に通い始めました。新政府による小学校制度では女子の入学も認められることになり、万太郎は綾とともに小学校に通うことになりました。

しかし万太郎にとって小学校の授業は退屈極まりないものでした。学問所「名教館」で高度な学問を学び続けていた万太郎にとって、小学校の授業は簡単過ぎたのです。万太郎は授業を受けずに植物画の模写に夢中になり始めました。

そんな万太郎を担任の教師が厳しく叱責しました。万太郎は教師に対して英語で反論し、小学校をやめる決断を下しました。それから6年の歳月が流れ、18歳になった万太郎は相変わらず植物が大好きな青年に成長しました。

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感想

子役ちゃん時代が終了しました。

今回、万太郎くんの年齢は12歳から18歳に一気にスキップしましたが、スキップされた6年間にもリアル万太郎くんには様々エピソードが存在します。

ドラマではスキップされた空白の6年間を簡単にまとめてみます。

小学校中退後のリアル万太郎くん

小学校を退学した1年後、リアル万太郎くんは小学校の教師になりました。

当時、小学校の教員が不足していたため、リアル万太郎くんは臨時教員として雇われたのだそうです。

そのときリアル万太郎くんは15歳。

今なら中学生が小学生の先生をしているようなものです。

しかし、小学校の先生として子供たちに勉強を教えるうちに、リアル万太郎くんの中の学問への情熱が再び燃え始めたのだとか。

リアル万太郎くんは臨時教員を2年でやめ、田舎では満足な学問はできないと佐川村を出て高知の「五松学舎」という塾に入塾します。

「五松学舎」

17歳のリアル万太郎くんは高知で下宿しながら「五松学舎」に通う新生活を開始。

しかし、リアル万太郎くんは植物学や天文学を学びたいと望むものの、「五松学舎」では主に漢学を教えていました。

しばらくするとリアル万太郎くんの足は「五松学舎」から遠のくようになり、そんな中で高知でコレラの感染が拡大。

高知の下宿を引き上げ佐川に帰ることに。

中学校教師・長沼小一郎

高知でのコレラ感染が収束すると、リアル万太郎くんは再び高知へ。

このときリアル万太郎くんは18歳。

今回のドラマの終わりの年齢と同じころのことです。

18歳になったリアル万太郎くんが向かったのは「五松学舎」ではなく、中学校教師の長沼小一郎という人物のもと。

長沼氏は西洋の植物学の文献を日本語に翻訳した実績を持ち、植物学にも明るい人物であったため、リアル万太郎くんが興味を持たないわけがありません。

そして長沼氏との出会いが、日本で植物分類学を発展させるというリアル万太郎くんの「金色の道」を見出すきっかけになったのだそうです。

蘭光先生の教えの実在モデル

今回のドラマの中で、山の中でキンセイランを見つけた万太郎くんが次のようなことを蘭光先生に言いました。

文字で読んだことよりも実際に目で見たものの方が心が震える、みたいなことを。

文献の情報よりも、実際に足を運び目で見た情報の方が重要だという教えを、ドラマの中では蘭光先生が万太郎くんに伝えたものと思われます。

この教え、リアル万太郎くんは上述の長沼小一郎先生から教わったようです。

植物採集

18歳のころのリアル万太郎くんはまた、植物採集に没頭。

ただし、その植物採集は命がけのもの。

まだ洋服が普及していなかった当時、険しい山歩きには不向きな着物で、今ならかなりの装備が求められる険しい山の中へ。

そして激しい雨に打たれたり、遭難しかかったり、一つ間違えていたら断崖絶壁から転落しかねないようなこともあるの中での植物採集。

BSで朝ドラの前にたまに放送されている『日本百名山』をもっとハードにした環境の中での植物採集だったようです。

以上が、ドラマの中ではスキップされたリアル万太郎くんの空白の6年間です。

ドラマの中の万太郎くんも上に述べたような経験を積み重ねたことを想像しながら、次週を迎えたいと思います。

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予習レビュー

万太郎くんが小学校を中退します。

中退の理由は、小学校の授業があまりにも退屈だから。

武家の子弟に向けて開かれていた学問所は今の言葉で言うならば英才教育、あるいはエリート教育。

実際、かなりレベルの高いことを学んでいたと何かの本で読んだことがあります。

リアルの万太郎くんが学んだのもドラマの中に登場する学問所と同じ名称の「名教館」。

リアル万太郎くんは「名教館」で和漢学、英語、オランダ語、物理学、生理学、植物学を学び、英語によってヨーロッパの文明を学んでいたのだとか。

そんな高度な学問を学びながらも成績はずば抜けて優秀だったのがリアル万太郎くん。

ドラマの中の万太郎くんも、同様の学問を学び成績はすば抜けて優秀という設定なのでしょう。

そんな高度な学問で優秀な成績をおさめていた万太郎くんが、小学校の読み書きソロバンレベルの授業を強いられる。

教育の機会が平等になったのはいいことですが、英才教育で優秀な成績をおさめられるはずの生徒が、英才教育を受ける機会を失ったのは大きな損失かもしれません。

現代なら万太郎くんの才能はつぶされて終わっているのでしょう。

しかし万太郎くんが生きた時代は、人生の選択においては今よりも自由があったようです。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

     うーん、荒俣宏氏は「帝都物語」で得た多額の印税を図鑑の編纂と蔵書の購入で使い果たしたそうです。荒俣氏は自分で稼いだ金を使っただけだから良いのですが、万太郎さんは家のお金を使ったから咎められるべきですが、知的好奇心と独占欲と収集癖が加わると、良識などはどこかへ吹っ飛ぶ。
    ある意味、ギャンブルや酒色に狂うより始末が悪い。ただ私もろくでなしだから気持ちは分からなくもない。会社の倉庫には見てない映画のブルーレイやDVD、モデルガンが多量に埃をかぶっている。そろそろ断捨離していらない物をブックオフやオフハウスに売りにいかないと。

  2. あさのあさみ より:

    名教館で学んでた町人コンビのうち、お医者の息子くんは講義のレベル低下を気にするどころか(元々ついていけてなかったのかも知れませんが笑)、小学校の共学ライフを楽しんでいるようですが、
    共にハイレベルの授業を受けていた他の士族の子供たちはどうしたのでしょうか?
    広瀬くんみたいに皆が皆東京に行けたわけでもないと思うのですが…

  3. 還暦のたつお より:

    番頭二月分の給料、今の貨幣価値に換算すると60万円くらい?「一生のお願い。」これから一体何回使うんだろう?各教館は廃止、学制改革。池田先生最後の個人授業。仁淀川、高知には二回ばかり行ったけど良い所です。池田先生の言葉が万太郎君の好奇心に火をつけちゃたな。今日の放送分の感想は後ほど。

  4. 名乗る程の者ではございません より:

    高知県から連想することは大多数が坂本龍馬だと思うけど、野球マンガ全盛期を知っている私は「侍ジャイアンツ」の番場番ならびに「ドカベン」の土佐丸高校なんですよね
    因みに、竹雄くんは「侍ジャイアンツ」八幡先輩に、万太郎くんは「ドカベン」犬飼三兄弟の知三郎に似てるかな

  5. 名乗る程の者ではございません より:

    雑草という草はない

    牧野博士ならびに生物学者でもあられた昭和天皇が話された素晴らしい御名言
    その御言葉通り皇居は自然庭園です

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