らんまん

万太郎の標本が新種認定 / らんまん 第60回

2023/6/23(金)第13週「ヤマザクラ」

あらすじ

ひ孫の顔を自分の手で抱きたくなったタキは医師の鉄寛に病気を治して欲しい、どんな薬を使ってもいいので生かしてほいしと頼みました。しかし鉄寛はタキの病気を治す薬は作れないと応え、頭を下げて詫びました。

一方の万太郎は寿恵子を連れて、思い出のつまった佐川の地をまわりました。かつて通っていた学問所や、幼いころにいつも遊んでいた裏山の神社をめぐりながら、万太郎は寿恵子に佐川での過ごした日の思い出を語りました。

そんな中、万太郎のもとに東京大学の学生たちから手紙が届きました。その中にはロシアのマキシモビッチ博士からの手紙が封入されており、それは万太郎がロシアに送った標本の一つが新種として認められたことを知らせるものでした。

万太郎が土佐で採集した「マルバマンネングサ」の学名には、発見者である万太郎の苗字が付けられていました。万太郎は自分が採集した植物の標本が新種として認められたことを涙を流して喜び、寿恵子と竹雄も万太郎を祝福しました。

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感想

タキさんの決断

鉄寛先生がタキさんに言いました。

万太郎に東京に戻らずこのまま佐川でタキのそばにいてもらってはどうかと。

一方で、寿恵子ちゃんが万太郎くんに言いました。

佐川で暮らしてもいいと。

この二つのセリフがドラマの中で語られることは事前に明かされていました。

そしてブログ主は、この二つのセリフから物語後半は舞台が土佐になるのではないかと予想していました。

しかし実際に明らかになった物語後半はの舞台は引き続き東京であることが数日前に判明。

上の二つのセリフは一体何だったのかと疑問に感じていましたが、その疑問が解けました。

タキさんが万太郎くんを引き留めないと心に決めたんですね。

きっと苦渋の決断だったに違いありません。

しかしタキさんらしい決断でもあります。

そして、それほどの決断だったからこそ万太郎くんには土佐で寿恵子ちゃんと暮らすという選択肢はなくなりました。

鉄寛さんの言葉や寿恵子ちゃんの言葉は、タキさんの決断の強さを際立たせるためのものだと納得の『らんまん』第60回でした。

次週

次週はいよいよ物語前半の最後に当たる週。

物語前半に描かれた人間模様に一区切りがつきます。

ブログ主がもっとも楽しみにしている「一区切り」は竹雄くんと綾ちゃんの関係の「一区切り」です。

今週、竹雄くんは万太郎くんの助手の座を寿恵子ちゃんに引き継ぎました。

竹雄くん、あのタイミングで助手の座を寿恵子ちゃんに引き継いだのは何か思うところがあったのでしょう。

次週、竹雄くんが子供のころから秘めていた綾ちゃんへの想いが成就します。

子役ちゃん時代が終わってしばらくの間、ブログ主の中での「主人公」と「主人公の相手役」の関係にようやく一区切りがつきます。

一方、悲しい別れもあるはずです。

それは病状が悪化しているタキさんのこと。

タキさんの最期もまた、物語前半の「一区切り」。

物語の中の時代の「一区切り」です。

物語後半の展開の一部

物語後半の新キャスト発表と同じタイミングで物語後半の展開の一部も明らかになりました。

明らかになったのは7月放送分。

土佐での寿恵子ちゃんとの祝言のあと、東京に戻って再び研究を続ける万太郎くんの活躍が描かれます。

万太郎くんが大窪講師との共同研究を通して新種を発表。

また植物図鑑の出版をしたことで植物学者として世に認められるように。

万太郎くんの快進撃はさらに続き、日本では発見されていなかった植物を見つけてそれも世界に発表。

また寿恵子ちゃんが第一子を出産するなど万太郎くんは順風満帆です。

その一方で気になるのが田邊教授の存在です。

物語後半の田邊教授

田邊教授といえば、一昨日の物語後半の新キャストの発表の際に田邊教授の奥さまが登場することが判明。

しかもこの奥さまは万太郎くんや寿恵子ちゃんとの交流を深める重要な役どころ。

ということは田邊教授そのもののドラマの中のでポジションも前半以上に重要な位置を占めることが考えられます。

前半の田邊教授は大学と舞踏練習会の場面にしか登場しませんでした。

しかし後半は田邊教授の自宅場面があるようなので、田邊教授の私生活も描かれるのでしょう。

さて、その田邊教授ですが物語後半に入って早々に深い挫折を経験します。

新種の発表に向けて着々と研究を続けていたところ、別の学者が同じ植物を研究をしており田邊教授の先手を打って新種として発表。

田邊教授がやっとの思いでつかみかけた名をあげる機会を失ってしまうわけです。

その一方で、田邊教授がかかわる万太郎くんの案件は次から次へと成果をあげる。

田邊教授のことなので、表向きは万太郎くんの手柄を自分の手柄として平然としているのかもしれません。

しかし、万太郎くんの手柄は自分の仕事として世界の記録に残されるわけではない。

「万太郎くんの手柄は自分の手柄」が通用するのは、東京大学の中だけです。

そのことを一番承知しているのは他でもない田邊教授のはずです。

田邊教授の万太郎くんへの嫉妬心、すごいことになりそうです。

物語後半に予想されるダークな展開

また学者たちの嫉妬がうずまくドス黒い世界に幻滅して藤丸くんが気を病んでしまいます。

研究そのものでなく、研究の成果によって評価されることが目的になっている学者たちの激しい競争社会を見て、メンタルの弱い藤丸くんは大学を辞めたいと言い出すのだとか。

ウサギでは癒されないところまで藤丸くんは追い詰められるようです。

別の見方をすると、藤丸くんをそこまで追い詰めた嫉妬がうずまくドス黒い社会の中で、ドス黒い嫉妬心を全開にして生きているのが田邊教授という人物です。

藤丸くん以上に田邊教授の精神が崩壊してしまう日が来るのかもしれません。

また、史実の中のリアル田邊教授はリアル万太郎くんへの嫉妬心を募らせた末に、リアル万太郎くんの大学への出入りを禁じています。

その挙げ句、自分自身も学内の人間関係をこじらせて教授職を失うことに。

波乱の予感しかない田邊教授。

物語後半に入って早々、田邊教授から目が離せなくなりそうです。

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予習レビュー

本作も中盤に差し掛かり、次週は半年にわたるストーリーの前半の最後の週です。

ストーリーの折り返し地点を迎えるタイミングで登場人物たちの人間関係や環境に大きな変化が生じます。

ストーリーの折り返し地点のころ、史実ではリアル万太郎くんは何をしていたのか、どんな状況だったのか。

簡単にまとめてみました。

明治17年(1884年)22歳
リアル万太郎くんが東京大学理学部植物学教室への出入りを許されたのがこの年のこと。

植物学雑誌の発行はここから3年後のことです。

明治18年(1885年)23歳
ドラマの中の万太郎くんは東京大学への出入りを許されてから植物学雑誌の発行までずっと東京で生活しています。

しかしリアル万太郎くんは東京大学への出入りを許された翌年に土佐に戻り植物採集を行なっています。

明治19年(1886年)24歳
一度は土佐に戻ったリアル万太郎くんは、再び上京。

そしてこの年から石版印刷技術を学び始めています。

一方でこの年にはコレラの感染拡大から身を守るために箱根に滞在しています。

明治20年(1887年)25歳
リアル万太郎くんが『植物学雑誌』を創刊したのがこの年。

しかし、その直後に祖母が亡くなっています。

明治21年(1888年)26歳
リアル万太郎くんとリアル寿恵子ちゃんが世帯を持ったのがこの年。

ドラマの中では「祖母の死」と「結婚」は順序が逆転しています。

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POSTED COMMENT

  1. 還暦のたつお より:

    名乗る程の者ではございません様。早速のご返答ありがとうございます。確かではないのですが、御寮さんという呼称は、関西地方(多分四国も含む)のもので、加代さんの嫁いだ、静岡県熱川では縁の無い呼称ですね。小姑の正子さんは、加代さんを追い出そうと手を変え品を変え嫌がらせしてました。多分御寮さんと呼ばれていたのは、浪速千恵子さん(「おちょやん」ですね。)演じる加代さんの祖母だった気もしますが、御寮さんは、若奥様に使われる事も多いので間違いかも。別のドラマかもしれません。
     不確かな事ばかり書いてすみません。恥かきついでですが、「どてらい奴」は実在の工具商社「山善」の社長の出世一代記ですが、主人公が徴兵されて沖縄の激戦地に送り込まれる件で、視聴率が俄然アップした記憶があります。ここで私と同世代の男子は「古参兵」、「初年兵いじめ」といった旧軍あるある用語を「兵隊やくざ」、「人間の条件」を見る以前に知りました。

  2. 名乗る程の者ではございません より:

    還暦のたつお様
    昨日のコメントに反応します
    花登筺さんのドラマ「細うで繁盛記」で山水館の加代さんは御寮さんと呼ばれていましたかねえ?
    立場上は御寮さんでしたがどうにも正子から「きゃよ!」と呼ばれていたことが強烈に残っていますずら
    正子、「おしん」佐賀の義母、特撮で悪役演じることが多かった藤山律子さんが個人的には昭和の三大女性ヒールです
    あと花登筺さんの作品といえば母親が好きだったら一緒に見ていた「どてらい男」、ドラマの内容はよく覚えていませんが、西郷輝彦さんが歌う主題歌(大好きな曲。たまにカラオケで歌います)に併せて映される高い波や砂丘に舞う大量のお札はやけに迫力があり覚えています

  3. ばなななち より:

    世界の植物学者としての道へ進めと、万太郎くんの背中を押すシーン…最高でしたね

    主人公の目指しているゴールが分かりやすい作品はいいですね
    物語が進んでいるのがイメージしやすいので、見ていて気持ちがいいです

  4. よるは去った より:

    万太郎「わ・・・・・わしの名前が植物の名前として・・・・・・永久に刻まれるがじゃああ・・・・・・。」

     学者としてこの上ない名誉の一つでしょうね。

  5. 還暦のたつお より:

     死期の迫るタキさん、万さん夫妻にはずっと近くにいて欲しいのだろうけど。駄目だろうな。あ、お母ちゃん出てきちゃった。この後のネットの反応が気になる。「佐川で暮らす。」この選択果たして?決意動かすロシアからの手紙。まさかロシアまで行く気じゃないだろうな?自分の名前付けられちゃったからな。大興奮の一同。タキさんの決断は。「草の道が海の向こうまで繋がってるき。」
    なんか涙が出そう。

  6. あさのあさみ より:

    万太郎くん、おめでとう!
    今回、田邊教授と万太郎くんが発見した植物がそれぞれ1種ずつ新種に認定されたわけですよね?
    万太郎くん1人だけでなくて良かったです
    もし、そうだった場合、名誉欲のかたまりのような田邊教授がどう出てくるか怖いです

  7. 還暦のたつお より:

    新登場の森有礼役の橋本さとしさん、「どうする家康」では武田方の重臣、山県昌景役で、長篠で戦死したばかりなのに、あっという間に明治時代に転生です、(笑い)森有礼さんは文部大臣も務めた明治政府の要人ですが、急速に西欧化を推し進めた事で有名です。だから田邊教授にとっては頼れる後ろ盾だったのでしょう。しかし西欧化を推進した事が仇となり40代の若さで国粋主義者に暗殺されてしまいます。合掌。演じる橋本さんは長身で彫りの深い風貌で、古田新太さんと同じ劇団の出身。善悪両方こなします。

  8. 名乗る程の者ではございません より:

    植物由来の抗がん剤が出来てどんな手段であれ延命を望む方々に応えるのはまだまだ先の話、この時代ではかなわなかったタキさんの望みを叶える研究の礎を万太郎くんが作ったといっても過言じゃないよね

    広末さんが出演していましたね
    なんとなくだけど、世間と広末さんの戦いって最後は広末さんが勝つと思うんだ
    島崎和歌子さん、西原理恵子さん、ソニンさん、「スケ番刑事」二代目麻宮サキもそうか
    土佐の女性って肝力が半端なくホント強いと思いますからね

  9. zebra より:

    牧野富太郎は出身地で最初の結婚していたのだから、綾との結婚話をタキからされたのがそれに近いけれど、それが無いことにされた牧野万太郎の結婚時期が違っても自然な話だ。

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